Japan発!歴史にその名を刻んだLive・不朽の名盤!;Deep Purple・Made in Japan [音源発掘]

いつもの年より冷え冷え感が強かった今年の3月初旬、ところが中旬に来て季節の流れは一挙に変わり瞬く間にの春本番到来。
桜開花前線の急激な間に北上、東京では開花宣言から僅か3日の満開で、桜の見頃も早終盤となってしまったところ。

しかし、こうして訪れた力強い元気の種子漲りつつある季節の移ろいとは裏腹に、ここに来て体の調子は絶不調とあいなってしまった私。
春の訪れを導く変わり目の気まぐれな天気、特に今年のそれは例年に増してその傾向が激しかったことから、とうとう風邪をひいてしまい、それに合わせて持病ともいえるいくつかの症状が発症してしまったところに膝の関節痛まで患うという満身創痍状態になってしまって。


とは言っても、病にめげてばかりではますますその壷にはまってしまう!
ならばと一考、ここは一発心に元気をつけてその禍を一挙に打ち払ってしまおうと、にわかに試み聴き始めたサウンドがヘビーメタル。

そして、Unisonic, Harem Scarem, Accept, Circus Maximus, Helloween, ANGRA, IRON MAIDEN,
Primal Fear等々と手当たり次第に聴き始め、そのうちにたどり着いたのが、メタル創成期に誕生しメタルそのものの原点ともいわれている、あのバンドの名高きこのLive盤。

Deep_Purple_Made_in_Japan.jpg


Deep Purpleの1972年の来日公演を収めた不巧の名盤”Made In Japan”だったのでした。
私にとっては案の定の結末だったのですが、何と言っても数あるロックのLive盤の中でも、歴史に残る不朽名盤の誉れ高い本作品。
今回はその作品を聴きながら、私の音楽遍歴をまじえそのお話を進めることにしたいと思います。




この作品、元々Liveの収録に乗り気でなかったPurpleが、日本限定の条件を付して収録を認めたものだったもので、当初は日本国内のみでの発表だったものなのですが、発表後海外でもその素晴らしさが評判話題となり、やがて海外各国での発表が認められたいう、日本発の快挙が生んだ名盤なのです。

1972年という時期のPurpleといえば、ギターのRitchie Blackmoreとヴォーカルの Ian Gillan が在籍し、彼らの黄金時代を築いた第2期Deep Purpleの最絶頂期を迎えていたところ。

しかしながら、その頃の彼ら、その人気とは裏腹に彼の活動の過酷さも最絶頂に達し、彼の健康状態も最悪の状態に陥っていたのだとか。
事実、この年の日本公演は5月に予定されていたのですけど、健康状態悪化その休養ため延期されることになっていたのだそうなのです。

そうして、2ヶ月の充填期間を経て開催されたのが、この日本でのLive。

この演奏には、その束の間の休息の時を得て、十分にエネルギー充填し心体共に溌剌感を取り戻した彼らの限りなく湧き出て来る凄まじい創造力の波が、そのプレーとなって押し寄せてくるような感さえ抱かされる素晴らしさがあるのです。


と今でこそ、この作品にこうした感想を持つようになった私なのですけど、この作品が発表された頃は、この作品に発表直後のFM放送で接することが出来たにも関わらず、当時ロックにブルース的な要素を求めていた私は、そのブルース色希薄なプレイに関心を示すこともなく、むしろBlackmoreの超早弾きプレイに嫌悪感すら感じてしまい、積極的聴くことに躊躇い持ってしまっていたのです。

それでも、当時話題沸騰中のDeep Purple、やはり聴いておかねばと思いその後何枚かの作品を手に入れ聴いてみたのですが、それでも最初に感じた嫌悪感のトラウマが引きずってか、しっくりと馴染むことが出来ずにその後長い間、彼らに興味を持つことはなしに過ごしてしまったのです。

ところが、彼らのあの黄金時代から20年近くが過ぎた1990年代に入ってからのこと、それまで彼らにまったく興味を覚えなかった私が、彼らの興味をそそれるきっかけとなるひとつのクラッシック作品に出会うことになったのです。


それは、たまたま聴いた日本人のクラシック弦楽四重奏団によるDeep Purpleの楽曲の演奏集。

あのまさしくロックといった楽曲が、一体どんな演奏になるのかとCDの最初に収めらていた曲を聴き始めてみると、そこから流れて来たのはあたかもモーツアルトの室内楽のような旋律。
Purpleの曲ならば 以前聴いた米国の弦楽四重奏団Kronos Quartetが演奏するJim Hendrixの"Purple Haze(紫のけむり)”ような現代音楽的アプローチでの編曲が施された演奏となるのでは勝手に想像していた私は、完全に肩透かしを食らって一旦はこれはスカかと思ったところ、それに続いて現れたのが彼ら黄金期最大のヒット曲”Highway Star”のあのメロディ。

