思い出のジャズ・不朽の名作品:Sonny Clark・Cool Struttin,John Coltrane・Blue Train [デジタル化格闘記]

ところによっては、早咲きの桜の開花の報が聞こえて来るなど、春の空気の訪れが感じられるようになった今日この頃、前回取り上げたRoland Hannaの作品を聴いていたら、春の優しく和らいだ空気を浴びたせいか、無性に聴きたくなてしまったのが、若き日によく聴いていたジャズ・ファンの間では知らない人はいないのではと思われる、1950年代にBlue Noteレコードより発表されたこの名作。

その作品は、

sonny clark cool struttin.jpg


Sonny Clark、1958年制作の”Cool Struttin'” 

john coltrane blue train.jpg


と、
John Coltrane、1957年制作の”Blue Train”。

有名なジャケットなのでジャズを聴かない方でも、見た記憶があるという方もいるのではと思いますけど、そのサウンドも発表から60年余りを過ぎた今も、多くの人に愛され続けている名盤中の大名盤。

ということで、今回はその2作品をご一緒に聴いて行くことにしたいと思います。



さて、この2作品、私が初めて聴いたのは40年ほど前。

中でも冒頭の”Cool Struttin'”は、当時まだジャズよりロックに軸足があった私が、おりしも訪れたフュージョン時代の幕明けに触れてジャズにも目を向けるようになっていたところ、ジャズについて教えを受けていた”50年ジャズ命を”自称する友人より聴かせてもらい、軸足をジャズに移すこととなった思い出の作品。

そこで聴いたのは、ブルーな空気を多分に蓄えほんのりとした物悲しさすら感じさせるメロディと、それとは裏腹の演奏メンバーが発する熱い息吹を湛えたソロの応酬。

難しいことは全く抜きに、直感的にそのサウンド世界にのめり込んでしまった作品なのです。


と、私事の思い出話になってしましたが、蓄えられたジャズの魂が踊るそのサウンド、まずは楽しんでいただくことに致しましょう。


曲は、アルバムのタイトルなっている名曲、Sonny Clark作曲の”Cool Struttin'”です。 



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忘れていたピアノの名手、晩年の名品・Roland Hannna:Milan, Paris, New York [音源発掘]

1月は,Jeff Beckの訃報を知って以来、彼を偲びずっと彼の生涯を辿ってその作品を聴き続けていたのですけど、歳のせいなのかロックばかりを聴き続けているというのは、精神的に少々きつい。
ここ来て、しっとりとした優しさを感じるサウンドがやたら欲しくなってしまい、そこで、聴き始めたのがピアノのジャズ作品。

初めは、思い浮かぶアーティストの作品を手当たり次第に聴いていたのですが、そうした中で思い巡らし,ふと思い当たったのが、昨年末に30年ぶりに腰を据えて聴いたとあるアーティストのピアノ作品。

それは、1970年代の半ば、50年代終りに二つのリーダー作品を発表するも、それ以来70年代に入るまで新たなリーダー作品がなかったためか、半ば忘れられていていたにもかかわらず突如ジャズ雑誌等で大きく紹介され大きな評判を呼んだピアニストの作品。

当時、私も実際にそのアーティストの演奏に接してみるところ、その良さは評判以上。

とは思いながらも、若気の至りといべきか、当時の私は何とも渋く感じたそのサウンドが、好みから外れていたことで深追いすることもなく、さらに、1980年代なるとそのアーティスト自身半ば引退してしまったことから、その後は、その人のピアノも聴くこともなく半ばその名も忘れかけてしまっていたのです
ろころがどういう訳か、ここに来て急にそのアーティストの名を思い出し、聴いてみたところこれが実に良く、そのアーティストの作品を探し出して片っ端からを聴くことになってしまうことになってしまったです。

そうした中で、今回ご紹介する作品は、いろいろ聴て来た中でも特に気に入ったこの作品。

roland hannna Milan, Paris, New York.jpg


アメリカのピアニストRoland Hannna による2002年制作の作品、”Milan, Paris, New York”です。

この作品は、2002年11月に亡くなったHannnaの最晩年の作品なのですが、中でも引かれたのが70年代半ばに彼とサックス奏者のFrank Wess率いたNew York Jazz Quartetでそのプレイを支え、その後たびたび共演を重ねながら心に残る名演を生み出して来た盟友、ベーシストGeorge Mrazとの最後の共演作品だということ。

そして、収録曲に目を移してみると、ずらっとジャズ史に残るあの偉大なる名コンボModern Jazz Quartet(MJQ)の楽曲が並んでいる。

特に不朽の名曲”Django”、この名曲にHannnaとMrazの名コンビががどんなアプローチで迫るのか、大いに興味が湧いてきて、この作品! これは聴いてみなければと耳にすることにしたものなのです。

と言うところで、HannnaとMrazが奏でる名曲”Django”。

早速、聴いて頂くことに致しましょう!!!!!





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