スーパー・スターへの扉を開け!!;Elton John・僕の歌は君の歌 [音源発掘]

ここのところ選び来ている作品、これまでの記事を見ていただければお分かりかと思いますが、かなり古い作品ばかり。
今年1~3月は、仕事の方は昨年年末にかけてかなりハッスルしてあらかた片づけてしまったことから、ゆとりのある日常に戻れるはずだったのですが、いざ蓋を開けてみるとあにはからんや。
突然、そこに襲い舞い込んで来た仕事の嵐の波。

手に入れた新作、そのサウンドをゆっくりと味わおうかと思っていた矢先の不意打ち、心のゆとりもなくなり、音楽に集中することも出来なくなってしまっって。

そこで、気楽に接することが出来る音楽をということで、若い時に聴き親しんでいた作品を聴いてみることにしたのですが、久しぶり耳にしてみると、リラックスした雰囲気に浸りながら活力が湧いてくるような気分が得られ、時にはこれまで気付かなかった隠し味をみつけたりと、そんなことからその試みにすっかり嵌まってしまったのです

そのこと、今年に入ってからの記事を見ていただいてもお分かりかと思いますが、今回もその若い時に聴いた作品からの1枚、60年代の終わり登場し、瞬く間にスーパースターの地位に上り詰めてしまった、このアーティストのこの作品のお話をしたいと思います。
そして選んだのが、

Elton John (album).jpg


Elton John 、スーパー・スターへの飛躍の原点ともいうべき2作目の作品、1970年発表の”Elton John (邦題;僕の歌は君の歌)”です。

日本では、英国でのリリース8か月遅れることの1971年にリリースされたこの作品、現代のようにまだ情報が高度化されていなかった時代、Eltonがまだ無名の新人であったことを考えれば、それはいたしかたないことだった思うのですが、その無名の新人を一躍世界に名を知らしめたのが、この作品に収めれていた、今でもElton自身コンサートでは必ず歌うというこの曲。


”Your Song(邦題;.僕の歌は君の歌)”。


この不朽の名曲を歌うEltonの1970年のLive映像を見つけましたので、今回はその映像から初めることにしょうと思います。






Eltonの曲といえば、その作詞を担当したBernie Taupinとのコンビが有名ですが、この二人、作曲にあたって、Bernieの詩からEltonが即座に曲想が湧かなかった時は、その詩はすべて没にしていたのだとか。

この曲もBernieがEltonに詩を渡してから、わずか15分で曲を書き上げたのだとか。
そのため、この曲もメロディを聴くとその詩の意味が自然と流れ込むように伝わってくるように思えるのです。

そうした彼らの作った曲の中には、どこか哲学的な心の流が内在しているようにも思えるのですが、今度は、その哲学的な意味合いを強く感じる、若き日にこの曲を聴いて以来、私の座右の銘のようになってしまった曲を聴いていただきたいと思います。

曲は”Sixty Years on(邦題;.60才のとき )”です。



現代音楽的な弦の響きが、年齢を重ね達観の境地に至った男の人生の軌跡を増幅感じさせてくれる、その編曲の曲のマッチングが深く印象に残る曲だと思います。

さて、EltonとBernieのソング・ライター・コンビ、この作品以降は、さらに互いの意思疎通が深まりが感じられ、その曲作りもさらに磨きがかかって行き、1972年の作品”Honky Château”以降は、確実にその頂点への道を上り詰めて行くことになります。

しかし、元来アンダー・グランド・シーンに注目していた私としては、ヒット・メーカーとなってド派手な衣装に身を包まれ登場するようになる彼らの存在が、次第に疎ましくが感じられるようになってしまい、合わせてEltonの歌唱力が、強力なコンビネーションを得、曲毎に精緻さを極めて行く彼の曲を表現するには、その力量を不足しているのではと思えるようになり、以後はその存在を一歩引いて見るようになってしまったのでした

それにしてもこの曲、60歳という年齢が身近である自分であるはずなのに、今だ若い時感じたそのイメージの域に達していないどころか、かなりかけ離れたところににいるという事実。

今や60歳という年齢は、老いながらも悟りの境地に浸る時ではなく、また大きな人生の壁を乗り越え、次へのステップに踏み出す時だったのだと、昨今、この曲を聴きながらつくずく考え思うようになってしまったのです。

そうした今の心境、これまで壁に突き当たるごとに思い出し、勇気を貰い乗り越えるに大きな糧となった曲、ラストはこの曲を聴きながら締め括ることにしたいと思います。



曲は、”Border Song(邦題;人生の壁)”でした。

若い時に持ってしまった偏見から聴くことを拒み続けていたElton John。
今回、久々にこの作品を聴いてみて、それぞれ楽曲のピュアなイメージ、そして斬新なアレンジが強く印象に残りました。