その主題登場まで間の流れには全くの不自然さはなく、当然のようにモーツアルトとPurpleが渾然一体となって流れていた。
その不思議な取り合わせの妙に一瞬我が耳を疑ってみたりしたのですけど、よく考えてみると当時ハード・ロックの中心にあったLed ZwppellinやBlack Sabbathの比べ Purpleの曲は、メロディ・ラインがクッキリ浮き出ていて親しみやすさあるのがその特徴だということに気付かされ、そこに彼ら自身がその下地としてしっかりとしたクラシック音楽の素養を身に着けているを感じ、だからこそ、この両者の自然な結びつきも至極当たり前のことだったのだ思うようになったのした。

そして、その結果それまでのDeep Purpleに抱いていた私の嫌悪感は消滅、遅ればせながらPurpleの作品を立て続けに聴き始めることなったのですが、中でも彼らのもの凄さを感じたのが、この日本でのLive作品。

今回、この記事を書きながら映像を探してみたところ、この年の東京でのLive映像をみつけました。
そこで、語るよりはその映像、まずはご覧いただくことにしようかと思います。

曲はあの名曲”Highway Star”です。




縦横無尽に繰り広がるアドリブ・プレイ、この当時多くRockミュージシャンが、好んでLiveではアドリブ・プレイをを演じていたように記憶しているのですが、それ自体ステージに接し聴くとさほどでもないものの、いざサウンドだけに接してみると、その大半が自己陶酔の中で単調なソロを奏でているだけのもので、聴いている方もマンネリ・ダレ気味となって飽きてしまう内容のないものが多かったように思うのです。

しかし、Purpleのそれは、メンバーそれぞれが互い刺激を与えつつ、その一瞬の変化に導かれソリストも自由奔放にプレイしながらもサウンドを予期しない方向へと進めて行く、聴く者にスリルと高い緊張を与えてくれる、アドリブの本流Jazzと比べても遜色ない高度で聴き応え十分なもの。

私自身、この作品以前に、彼等のBBCでのLiveをエアチェックしよく聴いていたのですけど、そのLiveと比べてもこのステージ演奏は、そのこの白熱度、インパクト共においてBBCを遥かに凌駕していた、彼らのベスト・パーフォマンスだと思ったのです。

しかし、この当時のDeep Puppleは、かなり人間関係が悪い状態にあったとのことで、特にRitchie BlackmoreとIan Gillan の確執は修復しがたいところまで来ていて、日本公演の後、第2期Purplle最後のスタジオ作品”Who do We think We are(紫の肖像)”を制作・発表するも、翌年の6月にはGillan とベースのRoger Glover の脱退分裂となってしまうのです。

こうした経緯を知りさらに聴いてみるとこのLive、メンバー間の確執が演奏にもメンバー各自の好戦的姿勢が感じられ、それがれ影響しそのソロもバトルの様相を呈していたことが、この名演を生んだようにも思えるのです。

さて、この1972年の日本での伝説のLive、この辺で、もう一つの映像ご覧いただこうかと思います。
曲は、先の”Highway Star”以上にPuppleと言えばこの曲という彼ら定番曲ともいうべき”"Smoke on the Water"です。



この記事を書きながら、Ritchie Blackmore、Ian Gillan、Jon Lord 3人の、第2期分裂後の各自のリーダー作品を聴き直してみたのですけど、気付いたのはそれぞれが立脚するところの音楽性違い。

三者三様の独特の個性があって、それがうまく噛み合っている段階には、Puppleとしての創作力も絶頂極め今に語り継がれる名盤を矢継ぎ早に発表するも、それぞれが自己主張始めるとその関係は最悪の状態になり分裂してしまった、そうなるも当然だったのだと知り得た次第。

いずれせよ長くは共に歩むことが出来なかった連中だと思うのですけど、うまく噛み合った状態での創造力は、それまでにない新しいRockの形を生み出す成果に繋がった。

そういう意味でDeep Pupple、現代メタルは基よりプログレシッブ・ロックの世界にも大きな礎を築いた、ロック史を語るうえで欠かすことの出来ない存在だということを、あらためて痛感しました。


