晩秋の空気に色を添える哀愁のラテン・サウンド:Michel Camilo with Tomatito・Spain Forever [音源発掘]

私の職場の前の銀杏並木が急速に色づきを深めて行く様に、ひしひしと迫りくる秋の終わりの気配が濃厚となって来た昨今、

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昨年は、これほどの鮮やかさはなかったのにと思い出しつつ、その景色を眺めているうちに、ふと頭の中に音が浮かび聴きたくなったとある作品、聴いてみるとその調和がどことなく心地良い。

そこで、その作品を聴きながら並木道の下を散歩してみると、これが感傷的な晩秋な空気をさらに奥深いものに思わせる感覚をもたらしてくれていた。

というわけで、今回は、秋の感傷的空気に奥深さを付加してくれたこの作品を、ご一緒に聴いて行くことにしたい思います。

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その作品は、ジャズ・ピアニストのMichel Camiloとスペイン出身のフラメンコ・ギタリストのTomatitoによる2016年発表の作品”Spain Forever”です。

1997年にバルセロナ・ジャズ・フェスティバルでスペインの誇るハードバップ・ピアニストであるTete Montoliuへのトリビュートとして初めてデュオを組み演奏し大きな反響を呼んだことから始まったCamiloとTomatitoとこのデュエット、これまで、2000年に”Spain”、2006年には”Spain Again”という作品を残しているのですが、本作は先の2作に続くデュオ3部作の最後を飾るもの。

ジャズとフランコのアーティストのデュオというと、一見違和感を覚えるかもしれませんが、ピアニストのCamiloは、かってスペイン領であった西インド諸島にあるドミニカ共和国出身のラテンの血を受け継ぐアーティストであり、また一方のギタリストであるTomatitoは、1980年代、John McLaughlinやLarry Coryell、 Al Di Meola フュージョン・ジャズ系のギタリストとアコースティックギターによるトリオを組み華麗なるプレイを繰り広げたフラメンコギタリストのPaco de Lucíaの影響を強く受け継ぐアーティストであることから、逆にそこから生まれるだろうラテンの情熱・哀愁を帯びたサウンドには大いなる期待が寄せられます。

果てして、そのサウンドはいかなるものか。
まずはその演奏、聴いていただくことにいたしましょう。
曲は” Água E Vinho”です。



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往年の仲間たちとの再会から生まれた心温まるジャズの響き: Art Blakey & All Star Jazz Messengers- Aurex Jazz Festival’83;本日の作品☆ vol.152 [デジタル化格闘記]

今月の初め、笹子峠を越え久々に山梨を訪れてみたところ、意外だと感じたのは、思いもよらぬ木々の秋の色付きの深さ。

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と思って山向こうに目をやると、そこには真白い衣装に身を染めた富士山が頭を覘かせています。

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この風景、これまで、毎年この時期この地を訪れていた私の記憶からすると、富士山が白く衣装替えをするのは11月半ばだったはず
しかし、そこで見たのは富士の山のみならず、木々の色までもが秋の最終末を告げているかのような風景。

考えてみれば、今年は、年の始まりから春の訪れを告げる梅・桜の開花が例年より10日以上早かったしなと思いながら、これもそうした気候の流れが、この秋の季節の変わり目にも影響を及ぼしているのかなとの思いを巡らしているところ。


とは言っても、コロナの猛威も沈静化したところでようやく出た旅の空の下、前回に引き続きその昔録り溜めたライブ音源に耳を傾けながらこうした自然の空気に触れられるのは, なんとも味わい深いもの。


そこで、今回は1980年代、前回聴いていただいた夏のジャズのライブ・イベントLive Under The Sky
と並び、秋のライブ・イベントとして開催されていたAurex Jazz Festivalの音源を取り上げ聴いていただこくことしようと思います。


さて、Live Under The SkyとAurex Jazz Festival、その内容は先のLive Under The Skyは、開放的な屋外ステージの下、その時期注目されているアーティストによる最新のジャズ・フュージョンがプログラムの中心のイベントだったのに対し、Aurex Jazz Festivalは、秋らしく円熟の境地にある大御所的存在のアーティストによる伝統的なスタイルのジャズがその中心のイベントと、その性格は大きく異なるものだったのですけど、今回はその落着いた雰囲気のステージで繰り広げられた白熱のライブ、まずはそのステージ、この演奏から、始めることににいたしましょう。



そう、Art Blakey & Jazz Messengersのファンキー・ジャズ金字塔とも言える名曲、”Moanin' ”ですよね。
ということで今回は、私のライブ収録したカセットテープ・ライブラリーから、Art Blakey & All Star Jazz MessengersのAurex Jazz Festival’83のライブを聴いていただくことにいたしました。



ところで、お気付きかもしれませんが、このバンド名称、本来は”Art Blakey & Jazz Messengers”のはずなのに、ここでは”Art Blakey & All Star Jazz Messengers”との記載、それ何かの間違いじゃないのと思われるかもしれませんが.........。

一見余計に見えるAll Starの文字[exclamation&question]

間違って書き入れた訳ではないのです。

その意味するところは..........................!





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