秋の夜長に憩いをもたらす風格の男性ヴォーカル;Fujitsu Concord Jazz Festival 1989;本日の作品☆ vol.148 [デジタル化格闘記]

秋の到来を告げるかのように、朝晩はもとよりまだ夏の強い陽射ししの面影が残る日中でも、秋の快い風を感じられるようになった今日この頃。

令和の始まりと共に始まった、私の昭和~平成の頃のライブ映像の復刻紹介記事もこれで7回目。
我が家には、その昔に取り溜めたビデオ・テープは、まだまだあり、そこにどんな映像が眠っているのか楽しみはつきないのですが、これらアナログ映像をデジタル化していく作業も結構時間が掛かる作業で、そろそろ秋口の繁忙期を迎える仕事のこと考えると、これを続けることが段々重荷になって来てしまったのです。

そこで、今回がラッキ-7のケジメとなることから、とりあえず古のライブ映像記事は今回で一旦打ち止めとすることにしようと考えています。


とは言いながら気合を入れ直して、取り合えずの最終回となる今回のライブ映像は、これまで続いて来た1989年のライブ映像から、この年の11月22日に開催されたFujitsu Concord Jazz Festival での晩秋のコンサートらしく渋さを極める二組のアーティストのライブ映像をご覧いただこうと思います。


さて、その渋いアーティストとは、

この写真の人たち!!
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1951年に再結成されたCount Basie Ochestra(いわゆるニュー・ベイシー)でこのバンドの第2黄金期を築くに大きな役割を果たした、テナー・サックス、フルート奏者のFrank Wess と

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彼の率いる Orchestra、

そして、

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あのFrank Sinatraをして、「アメリカ音楽界、最高の歌手」と言わしめたヴォーカリストの Tony Bennettの
世界の音楽界を長き渡り支えて続けた二組のアーティストの登場です。


それでは、その彼らの演奏、まずはFrank Wess のOchestraの演奏から、ご覧いただくことにいたしましょう。



曲は、”Li'l Darlin' ”。

ご覧いただき、察しの良い方ははもうお気付きかと思いますけど、この演奏はまさにCount Basie Ochestraの演奏そのもじゃないかと思われたのではないかと思います。

それもそのはず、Count Basie Ochestraは、1984年に御大のBasie 没後、解散とはならず、その後は後に残ったこのバンドのメンバー達によって代々継承され、現在もトランペットのScotty Barnhartがリーダーを務め存続しているのです。

ということからこの映像は、このバンドの生き残りメンバーの一人であるFrank Wess が、リーダーを務めていた時期の、”Post” Count Basie Ochestraのものだということなのです。


さて、この映像を見た私、実は、Frank Wess がリーダーを務めていた頃の”Post ”Count Basie Ochestraの音源がCD・DVDになりどの程度発表されているのかと思い、ディスコグラフィ等・いろいろ資料を調べてみたのですが、そうした中で、なんとかドイツでこの映像の日本でのコンサートの演奏がCD化されているのをみつけたものの、これ以外には見当たらず、どうやらこの映像、結構貴重なもののようだということを知ったのです。


という訳でその貴重映像、続けてもう1曲。
それではBasie楽団と言えばやはりこの曲、

Frank Wess 率いる”Post” Count Basie Ochestraの演奏で、Basie 存命中のこのオーケストラのライブでのエンディング・テーマとして演奏されていた”One'clock Jump”の演奏をご覧下さい。















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20世紀を代表するエンターテイナー達、夢の来日コンサート☆ 本日の作品;vol.147 [デジタル化格闘記]

曇天の毎日が続いた今年の夏の始まり。
その日を遮る厚い雲の群れが去ったと思いきや、突如やって来た真夏の陽射し。
体も慣れぬ間もなく襲って来た猛暑の日々は、私のような老骨の持ち主にとって、かなりの厳しく辛いもの。

しかし、6月終わりから7月の間の長き曇天の日々から来る観測史上最長の記録的日照不足は、私のようなロートルには、1993年の夏、天候不順で低温が続きこれより冷害が発生、東北を中心に米の収穫が激減して日々食卓にのぼる米の入手が困難となった、平成の米騒動のことを思い出させることとなり、またそのような事態がまた来るのではと心配していたのところ、今度は一転しての好天とそこからそそぐ暑い日射し。
確かに体には堪えるものの、これで平成の米騒動ならぬ令和の米騒動は免れたと一安心。
やはり暑いとは言え夏の陽射しは生物の営みには欠かせないものと、今は積極的にその日差しを浴び(熱中症には注意して!)、自然に体を馴染ませ元気を養う日々を過ごしているところ。


とそんな毎日を過ごす中、これまで続けてご紹介して来た昭和の終わりから平成の初にかけてのライブ映像、これまで貴重な映像の数々の出会えたことから、以前より気付きながらも後回しにし来た”Super Concert”の見出しのついたビデオ・テープ。
「これ、何のライブ映像だったけ?Superと名があるならもしかすると掘り出し物かもしれない。」考え、そろそろ見てみなければと重い腰上をげテープをビデオ・デッキに差し込み見てみることにしたのです。
そしてそこに現れたのは、

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この写真の3人による来日ステージのライブ映像。

何とその3人とは!!


