昨今聴いているネオ・プログレシッブ・ロックの精鋭たち Part2 [音源発掘]

いやいや、心底参ってしまった、6月末早々に訪れた超突然の真夏本番!!
まだ梅雨明け宣言も出ない6月だというのに、連日の人の体温に迫り越える超猛暑の毎日が続いたり。

そして、早々の梅雨明け宣言が出、7月に入ったと思ったら、今度は、毎日が雨マーク続きの梅雨の戻りというべき天気が続いたりと。

仕事柄、日中を屋外で過ごすことの私、例年ならこの時期、雨マークと熱中症に気を配りながら何事もなく過ごして来たのですけど、今年の夏のこの目まぐるしい気候の変化には、超ロートルの身でこれについていくのはかなり難しくなって来ているよう。

おかげで、どうも体調が芳しくなく、知らず知らずのうちに仕事中に居眠りしてしまたりと、職場の若手の連中も、見てみないふりをして気を使てくれ助かっているのですが、さすがに年齢を感じてしまっているところ。

しかし、気だけは年寄りになきれず(こういうのが、熱中症の危険度が最も高いのではと思っていますけど)、今回のお話も前々回の記事で「もう少し聴きこんで」」と前置きをした昨今聴いているネオ・プロレシッブ・ロック作品のお話。

その一つ目の作品がこちら

Arena  The Seventh Degree of Separation.jpg


英国のネオ・プログレシッブ・ロック・バンドのArena、2011年発表の作品”The Seventh Degree of Separation”です。

1995年、英国のネオ・プログレシッブ・ロックの代表的存在のPendragonのキーボード奏者であるClive Nolanと同じくMarillionの元ドラマーであるMick Pointerによって結成されたこのArena、私としては、ネオ・プログレシッブ界のビッグ・ネーム出身であるという二人が結成したバンドということから、そのサウンドの出来栄えはかなり期待できるのではと、興味を抱き聴いてみることにしたのが彼らとの出会いの始まり。

そして聴いてみると、
そのサウンドは、二人の出身母体であるPendragon、Marillionが、70年代プログレシッブ・ロックの大御所であるGenesisの影響を色濃く感じたのに対し、このArenaはその痕跡はあるものの、ハードなロックのエッセンスを発散しつつ、そのバックを支える耽美なクラシカルな響きに新鮮なものを感じ、すっかりのめり込んでしまうことになってしまったのです。


それでは、そうしたArena、この辺で1曲聴いていただくことに致しましょう。



曲は、”Thief Of Souls”でした。

英国のプログレッシブ・ロック・バンドだというのに、70年代の英国のプログレに特有の憂いやちょっとした小難しさ漂う空気が希薄で、明朗な中にも何か意味ありげな感じのする独特なサウンド。

All Musicによって、1990年代の群を抜いて優れたネオ・プログレッシブ・ロックと評されたということも、素直にうなずける話だと思います。

とまあ、プログレのみならずハード・ロックやトラディショナル等、多くのジャンル・エッセンスを持つArena、それが彼の魅力だと思うのですが、1曲聴いていただいただけでは、その姿をつかむのはちょっと難しいかも。

そこで、この作品からもう1曲
曲は”Catching the Bullet”です。





さて、まずはArenaを聴いていただいたとろで続いての作品は、

therion Leviathan.jpg


スウェーデン出身のシンフォニックメタル・バンドのTherion、2021年発表の作品”Leviathan”です。

ひと昔前なら考えられなかったことなのですけど、今では、メタルのヴォーカリストに現役のクラシックの声楽家がいることを知り、その手のアーティストを探し聴いていたところ出会ったのがこのTherion。

そのサウンドは、メタルなれどフル・オーケストラと男女混成コーラスが大きくフューチャーされているというかなりスケールの大きなもの。

これまでシンフォニック・メタル、プログレシッブ・メタルと言えば,アメリカのKamelotイタリアのRhapsody of Fire、スペインのDark Moor、フィンランドのSonata Arctica、ブラジルのAngra等、多くのアーティストを聴いてきた私も、そのサウンド作りの妙に魅せられてしまい、最近は彼らの作品を片っ端から聴いているところ。

それでは、そのTherion、早速聴いていただくことに致しましょう。
曲は、”Aži Dahāka”です。



メタルだけど、クラシック音楽を想起させるスケール感。
オーバーかもしれませんが、ヴェートヴェンの第9の交響曲の合唱が重なり聴こえて来てしまったほど。

しかし、Christofer Johnsson によって1987年結成されたTherion、初期においてはデス・メタル・バンドだったとのことで、こうしたスタイルとなったのは1996年の5作目作品”Theli” 以降のこと。

