春風を誘う魅惑のギター・サウンド [音源発掘]

この間、桜が咲き散ったばかりと思っていたら、早いもので4月も、もう終わり。

夏日となる日もあった、いささか初夏の面持を感じる今年の4月でしたけど、暖かく穏やかな空気に触れているうちに無性に聴きたくなって、ここところ聴いていたのが、軽やかな音の響きを心地よいジャズ・ギターのサウンド。

私の好みのジャズのギターリストと言うと、本来はWes MontgomeryやKenny Burrell,Jim Hallなのですけど、今回は、ちょっと毛色を変えて、これまで敬遠していたギタリストの作品を聴いてみようと選び聴き始めたのがこの作品。

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今やエンターテインメントして活躍するアメリカのギタリストでヴォーカリストのGeorge Benson による1968年の作品”Giblet Gravy”です。


Bensonと言えば、1976年発表の作品”Breezin”が最も有名な作品なのですが、あえて冒頭にこの初期の作品を選んだのは、Bensonの伝統的なジャズ・ギター・プレイを聴きたかったからで、”Breezin”でヴォーカルを披露してからの彼のスタイルは、ポップ化しフュージョンの色彩が濃くなってしまっていたため、選定外としたのがその理由。

そうして選んだ彼の伝統的ギター・プレイが聴けるこの作品、全体的ソウル・ジャズの色合いが濃いものの、その根底に、私の好きなWes MontgomeryやKenny のBurrell,Jim Hallなどの伝統的なジャズ・ギターのスタイルのBensonが聴け、なんとも言い難い味わいを感じるもの。

特に、ニュ-ヨークの溜息と言われるHelen Merrill の1955年の歌唱で知られる”What's New”の演奏は、Bensonのジャズ・ギタリストとしての魅力を十二分に味わうことが出来、気分爽快。

そこで、まずはその”What's New”、この曲から聴き始めることに致しましょう。






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早き春!!街を彩ったソメイヨシノ 2023 [仕事の合間に]

前回の記事でもお話致しましたが、忙しさであちらこちらへと飛び回る日々が続いた今年の3月。

しかし、歩き回りながら感じたのは、今年の春の訪れの異常な早さ。

それを感じたのは、いつもの年なら、ソメイヨシノの開花は、まだこれからという3月19日のこと。
東京府中にあるお客様のところに向かう道すがらに見かけたこんな風景。

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公園の淡いピンクの花をつけ咲かせた桜の木が!!

東京のソメイヨシノ開花は3月14日だとニュースでは聞いていたけど、例年、靖国にある標準木の開花より数日開花が遅れていたはずと思っていた府中で、ここまで花をつけたソメイヨシノに出会うとは!!

傍に寄って見るとこの通り。

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しかし、このソメイヨシノ????
いくら今年の開花が早かったとはいえ、花の特徴はソメイヨシノなれもどこの時期でこの花づきの良さ、もしかすると、いつもはこの時期満開の彼岸桜かもしれないと、この日の帰路、家の傍の彼岸桜の様子を見に行ったところ、こちらの方は既に花は落ちてしまって葉桜始まりの状態。

と言うことは、府中で出会った桜は間違いなくソメイヨシノ。

かなり早いけど、花見の季節。
なれば、行く先々で合間みて、桜を愛でて来たるべき春を楽しみながら、仕事に励むことにしたのですのです。


まず訪れたのは、桜との語呂合わせよろしく千葉県佐倉にあるお客様のところ。

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構内に入ってみると道路沿い桜の木。
どんなものかと見てみると、こちらは7分咲き程度の按配。

東京より開花の遅いここでこの状態なら、都内は満開の見頃となっていることだろうと、翌日予定の府中のお客様訪問の帰り、府中駅近くの桜並木へと足を延ばしてみることにしたのです。

そして、行ってみると思った通り。
桜の花が道路を包み込み、2023年の春到来を高らかに歌い上げています。

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さらに、この並木の先にある公園へと足を進め、園内を覘いてみると。

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桜に囲まれた園内の広場で、桜の木の下にシートを広げお花見を楽しむ人の姿や、野球に興じる子供たち姿があり、コロナが明けようやくの日常到来を実感することになりました。

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こうして見てきた桜、しかし、仕事の合間に忙しく見るのではどうも味気ない。
そこで、今度は仕事を離れてゆっくり鑑賞してみようと束の間の休日にはと考えたものの、人ゴミに巻き込まれるのは嫌だし、遠出をしては骨休みの時間がなくなるし、ということで近場のどこかでと探していたところ、目に入ったの毎日通勤の際に乗る新京成電車の中で見た、新京成沿線のお花見スポット紹介ポスター。

