本日の作品;vol.68;Soft Machine・Fourth [デジタル化格闘記]
前回のロックの旅は、イタリアへと向かいましたが、今回はその本場、 英国に戻ることに。
そのバンドの名は、謎のロックバンド、Soft Machine。
そのご紹介する作品は、1971年に発表された彼ら4枚目のアルバム”Fourth”です。
このソフト・マシーン、当時はブラス・ロックバンドとかプログレッシブ・ロックバンドのカテゴリーで紹介されいて、私もこのバンドを知ったのは、FMで放送されたブラス・ロックバンドの特集だったのです。
その時、彼らの演奏を聴いて思ったのは、果たしてこのバンド、ロックバンドといっていいのだろうかというものだったのでした。
そういうことで、まず最初に、その彼らの演奏を聴いてみることにしましょうか。
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どうですこれ。
これは、ジャズじゃないか。
いやフュージョンだよ。
多くの方がそう思われるのではないでしょうか。
そう思われるのも当然で、まだフュージョンという言葉なかった当時、彼らの演奏はかなり異色な存在であったのは事実で、この作品発表当時の、このLPのライナーノーツには、ロック側とジャズ側双方の解説が載せられていました。
ロック側では、ロックはそもそも多様な音楽吸収し育ったもので明確なジャンルは存在しない。ソフト・マシーンはジャズ的になってはいるが、ジャズ喫茶の薄暗さと煙草の臭いを感じることがないので、ジャズの即興演奏の手法を取入れたロックの到達点だと述べられ、
またジャズ側からは、ソフト・マシーンは元よりジャズグループであるが、それはジャズの国アメリカのフィールドものではなく、その影響を受けつつヨーロッパの風土の中で育ったジャズで重要な存在だと述べられていたのです。
演奏がジャズなのにロックカテゴリーに分類されたこのグループ、そうなった背景、それは、そもそもこのグループが60年代半ば英国で台頭してきたサイケデリックロックシーンに登場し、育っていったということに原点にあるようなのです。
ところが、このグループには、その中心メンバーであるスコアよりもジャズ的フリー、インプロヴィゼーションを指向する、キーボードのマイク・ラトリッジと、スコアを大切にし総合的な音楽表現を指向する、ドラムのロバート・ワイアットの、異なった2つの潮流があり、それがメンバーチェンジを繰り返す中、3作目から加わった、新メンバーのフリージャズ的アプローチを指向するベーシスト、ヒュー・ホッパー加入により、このグループの路線をラトリッジのよりジャズ的方向に進めることが決定づけられたのでした。
そして、その傾向がこの4作目でさらに色濃く反映された、それがこのジャズのような作品になったようなのです。
その演奏、エルトン・ディーンのジョン・コルトレーンタッチのサックス、ロバート・ワイアットの複合リズムを叩き出すエルヴィン・ジョーンズ的ドラム、そしてフリー・ジャズ混沌とした世界。
そうした60年代ジャズの影響を内包しつつ、その底辺には8ビートの響きがある。
ラトリッジの歪みのあるオルガンの音が、それまでのジャズになかった雰囲気を醸し出し、熱気は頂点に達していく。
60年代後半、方向性を見失っていたジャズ界にあって、ちょうどこの作品が出たころ、ジャズサイドにおいても、ロックのエッセンスを取り入れたジャズ復興の動きが、マイルス・ディビスを中心としたミュージシャン達により活発化していた時期。
それと符合するように、ロック界からもロックのエッセンスをベースに、60年代ジャズの成果を色濃く残したマイルス・ディビスは異なったアプローチが提示されたこの作品存在は、大変重要なものではないかと思えます。
その後、これらの取組みはやがてフュージョンというジャンルを形成することになっていくのです。
このフュージョン黎明期、その頂点を迎えたソフト・マシーンのこの作品、記憶の内に留めておきたもだと思っています。
Track Listing:
1. Teeth
2. Kings and Queen
3. Fletchers Blemish
4. Virtually Part 1
5. Virtually Part 2
6.Virtually Part 3
7.Virtually Part 4
Personel:
Elton Dean(Alto Sax,Saxello)/Hugh Hopper(Bass Guitar)/Mike Ratledge(Piano,Organ)/Robert Wyatt(Drums)
Guest:
Roy Babbington(Double-Bass)/Marc Charig(Cornet)/Nick Evans(Trombone)
/Jimmy Hastings(Alto Flute,Bass Clarinet)/Alan Skidmore(Tenor Sax)
Recorded ;Autumn,1970 at Olympic Studios,London
今回、このソフト・マシーンというグループをあらためて聴いてみて、彼らの音楽今の人が聴けば、やはりフュージョンなのだろうなと思いつつ、何か違う。
どこか混沌としたものが漂っている。
やはり、この作品を初めて聴いた時の印象、不思議な謎のグループという感じがするのですけど、いかがですか??