世界的シンガーであり俳優のFrank Sinatra、Sammy Davis JrとLiza Minnelliの 20世紀ブロードウェイを代表するエンターテイナー達!!!

「あれ!!これは凄い。超大物の3人が共演来にしていたなんて」といつ頃の来日公演かと見て行くと、平成になって早々の1989年2月のテロップが出てきたのです。

これまでの記事にも1989年のライブ映像がよく出て来ているので、私が意図してその年のものばかりを選んでUpしているように思われるかもしれませんが、私としては恣意的にそうしているわけではなく、たまたま見つけデジタル化作業をしようとした映像がどういう巡り会わせか1989年のものばかりなってしまっていつという状況。

もしや、平成の神様に見入られてしまったのかと思うも、そのこと視点を変えて考えてみれば、この1989年という年はバブル景気の真っ只中、そうしたことからスポンサーもつき易くなっていたマスコミ側もそうしたイベントへの取り組みに積極的になっていたことの証左と思われ、その順風を受け平成となってさも早い時期に収録されたのが、このビッグ・エンターテイナーのライブだったのでは思えるのです。


それはさておき、

それでは20世紀を代表するビッグ・エンターテイナー3人のステージ、四の五の語るよりはということで、豊かな表現力で彼らの世界に見る者を否応無しに引きずり込んでしまうそのエンターテイメント力、まずはご覧いただくことにいたしましょう。



一部の隙もない見事なステージ・ワーク
セット一つないステージであるはずなのに、セットの組まれたミュージカル映画のワン・シーンが見ているような気にさえなってしまいます。

歌だけでなく3人の優れた演技力の成せる技なのか。
さすが、50年代60年代を席巻した、ブロードウェイの大エンタ―テイナー達だからこそのステージ、私も知らなかった曲ばかりの演目でしたが、すっかりその魅力に惹きこまれてしまいました。


さて、そうしたビッグ・エンターテイナー3人、といっても30年前以上前に活躍したアーティスト。若い方々の中には、エンターテイナー言えばMichael Jacksonなら知っているけどこんな人達は知らないという方も多いかと思いますので、ここで簡単にその彼らのプロフィールに触れておきたいと思います。

まずは、軽やかな動きとハリのある歌声を聴かせてくれていた小柄ではあるけれどその存在感をステージ一杯に見せていた黒人男性歌手のSammy Davis Jr。

1954年にレコード・デビューしたSammy Davis Jr、その類まれな才能によりその作品は大ヒットとなり、その後はミュージカル、そしてこの時期、既に米国の音楽界の重鎮的存在となっていたFrank Sinatraの評価を得、シナトラ・ファミリーの一員として映画界に進出、そのどこか剽軽さを感じさせるキャラクターのあいまって、スターダムの地位を築き上げたアーティストなのです。
特にその彼の芸域の広さは歌や演劇だけ留まらず、絶妙なリズム感から生み出されるタップダンスや時には
SinatraやMichael Jacksonの物真似までするほど、実に多彩なエンターテイメントで大いなる人気を博していたのです。
そしてその人気は日本でも、1973年に放映されたサントリーホワイトのテレビCM出演での絶軽妙な演技で、当時、お茶の間深くまで浸透していたことが思い出されます。



そして、紅一点のLiza Minnelli。
彼女は、1939年に上映されたミュージカルの名作”オズの魔法使”で主演のドロシー役を務めた 女優Judy Garlandの娘で、1963年にブロードウェイでのデビュー、1973年、映画『キャバレー』で主演を務め、アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞をダブル受賞、その歌唱力と演技力が高い評価を受けているアーティスト。
この1989年の来日でも、ただ歌うだけでなく、さりげない演技を付加した立ち回りでその歌の背後にある情景や空気を漂わせていたステージは、さすが母と子の絆は争えないものと深く印象に残りました。



と、ここまで来れば、もう何にも語ることはいらないと思うのですが、最後に控える超大物アーティストの、Frank Sinatra。

1930年代に登場以後 生涯を通じアメリカの音楽界を象徴するシンガーとして、その頂点に君臨し続けた偉大なるエンターテイナー、若い方々でも音楽ファンであるならば、どこかでその名を聞いた記憶があるのではないかと思います。


と、拙いプロフィール紹介でしたが、何とか全員を語り終えたところで、次に進むはそうした彼らが織り成すステージ・サウンドの万華鏡世界。
この辺で、それぞれの豊かな個性溢れる世界、そのステージをご覧に入れることにしたいと思います。

この顔ぶれからして、まずは今も多くのファンに馴染まれているSinatraの世界から、と行きたいところですけど、やはり大御所から始めるのはいかがなものというところで、それはトリの楽しみに残し、当時のステージへの登場順に従って、まずはSammy Davis Jrのステージからご紹介して行くことにいたます。

それでは、剽軽な物真似からシリアスな歌の世界、そしてダンス、そうした彼の多彩な才能を秘めたステージ映像、とくとご覧ください。










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