その中で、目に留まったスポットが習志野市にある鷺沼城址公園。

ここは、以前にも何回か訪れたことのある場所なのですけど、
その時は、この地がその昔、石橋山合戦で敗れた源頼朝が房総に逃れ、その後この地の有力武将であった千葉常胤の助力を得て再起、この城址の場所に滞在し平家打倒の兵を整えたという伝承の場所だということの興味が先で、また、桜の花の時期ではなかったこともあって、ここがお花見スポットとなっているとは思いもよらなかったのですが、そうと知ったら桜を見ながら歴史に思いを馳せるのもまた一興と、早速出掛けることにしたのです。


そしてその当日。
習志野市役所の向かいの小高い丘の横の遊歩道を歩いて、西の入口に到着すると、そこからは、

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さすが城跡と言うこともあって、結構傾斜急な階段。
とにかく、それを登って本丸跡かと言われる公園広場に来てみると。

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思っていたより見事な桜の風景!!
そして、埴輪のレプリカが!

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実は、ここには、築造年代6世紀後半と言われる全長20~25mの前方後円墳が2基あって、そこから人物や馬の埴輪の破片が出土したとため、こんな埴輪のレプリカが置かれたそうなのです。

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束の間の休日、古代・中世、歴史の余韻を身に感じながらのお花見。
ここでは、一風変わったお花見を体験することになりました。


さて、今年の桜の季節、この他にもいろいろ歩きソメイヨシノを楽しんだのですが、ここで、この桜の風景、Joe Sampleのピアノに乗せて、こんな映像にまとめてみました。
曲は、フュージョンの名曲”Carmel”、過ぎ去った桜の季節の思い出を楽しんでいただければと思います。



それにしても、異常とも言える観測史上一番と言われる早さのソメイヨシノの開花を促した今年の初春の暖かさ。
この暖かさの下、街を歩き感じたのは、桜だけではなくすべての花々の例年にはない開花の早さ。

ソメイヨシノが散り始めた3月の終りには、いつもなら4月半ばぐらいに咲くシャクヤクやチューリップが見事に春爛漫を告げていた。

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そして、4月に入ると、驚いたことに5月が見頃のはずの藤やさつき、ハナミズキも綺麗に花をつけ咲く姿を見せていた。

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1週間ほど開花が早いと報じられたソメイヨシノであったけど、それ以後、春の訪れはさらに加速して、今や、2週間近く早い花々の開花を促し、まさに百花繚乱と言う感じ。

いつも、5月にならなければ咲くことのなかった我家のマツバギクも、ソメイヨシノ満開の時には蕾をつけ、今やこの通り。

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日本列島に、超早い春をもたらしたこの暖かさ。
聞けば、列島周辺の海水温度の高さがその要因の一つなっているそうなのだが、おかげで海の流れも変わり、サンマやサバは最悪の不漁となっているのだとか。
代わって、この時期獲れるはずのないブリが、水揚げされたというのだが。
これも、温暖化の影響によるものなのだとか。

こうしたことを聞くと、一斉に花が彩を添えた一早い春の訪れも喜んでばかりいられない。
巡って私たちの日常にも悪い影響を与えることにならないかと心配になって来ます。

世界中で二酸化炭素排出を抑えるべくいといろな技術も開発が進んでいるようだけども、一刻も早く実用化され温暖化の進行を食い止めなければと、その思い痛感しました。


今日街を歩ていたら、もう八重桜が満開となっていた。
一挙にやって来た今年の春。

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日本周辺の海水温も高く、猛暑が予想されている今年の夏。
大きな台風が発生、この列島に押し寄せ日常を破壊する猛威を奮うことがないようにと、ただ祈るばかりです。




PS:
4月初めに届いた坂本龍一さんの訃報。
今年に入って、ジャンルは違うがJeff Beck,Wayne Shorterに続いて、若き日の私に音楽の楽しさを教えてくれたヴァーチュオーゾの度重なる悲報に、自分自身もそれなりの年齢なってしまったことを痛感し、いささか消沈気味となてしまていた自分。

とは言いながらも、その時知った、癌と闘いのながら亡くなる直前まで、音楽だけでなく社会活動に積極的に携わり続けていた坂本龍一さん生き方の凄まじさ。

そうと知ったからには、自分もただ消沈している場合ではない。
こうした生き方、今は自分も学ばなければと考えているところ。

坂本さんの音楽、多く人は世界に絶賛されたイエロー・マジック・オーケストラのテクノなサウンドが思い浮かぶのだろうけど、彼のピアノ・サウンドの中には、連綿と受け継がれてきた日本の心を湛えた音があった。感性を

稀有の日本の感性を感性を、表現した音楽家。

けして、私は彼の音楽を聴きこんでいた者ではありませんが、彼の残した音の遺産は、私にとって至高の名品として心に刻まれています。

ありがとうの心を込めて、その冥福を祈ることにしたいと思います。

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