私もそうしたことから、彼らの1990年代の作品にも耳を傾けてみたのですけど、確かに本作へ至るその萌芽を感じさせるものがあって、それ自体十分に楽しめるものではあるものの、本作ほどの大規模なスケール感はまだないなというのがその感想。

この辺り、2011年女性ソプラノ・ヴォーカリストのLori Lewisを正式メンバーに加えていること、本作が2012年発表の前作”Les Fleurs Du Mal ”以来9年ぶりに発表された作品であること等を考えると、本作はその間十分に構想を練りつ入念な準備を重ねて来た作品であることが推察されます。

それでは、このTherionの意欲作からさらに1曲。曲は女性ヴォーカリストのLori Lewiの歌唱が光る”Nocturnal Light”です。



ところで、この”Leviathan”という作品、3部作として企画されてるものだということで、続いてその続編が発表されるとのこと。

これだけのサウンドを聴かされると、次はどのような展開となるのか非常に楽しみ。
このTherion、当分は、目を離すこと出来ないなと思いました。



それにしても、1970年代初め、Pink Floyd、King Crimsonに出会いプログレシッブ・ロックに親しんで来た私。

1970年代の終り一旦は廃れてしまったプログレシッブ・ロックだけど、80年代にはMarillion、Pendragon等のネオ・プログレシッブ・ロック・ムーブメントの登場により、今やメタル等とも融合しつつ新たな音楽世界を届けてくれていることは嬉しい限り。

いい年になってしまったけど、これも心の若さを保つための強力なエッセンス。
新たなプログレ世界を探してまたその成果、ご紹介できればと思っています。



The Seventh Degree of Separation
Track listing
1.The Great Escape
2.Rapture
3.One Last Au Revoir
4.The Ghost Walks
5.Thief Of Souls
6.Close Your Eyes
7.Echoes Of The Fall
8.Bed Of Nails
9.What If?
10.Trebuchet
11.Burning Down
12.Catching The Bullet
13.The Tinder Box

Personnel
Clive Nolan₋keyboard,back vocal
Mick Pointer₋drums,back vocal
John Mitchell₋guitar
Ian Salmon₋bass
Paul Manzi₋lead vocal

Release
2011

 
Leviathan
Track listing
1.The Leaf on the Oak of Far(Christofer Johnsson, Thomas Vikström)
2.Tuonela(Christofer Johnsson)
3.Leviathan(Christofer Johnsson)
4.Die Wellen der Zeit(Nalle Påhlsson)
5.Aži Dahāka(Christofer Johnsson)
6.Eye of Algol(Christofer Johnsson, Thomas Vikström )
7.Nocturnal Light(Thomas Vikström)
8.Great Marquis of Hell(Christofer Johnsson, Thomas Vikström)
9.Psalm of Retribution(Christofer Johnsson, Thomas Vikström)
10.El Primer Sol(Christofer Johnsson, Thomas Vikström)
11.Ten Courts of Diyu(Thomas Vikström)

Personnel
Christofer Johnsson – rhythm guitar, keyboards, programming
Christian Vidal – lead guitar
Nalle Påhlsson – bass
Thomas Vikström – lead and backing vocals
Lori Lewis – soprano (3, 5, 7, 8 and 9)
Guest vocalists
Rosalia Sairem – lead vocals (1, 6 and 10), mezzo-soprano (6)
Chiara Malvestiti – soprano (3, 5 and 7)
Taida Nazraić – lead vocals (2, 4 and 11)
Noa Gruman – lead vocals (11)
Marko Hietala – lead vocals (2)
Mats Levén – lead vocals (9)
Hellscore – choir
Guest instrumentalists
Jonas Öijvall – hammond organ (5 and 6)
Snowy Shaw – drums (4, 5, 7, 10 and 11)
Björn Höglund – drums (1, 2, 3, 6, 8 and 9)
Ally Storch – solo violin (2)
Fabio Amurri – keyboards, programming

Released
22 January 2021




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tarou

お早うございます、浄光明寺にコメントを
有難うございました。
鎌倉で写真を撮っているうちに、歴史にも
興味がわき、浄光明寺を訪ねて見ました。
音楽にはいろいろなジャンルが有るんですね、
今は、Youtubeから好きな曲をダウンロード
して聞いています、お金も掛からず便利な時代に
なりました。

by tarou (2022-07-22 07:21) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

taroさん
一昔前は、音楽情報を得ようとしたらラジオや専門誌に頼るしかなかったのに、今はネットで手軽にダウンロードして聴ける。

私も、ずいぶん活用しています。

また、鎌倉の隠れた歴史、見つけられたら教えてください。


by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2022-07-27 17:34) 

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