Zeppelinサウンドに挑む21世紀の若武者たち;Greta Van Fleet・ Anthem Of The Peaceful Army [音源発掘]

令和2年も、瞬く間に1ケ月が過ぎようとしてる今、今回は、40年ほど前に活動を終えたメタルの原点と言える伝説のアーティストLed Zeppelinの全盛期に挑んだ、21世紀の若き強者たち、Greta Van Fleetの作品を取り上げご紹介することにいたします。

このバンド、昨年末、年明けに聴くロック作品、その事初めはどんな作品を選び聴こうかと思案しながら調べていたところ、目に飛び込んで来たのが”ロックの未来を担う驚異の新人バンド”という見出し。

これはちょっと面白そうだと思いレビューを読んでみると、そこに書かれていたのは、アメリカミシガン州の出身の平均年齢20歳の連中で、そのサウンドはLed Zeppelinをイメージさせるものがあるとの紹介。

こんな若い奴らが、なに~~っ、Led Zeppelin!!!

しかし、名作”Led Zeppelin Ⅳ"発表直後に来日したLed Zeppelinを武道館で観戦したことのあるオールド・メタラーの私としては、あれから半世紀近くたった今、現代の若人たちがあの頃のLed Zeppelinをイメージとはいえ再現しているなんて信じられない見せかけ倒しの連中なのではと思いつつ、やはり聞き捨てにすることは出来ず、疑心暗鬼となりながらも彼らの作品を聴いてみることにしたのです。


その第一印象は、

驚いたことに、聴き始めていきなり私の目の前に浮かんで来たのは、あの日体験した、Zeppelinサウンドが武道館の天井一杯にギンギンとこだまし迫りって来た、強烈なステージの風景。

ZeppelinのRobert Plant を彷彿とさせるメタリックなヴォーカル響き、そしてJohn Bonham再来を思わせるパワーフルかつずっしりと重いリズムでサウンド全体を支える的確なドラムの響き、さらによく耳傾けてみるとギター、ベースもそれぞれJimmy Page、John Paul Jonesのプレーと重なる資質を、メンバーそれぞれが多分に有していることを感じ知ったのです。

Zeppelinといえば、メンバー各自が、高度な演奏テクニックの持ち主であったことは言うまでもないことですが、その彼らのハイテックニックで織り成し生まれたサウンドにここまで迫りくれるとは、”ロックの未来を担う驚異の新人バンド”という看板もうなずける、と新年早々彼らの作品をGet、じっくりと聴いてみることにしたのです。

それが、この彼らのファースト・フルアルバム!!

Greta Van Fleet Anthem Of The Peaceful Army.jpg


2018年発表の”Anthem Of The Peaceful Army”です。


ではそのサウンド、とやかく言うのはやめて、まずはご一緒に聴いてみることにいたしましょうか。






さあ!聴いてみよう!!!!!


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ブラウニーの空気を宿した日本生まれのペットの響き;黒田卓也・Edge [音源発掘]

新年も明けて、早、2週間。令和2年の空気も、だいぶ板について来たところではないかと思います。

その令和2年迎えた今年の私の正月休みは、手術後の経過は回復基調にあるものの、今だいまひとつしっくりと来ない体の調子を整えるため、ゆっくりと過ごそうと、なにをするでもなし、ボ-ッした時間を過ごしているうちに終わってしまったという感じなのですが、おかげで、それまでどこか狂いが生じていた体の各器官との体内時計の誤差もだいぶ修正され、バランスが取れてきたという感じで調子の方もすこぶる上々との実感を得ることが出来ようになった状態。

とにかくやっと体感することが出来た元気の前兆、今年の正月はそのことが何も増してめでたく、そこで得た鋭気に力を貰い、また元気に音楽探訪の旅へ出発です。

さて、今年最初に取り上げるアーティストは日本人。
ジャズの世界でも90年代半ば頃より世界を股にかけて活躍する日本人アーティスト多く現れ、それが大いなる評価を受けていることは、そのこと自体大変喜ばしいことだと常々思っていたのですが、しかし、その性別を見てみると、どういう訳か、女性アーティストの数が圧倒的に多いというような感じ

そのこと、女性とはいえ確かに皆才能のある方々であることは間違いなく、私もお気に入りのアーティストも多々いるのですけど、それにしても男性アーティストが少ないのは寂しい限り。
でも、そう感じるのは私の不勉強のせいなのかもしれないと考え、さっそく、きっと生きのいい男性アーティストはいるはずと情報収集にあたってみたのです。

