27年ぶりの再会レコ-ィングから生まれた円熟の味・・Randy Crawford & Joe Sample:Feeling Good [音源発掘]
9月になったというのに連日続く夏日の毎日。
そこに来て、突然我が職場を襲って来た仕事の山。
急な忙しさの到来で、普段は若手に現場の仕事は任せきりの私も、ここまで来るとその進行を見守り指導しているばかりという訳には行かず、久々に日々東へ西へ飛び回ることになってしまっているところ。
しかし、この暑さに加えて久々の外歩きはかなり堪える。
とにかく、老体に鞭打ってでもこの難局を乗り越えなければと、リズミカルなサウンドを耳にしながら頑張っている昨今なのですが、今回は、その疲れを癒し頑張り与えてくれているソウル・ジャズ・サウンドから、Randy Crawford & Joe Sampleの2006年発表の作品”Feeling Good”を取り上げ語って行くことにしたいと思います。
Randy CrawfordとJoe Sample、特にRandy Crawfordというとピンとこない向きもあるかもしれませんが、この作品は、1979年 Randy CrawfordとJoe Sample(Joe Sampleについてはこちら)の二人が生んだ日本でもよく知られるあの大ヒット曲以来、27年ぶりの再会レコーディングとなったもの。
そこで、お話を始める前に、まずはこの二人の生んだあの往年の大ヒット曲を聴いて頂き、Crawfordの歌声に耳を傾けて頂くことに致しましょう。
曲は、Joe Sample率いる当時大人気を博していたファンク・バンドのThe CrusadersにRandy Crawford
が加わった演奏で”Street Life”。
実はこの私、当時はこうしたファンク系のサウンドはあまり好みではなく、The Crusadersもその存在は知っていたもののあまり真剣に聴いてはいなかったのですが、ある日ラジオでこの曲を聴きその軽快なリズムとソウルフルなヴォーカルの心地良さが深く心に刻まれてしまった曲。
今回、軽快かつリズミカルなサウンドを求め考えたところすっと思い浮かんで来たのがこの”Street Life”だったのですが、この曲が世に出てから40年余りを過ぎた今、この”Street Life”以後、他にCrawfordとSampleの共演作品はないものかと探したところ、見つけたのがこの作品だったのです。
こうしたことで、今回ご紹介するこの作品、2003年スイスの Montreux Jazz FestivalでのThe Crusaders とCrawfordの共演がその制作の切っ掛けだったというのですけど、この時期、フュージョンの軽快さを持ちながらアコースティックな香りのする聴き応えのあるリーダー作品を残していたSampleの動向から、
そしてさらには、バックを支えるメンバーにChristian McBride.とSteve Gaddという当代きっての名手の名前があったことから、この二人の共演盤はThe Crusaders 時代の共演とはまた違た何かがありそうな気がして聴き始めたところ、その予感は的中。
軽快なフュージョンやファンク、ボサバ・タッチあり、そしてさらには純ジャズ的ナンバーありで、そのサウンドは実に多彩。
聴き始めるやその心地良さに即没頭して一機に聴き終えてしまったものなのです。
そうして私の気に入りに加わってしまったこの作品。
これ以上語り続けるのは野暮なこと、まずはその音源、早速お聴き頂くことに致しましょう。
曲は、軽快なフュージョンの味わいが心地良い”Feeling Good”です。
アコースティックなピアノ・トリオを従えてのライブからの演奏。
ソフトなタッチで語るように歌い始め、次第に熱を帯びて行くCrawfordのヴォーカル。
終盤では、完全にアドリブとなりスキャットを披露、そこにSampleのピアノが絡みスリリングなジャズの世界へと導いてくれた。
本来ソウル系のヴォーカリストとのように思われるCrawfordですが、年輪を重ねたこの二人の組み合わせは、ジャズの持つ醍醐味を発揮させうるのではと考えていただけに、この演奏には思わず喝采。
スタジオ録音にはない、即興によるこうした偶然性の面白さがある、ライブならでの演奏だったと思います
それにしても、Crawfordのジャズ・センスの良さ、こうなるとジャズを歌うCrawfordも聴いてみたくなってしまいますね。
そこで、次の曲はそのジャズ歌うCrawfordが聴ける演奏から。
曲は、ジャズ・ヴォーカルの女王と言われたBillie Holidayの”Tell Me More And More And Then Some”です。
Holidayの影が見えて来るような感のある、しっとりとした歌唱を聴かせるCrawford、バックのSampleのブルーなピアノがその歌唱の魅力を引き立ててくれています。
以前はThe Crusadersには興味がなかった私も、Sampleのピアノだけは好きで、彼のリーダー作品はよく聴いていたのですが、その魅力は彼ならではの親しみやすいメロディーラインと歯切れの良いリズム・タッチ。
アコースティックの演奏では、その粒がさらに際立ち、大いなる心良さを感じます。
そこで、そうした心良さを感じるSampleのピアノとCrawfordの表現豊かなヴォーカル、ここでもう1曲聴いてみることに致しましょう。
曲は、かすかなブル-を感じるCrawford 1981年のヒット曲で”Rio de Janeiro Blue”です。
Crawford & Joe Sampleの”Feeling Good”、ここまでご一緒に聴いて参りましたが、穏やかな涼風流れる秋の夜長、虫の音をバックに聴き楽しむのもおつなもののように思えてきました。