そのバンドの名は、謎のロックバンド、Soft Machine。
そのご紹介する作品は、1971年に発表された彼ら4枚目のアルバム”Fourth”です。
このソフト・マシーン、当時はブラス・ロックバンドとかプログレッシブ・ロックバンドのカテゴリーで紹介されいて、私もこのバンドを知ったのは、FMで放送されたブラス・ロックバンドの特集だったのです。
その時、彼らの演奏を聴いて思ったのは、果たしてこのバンド、ロックバンドといっていいのだろうかというものだったのでした。
そういうことで、まず最初に、その彼らの演奏を聴いてみることにしましょうか。
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どうですこれ。
これは、ジャズじゃないか。
いやフュージョンだよ。
多くの方がそう思われるのではないでしょうか。
そう思われるのも当然で、まだフュージョンという言葉なかった当時、彼らの演奏はかなり異色な存在であったのは事実で、この作品発表当時の、このLPのライナーノーツには、ロック側とジャズ側双方の解説が載せられていました。
ロック側では、ロックはそもそも多様な音楽吸収し育ったもので明確なジャンルは存在しない。ソフト・マシーンはジャズ的になってはいるが、ジャズ喫茶の薄暗さと煙草の臭いを感じることがないので、ジャズの即興演奏の手法を取入れたロックの到達点だと述べられ、
またジャズ側からは、ソフト・マシーンは元よりジャズグループであるが、それはジャズの国アメリカのフィールドものではなく、その影響を受けつつヨーロッパの風土の中で育ったジャズで重要な存在だと述べられていたのです。
演奏がジャズなのにロックカテゴリーに分類されたこのグループ、そうなった背景、それは、そもそもこのグループが60年代半ば英国で台頭してきたサイケデリックロックシーンに登場し、育っていったということに原点にあるようなのです。
ところが、このグループには、その中心メンバーであるスコアよりもジャズ的フリー、インプロヴィゼーションを指向する、キーボードのマイク・ラトリッジと、スコアを大切にし総合的な音楽表現を指向する、ドラムのロバート・ワイアットの、異なった2つの潮流があり、それがメンバーチェンジを繰り返す中、3作目から加わった、新メンバーのフリージャズ的アプローチを指向するベーシスト、ヒュー・ホッパー加入により、このグループの路線をラトリッジのよりジャズ的方向に進めることが決定づけられたのでした。
そして、その傾向がこの4作目でさらに色濃く反映された、それがこのジャズのような作品になったようなのです。
その演奏、エルトン・ディーンのジョン・コルトレーンタッチのサックス、ロバート・ワイアットの複合リズムを叩き出すエルヴィン・ジョーンズ的ドラム、そしてフリー・ジャズ混沌とした世界。
そうした60年代ジャズの影響を内包しつつ、その底辺には8ビートの響きがある。
ラトリッジの歪みのあるオルガンの音が、それまでのジャズになかった雰囲気を醸し出し、熱気は頂点に達していく。
60年代後半、方向性を見失っていたジャズ界にあって、ちょうどこの作品が出たころ、ジャズサイドにおいても、ロックのエッセンスを取り入れたジャズ復興の動きが、マイルス・ディビスを中心としたミュージシャン達により活発化していた時期。
それと符合するように、ロック界からもロックのエッセンスをベースに、60年代ジャズの成果を色濃く残したマイルス・ディビスは異なったアプローチが提示されたこの作品存在は、大変重要なものではないかと思えます。
その後、これらの取組みはやがてフュージョンというジャンルを形成することになっていくのです。
このフュージョン黎明期、その頂点を迎えたソフト・マシーンのこの作品、記憶の内に留めておきたもだと思っています。
Track Listing:
1. Teeth
2. Kings and Queen
3. Fletchers Blemish
4. Virtually Part 1
5. Virtually Part 2
6.Virtually Part 3
7.Virtually Part 4
Personel:
Elton Dean(Alto Sax,Saxello)/Hugh Hopper(Bass Guitar)/Mike Ratledge(Piano,Organ)/Robert Wyatt(Drums)
Guest:
Roy Babbington(Double-Bass)/Marc Charig(Cornet)/Nick Evans(Trombone)
/Jimmy Hastings(Alto Flute,Bass Clarinet)/Alan Skidmore(Tenor Sax)
Recorded ;Autumn,1970 at Olympic Studios,London
今回、このソフト・マシーンというグループをあらためて聴いてみて、彼らの音楽今の人が聴けば、やはりフュージョンなのだろうなと思いつつ、何か違う。
どこか混沌としたものが漂っている。
やはり、この作品を初めて聴いた時の印象、不思議な謎のグループという感じがするのですけど、いかがですか??