そしてその後の軌跡をたどり聴いて行くと、派手なショー・ビジネスの裏側で密かに精進を重ねていた、彼ら姿に気付かされてことになりました。

今度は その到達点の一つであるともいえる作品、1973年”Goodbye Yellow Brick Road”を再度聴き直してみることにしたいと思います。


Track listing
All songs written by Elton John and Bernie Taupin.
1."Your Song" Goodbye  僕の歌は君の歌
2."I Need You to Turn To"  君は護りの天使 
3."Take Me to the Pilot"  パイロットにつれていって
4."No Shoe Strings on Louise"  ルイーズに靴紐はない
5."First Episode at Hienton" ハイアントンの思い出
7."Sixty Years On" 60才のとき
8."Border Song" 人生の壁
9."The Greatest Discovery"  驚きのお話
10."The Cage" 檻の中に住みたくない
11."The King Must Die"  王は死ぬものだ


Personnel
Elton John – piano, vocals (All tracks), harpsichord (track 2)
Frank Clark – acoustic bass (track 10), acoustic guitar (1)
Colin Green – additional guitars (track 1, 7), Spanish guitar (6)
Roland Harker – guitar (track 2)
Clive Hicks – acoustic guitar (track 9), rhythm guitar (4), twelve-string guitar (1), guitars (7-8, 10)
Alan Parker – rhythm guitar (track 3)
Caleb Quaye – lead guitar (tracks 3-5), additional guitars (9)
Les Hurdle – bass guitar (track 10)
Dave Richmond – bass guitar (tracks 1, 7-8)
Alan Weighall – bass guitar (tracks 3-4, 9)
Brian Dee – organ (tracks 6-7)
Diana Lewis – Moog synthesizer (tracks 5, 9)
Paul Buckmaster – cello solo (track 8)
Skaila Kanga – harp (tracks 2, 8)
David Katz – violin
Terry Cox – drums (tracks 8, 10)
Dennis Lopez – percussion (tracks 3-4)
Barry Morgan – drums (tracks 1, 3-4, 7, 9)
Tex Navarra – percussion (track 9)
Madeline Bell – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Tony Burrows – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Roger Cook – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Lesley Duncan – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Kay Garner – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Tony Hazzard – backing vocals (tracks 3-4, 7, 9)
Barbara Moore – backing vocals, choir leader (track 7)

Recorded
January 1970; Trident Studios



桜の開花宣言が出た思ったら、また冬に戻ったような寒い日々。
今年の春の天気は、本当に気まぐれもいいところ。

私も先日出張した松本で、季節外れの大雪に遭遇。
天気予報では昼から雨の予報のはずなのに一向にやまない雪。

この日は家に帰る予定なのに、高速道路はチェーン規制となってしまって、ところが、私の乗って行った車はノーマルタイヤ。

仕方がないので一般国道で帰路につくことにしたのですけど.........!

DSCN1714km.JPG


峠道はご覧の通り。

なんとか無事に帰れたものの、結局250㎞の道程の内、半分近くが雪道との格闘となり、もうへとへと。

おかげで記事も書く気力もなく、気付いてみれば前回より20日間余りのご無沙汰となってしまいました。


といっても、忙しかった3月もあと一つ仕事をこなせば、少しゆっくりできそうな。

後ひと踏ん張り、老体に鞭を撃って乗り越えることとしなければ。


nice!(7)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:PLAYLOG

nice! 7

コメント 4

mk1sp

切々と歌うエルトン・ジョン良いですね♪
歌詞は難しいですね、戦争の記憶と平和の尊さを唄っているのでしょうか、
やっぱり平凡な日常が一番ですね(笑)
by mk1sp (2016-03-28 19:16) 

ミスカラス

ユアソングは名曲中の名曲ですよね。初めて聴いたのは、中学3年生の時だったかな。友達のお兄さんが持っていたシングルのアナログ盤でした。彼は、当時のイギリスのシンガーソングライターの先駆者ですよね。ドノヴァンとか、アル・スチュアート等、結構聴いてた覚えがあります。シンガー・ソングライターに関しては、USよりUKの方のが好みでした。メロディーラインが奥深いというか繊細な感じがしましたからねぇ。
by ミスカラス (2016-03-31 20:06) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

mk1spさん

この詩、本当に難しいですね。
訳す人によってニュアンスがかなり違っていますしね。

戦争の記憶(あなた)とあなたに与えられた平和を享受する私。

この当たり、私の父が戦争に行った人間であるため、言葉にすることは出来ませんがこの当たりに私自身切々した何かを感じています。

それにしても、この歌、本当に意味の深いものがありますね。


by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2016-04-01 16:29) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

ミスカラスさん

あの当時は、UA,UK共にずいぶん多くのシンガー・ソングライター登場しましたよね。

その頃、日本ではどちらかというとUSのシンガー・ソングライターの方が幅を利かせていたように思うのですが、その中で初めてユアソングを聴いた時、私も、おっしゃる通りそのメロディーラインの奥深さと繊細さに新鮮なものを感じ、かなり印象に残ってしまったことが思い出されます。

そして、その印象は今聴いても変わることがない、これぞ真の名曲だからこそ成せる技なのでしょうね。

by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2016-04-01 16:53) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0