そして、目に留まったのが、ジャズの名門レコード・レーベルのBlue Noteレコードとの契約した日本人初のアーティストという文言で紹介されていた、一人のアーティスト。

姿を見れば確かに男性アーティストで名は黒田卓也、そのうえ演奏する楽器はジャズの花形楽器であるトランペットとあります。
近年、海外で活躍する若手アーティストの中にホーン奏者は少ないように思っていたことから、これはいけるかもしれないとの期待が湧き、さっそくその、彼のBlue Note盤である、”Rising Son”を聴いてみることにしたのです。

しかし、聴いてみての感想は、

この作品が、フュージョン系のサウンドのトータル・バランスを重視したような作品だったこともあり、期待したインパクトが感じられず、ピーンと来るものがなにもなかったことから、その時はちょっと期待外れだったとガックリ。
そのこと、今、考えてみれば、この作品自体が御目当てのサウンドとは色違いのコンセプトで作られたものであったにもかかわらず、そこで彼のトランペットにあのClifford Brownのような、流麗かつ華やかな艶やかさを聴けるものと勝手に期待し、思いを巡らし臨んだ聴く姿勢に問題があったことが原因なのですが、その身勝手が因でそれ以後、4年近く彼の作品とは疎遠になってしまうことになってしまったのです。

ところが、その彼を再び聴いてみようと思ったのは昨年のこと、夏に行われた東京ジャズ2019の放送で、この黒田卓也とMISIAが共演した、そのステージに出会ってのこと。

ジャズの黒田卓也とJソウル系のMISIAとの異色のコラボ。
私としては珍しく、日本のJ-pop系のアーティストでありながら、20年ほど前に彼女がヒット・シーンに登場した時からお気に入りのアーティストの一人であったこともあり。果たしてアメリカで脚光浴びた黒田とどんな演奏を聴かせてくれるのかと思い、興味津々そのサウンドを聴いてみるとこれがなかなかきまっている。
そこで、そのコラボによる作品はないかと調べてみると、見つけたのが2017年にリリースされたMISIAの”Misia Soul Jazz Session”という作品。
さっそくその作品を探し聴いてみると、ドライブ感のあるホーン・セクションとMISIAのソウルフル・ヴォーカルとのマッチングの心地よさに一気にアルバム全曲を浸り聴き終えてしまうことになってしまったのです。
そして、中でも印象に残ったのが、曲の合間に聴いた黒田卓也のトランペット・ソロ。
どれも短いながらも、大きな存在感が感じられる。
以前に聴いた、”Rising Son”では味わいきれなかった、待ち望んでいたトランペットの響きがそこにあったのです。

たった1作だけを聴いただけで、遠ざけてしまっていた不覚、過去にも同じ轍を何度も踏んでいたのにまた同じことをやらかしてしまったと反省しながら、再度彼の作品を探し聴き直してみようと探し、そこで出会ったのがのがこの作品。

黒田卓也 edge.jpg


2011年発表の彼のセカンド・アルバムであるこの”Edge”だったのです。

全米ラジオチャートの3位にランクインするほどの大絶賛を浴び、その後のBlue Noterレコードとの契約へ向けての大きなステップなったいわれるこの作品、期待を胸にさっそく聴いてみると、聴こえて来たのは、オソードックスなジャズの装いを感じられるも、フュージョンの洗礼を浴びたアーティストらしい現代のジャズの響き。

黒田のトランペット・ソロも十二分に聴け、その艶やかで張りのプレイが実に頼もしい。
考えてみれば、一世代上のトランぺッターであるRoy HargroveやTerence Blanchard、Wallace Roneyも、オーソドックスなジャズと共にフュージョン・サウンドにも挑み、新し自らの境地を表現していた。

と、そう考えれば、あの”Rising Son”も多面的な表情を持つ現代のアーティストしての一つの姿、それがこの作品のようなプレイも聴かせてくれる、この黒田卓也というトランぺッター、これからのジャズを支えうる逸材ではと思うようになったのです。


それでは、この作品から、ここで1曲。
曲は、1965年の映画”いそしぎ”から、主題曲の”The Shadow OF Your Smile”です。
多くのアーティストにより取り上げられている、この名曲、黒田がどんな味付けで聴かせてくれるのか、さっそく聴いてみることにいたしましょう。







さあ!聴いてみましょう!!!


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