本当にフュージョンですね。
その後ソフト・マシーンは活躍されたんでしょうか?
by せいじ (2011-04-24 10:14)
せいじさんコメントありがとうございます。
そのマシーン、この4の後ロバート・ワイアットが脱退。ドラムを補充して5を録音するのですけど、この当たりがマシーンの絶頂期です。
この後、カール。ジェンキングスが加わり、ヒューイが脱退、6と7を制作後、ラトリッジまでもが脱退、オリジナルメンバー全員がマシーンを去ってしまいます。
そして、グループはジェンキングス主導のグループとなり音楽も普聴きやすいフュージョン的なものになって行きます。
このジェンキングスの主導で以後4枚の作品を発表していますが、その中では、76年のリック・ウェイクマンの従兄のサックス奏者、アラン・ウェイクマン加えた作品 "ソフツ”が良かったように思います。
by 老年蛇銘多親父 (2011-04-24 11:08)
このアルバム、25年くらい前に輸入盤レコードを持ってました。ワイアット関係のレコードを探してたんですが、田舎なのでこれとワイアットのソロの『The Peel Session』しか見つからなかったからなんですが。
ソフト・マシーンは実にわかりやすく"ジャズ・ロック"にカテゴライズされてましたね。
バラカンさんのタイトルは忘れましたがジャズ・ロックについて書かれた本にソフト・マシーンは取り上げられてました。
当時は『The Peel Session』の方はよく聴いたんですが、これはあんまり聴かなかったんですよねえ。個人的にはファースト、セカンドの頃のもっとサイケっぽかった頃が非常に好きなんで。
まあでも4thの音も嫌いなわけじゃなかったんですけど。最近ソフト・マシーンはあまり聴いてないんで、久しぶりに聴いてみたくなりました。
by neopon (2011-04-24 14:41)
エルトン・ディーン・・・エルトン・ジョンの芸名の由来となった御仁ですね。
きっとマチャさんならそう言うと思いましたよ~、って
ツッコまれそう(笑)
by マチャ (2011-04-24 17:57)
neoponさんコメントありがとうございます。
このグリープ、余りにもの先進性ためか、70年代初頭の全盛期ですら、日本では話題に上ることは少なかったですね。
まして、80年代に彼らのアルバムを手に入れたとは、当時東京のショップでもほとんど彼らの作品は見かけられことはなくなっていたので、よく見つけたな思いました。
実は、私自身このアルバムを発表後すぐ手に入れたのですけど、その先進性が理解できず、その後、ジャズを中心の聴くようになっても、本来のジャズとは違っていると印象から馴染めずにいました。
今、時をおいてこのアルバムを聴いてみると、その昔にあったしがらみみたいなものがなくなったことで、やっと良さが理解できたというところでしょうか。
あらためてその先進性を知ったように思っています。
by 老年蛇銘多親父 (2011-04-27 06:07)
マチャ さんコメントありがとうございます。
エルトンがでることで、マチャさんから何かあるなと考えていました、こうくるとは!、想定外でした。
あれ!!、???????と思いながら、一瞬信じるところでしたよ。
by 老年蛇銘多親父 (2011-04-27 06:13)
この4枚目もいいですが、もう少しロック寄り(?)の
3枚目「third」もいいですよ。
といってもこの2枚しか聞いたことありませんが(笑)
YouTubeとかで見られる彼らのライブ映像は
スゴイですよ本当。一見の価値ありです。
by えい♪ (2011-04-27 21:18)
えい♪ さんコメントありがとうございます。
実は、私の一番気に入っているのは5なんですけど、いずれにせよ3,4.5が彼らの絶頂期のように思います。
その中で4は、彼らの方向性が定まった時期の作品として選んでみました。
彼らのライブ、まさに緊張感あるジャズのインプロビゼーションそのもので、これだけの演奏、ジャズの世界でもそうそうあるものではないなと感じています。
by 老年蛇銘多親父 (2011-04-29 12:06)
R8さん
ねこのめさん
マチャさん
goingさん
高燃費クララさん
かなっぺさん
JJ-1さん
抹茶さん
raccoonさん
皆さんありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2011-04-29 12:10)
いやいや、冗談ではなく本当に、エルトン・ジョンの芸名の由来はエルトン・ディーンなんですよ~!!!
エルトン・ジョンは昔(まだ本名のレジ・ドワイトだったころ)、ブルーソロジーというバンドでキーボードを弾いていたんです。その時にサックスを演奏していたのがエルトン・ディーンだったんです。
そして、ソロデビューのときに名前を拝借したんです。
冗談のようなホントの話でした~。
by マチャ (2011-04-30 19:48)
マチャさん、まだ担がれているような気分ですが.........
ジョンとディーンじゃ余りにも音楽の方向性が違うのでね。
ブルーソロジーというバンド、確かR&Bなどを演奏していたと聞いていますが、この両者どんな演奏をしていたのか聴いてみたかったですね。
2006年にディーンさん他界してしまっているので、この二人のコラボは見れないと思うとなおさらです。
by 老年蛇銘多親父 (2011-05-01 09:31)
ヒサさん
こーいちさん
ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2011-05-06 22:38)