さて、メタルを聴き始めての私の体調、おかげでここのところの陽気も良さもあわせ、おかげでなんとか回復の兆しが見えて来た思っていたら、週末に来て一挙に悪化。
病院に行って処方を受け目下は回復中なりましたが、これ、メタルでパワーを得、精神的には元気を取り戻したように感じたものの、それだけでは若い時のように体の芯まで健康は回復せず、それが病状の悪化に繋がってしまったもののよう。

いやいや、年ですね~~~。


それでは最後に、私がPuppleを見直すきっかけとなった弦楽四重奏団の演奏、掲載いたしましたので、よろしければご試聴下さい。

私は、1972年のDeep Pupple日本公演の全映像(一番最後に掲載しました)を見つけましたので、これを見ながらゆっくと養生に励むことにしたいと思います。




そうそう、今年の桜。
満開の時期、まだ空元気があったことから、今年は靖国神社境内にある東京管区気象台の標本木を見て来ました。

DSCN5538km.JPG


毎年思うことですけどこの標本木、日当たりの良い場所にあるせいか、周辺の桜より1日or2日成長が早いように思います。
この日も、外堀公園周辺の桜より花の様子は、1歩進んでいたように感じました。

DSCN5541km.JPG



Track listing
1. "Highway Star"
2. "Child」 in Time"
3. "Smoke on the Water"
4. "The Mule"
5. "Strange Kind of Woman"
6."Lazy"
7. "Space Truckin'”

Personnel
Deep Purple
Ritchie Blackmore – lead guitar
Ian Gillan – vocals, harmonica (uncredited), percussion (uncredited)
Roger Glover – bass
– organ, piano
Ian Paice – drums

Recorded
Festival Hall, Osaka, 15 and 16 August 1972 (1.2.3.5.7)
Nippon Budokan, Tokyo, 17 August 1972  (4.6)








DSC_2202km.JPG







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ジンジャー

親父さん、体調は大丈夫ですか?
そんな中でのコンスタントな更新、頭が下がります。自分はやっぱり山積みの仕事の影響か、なかなか更新できません…

DEEP PURPLEは自分は世代的にかなりの後追いですが、“Highway Star”“Burn”などを高校の時の同級生バンドがよくカバーしていたので、その影響で一時期よく聴いておりました。

今聴いてもとってもカッコいいこれらの曲を、あの時代に作っていたというのは凄いです。当時からしたらえらく先鋭的ではなかったのかなと思います。

あとで自分も聴いてみよっと!
by ジンジャー (2018-04-01 14:06) 

mk1sp

病は気からとも言いますが、最近は寒暖の差が激しく、気は張っていても、体はしんどいですよね。
体調いかがでしょうか、どうかご自愛ください。

Deep Purple、凄い声に圧倒されますね
私は、やはり「Smoke on the Water」の印象が強いです、メロディーが耳に残ります♪
by mk1sp (2018-04-01 17:11) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

ジンジャーさん

心遣いありがとうございます。
まだ完調とまでは行きませんが、日々症状は回復基調にあるので、今はほっと一息というところです。

DEEP PURPLE、今回いろいろ聴いてみて、今のHMに比べかなり荒削りなのだけど、そこから来る執拗なチャレンジ精神、情念の波がそれらを凌駕していることから、それ以上に惹かれてしまうものがあるの再確認したように思います。

その印象、またお聴きなって確かめていただければと思います。




by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2018-04-01 20:21) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

mk1spさん

私も病は気からとも思い、養生しつつ気合を入れて頑張って来たのですが、若い頃ならそれで完治となったはずなのに、良くなりかけたら、また悪化の繰り返しで、1か月!
とうとうダウンとなってしまいました。

Deep PurpleのIan Gillanのヴォーカル、Led ZeppelinのRobert Plantとのヴォーカルと合わせ、後のHMのべースなったように思います。

しかし、これに並ぶ人は、今もってそんなにいないような。

Blackmore の生み出す親しみやすいメロディの魅力、これを機に楽しんでいただければと思います。


by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2018-04-01 20:39) 

yuzman1953

ディープ・パープル、二時間堪能させていただきました。「レイジー」かっこいいですね。
by yuzman1953 (2018-04-03 01:49) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

yuzmanさん

もう2時間ご覧なられたのですね。
私は、、”Lazy"はまで見たのですが、まだ全部は見ていないのですけど.........

この曲、当時は"Highway Star”のシングル盤のB面の曲だったのですけど、私は当時その盤で初めてこの2曲を知り、A面よりB面のこの曲方が好きだったとことを思い出しました。

そんなことあってか私とっては、”Lazy"のLive映像のそのかっこい良さはひとしお、十分楽しんでしまいました



by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2018-04-04 06:12) 

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