昨今聞いた天気予報では、今月下旬にはこの暑さも次第におさまって来るとのこと。
この二人のコラボ作品、さら2008年発表の続編”No Regrets”と合わせ聴きながら、秋の気配を楽しむことにしたいと思います。
それでは最後に、この作品制作の切っ掛けとなった2003年スイスの Montreux Jazz Festivalのステージを見ながら、この辺でお暇することにしたいと思います。
Track listing
1.Feeling Good – Anthony Newley, Leslie Bricusse–
2.End Of The Line – Cynthia Medley, John Edmondson–
3.But Beautiful – James van Heusen, Johnny Burke–
4.Rio De Janiero Blue – John Haeny, Richard Torrance–
5.Lovetown – Peter Brian Gabriel–
6.See Line Woman – George Bass–
7.Tell Me More And More And Then Some – Billie Holiday–
8.Everybody's Talking – Fred Neil–
9.When I Need You – Albert Hammond, Carole Bayer Sager–
10.Save Your Love For Me – Buddy Johnson–
11.Last Night At Danceland – Joe Sample, Will Jennings–
12.All Night Long – Curtis Lewis–
13.Mr. Ugly – Norman Mapp–
Personnel
Vocals – Randy Crawford
Piano, Arranged By [All Songs] – Joe Sample
Guitar – Anthony Wilson, Dean Parks, Ray Parker Jr
Bass – Christian McBride.
Drums – Steve Gadd
Percussion – Luis Quintero
Release
2006年
Producer – Joe Sample, Tommy LiPuma
Production Manager – Jill Dell'Abate, Shari Sutcliffe
Programmed By – Rob Mounsey
Recorded By, Mixed By – Al Schmitt
※
9/3 出張でお客様のところへ向かう途中立ち寄った、横須賀PAで出会ったこのバイク!
見た目のバランスも良く色も洒落ていることからじっと見てみると、目に入ったのがそこに付けられていたV型Twinのパワーユニット。
となれば、これはハーレーダビッドソン。
昔はハーレーと言えば武骨な感じが魅力だったけど、今のはハレーは随分スタイリッシュになったなと思い、一旦、この場を離れたのですけど、再びここに戻ってくるとライダーがヘルメットを被ろうとしているところ。
どうせ、このバイクにふさわしくないオッサンなだろうと、見てみると!!!
ちょっと年増ではあるけれど、乗っていたのは美しい魅力的な女性。
一瞬、意表を衝かれたような気がしたのですけど、落ち着き考えてみれば、これは華麗でしなやか!!
このバイクと調和し、実にカッコいい。
おかげで、世間が休みの日の仕事、こうした楽しみとの出会いに喝のエネルギーをもらい、仕事もバッチリ!!
しかし、いささかパワーをもらいすぎたのか、張り切りすぎて、残ったのは半端じゃない疲れ。
もう若くないのだぞということを深々と実感することになっしまいました
なにはともあれ、めでたしめでたし
ということでJoe Sample &Randy Crawford オマケの1曲、日本の東京Jazzのライブ・ステージでの演奏です。
曲は、”Last Night at Danceland"。
よろしければ、耳を傾けてみてください。
そこに来て、突然我が職場を襲って来た仕事の山。
急な忙しさの到来で、普段は若手に現場の仕事は任せきりの私も、ここまで来るとその進行を見守り指導しているばかりという訳には行かず、久々に日々東へ西へ飛び回ることになってしまっているところ。
しかし、この暑さに加えて久々の外歩きはかなり堪える。
とにかく、老体に鞭打ってでもこの難局を乗り越えなければと、リズミカルなサウンドを耳にしながら頑張っている昨今なのですが、今回は、その疲れを癒し頑張り与えてくれているソウル・ジャズ・サウンドから、Randy Crawford & Joe Sampleの2006年発表の作品”Feeling Good”を取り上げ語って行くことにしたいと思います。
Randy CrawfordとJoe Sample、特にRandy Crawfordというとピンとこない向きもあるかもしれませんが、この作品は、1979年 Randy CrawfordとJoe Sample(Joe Sampleについてはこちら)の二人が生んだ日本でもよく知られるあの大ヒット曲以来、27年ぶりの再会レコーディングとなったもの。
そこで、お話を始める前に、まずはこの二人の生んだあの往年の大ヒット曲を聴いて頂き、Crawfordの歌声に耳を傾けて頂くことに致しましょう。
曲は、Joe Sample率いる当時大人気を博していたファンク・バンドのThe CrusadersにRandy Crawford
が加わった演奏で”Street Life”。
実はこの私、当時はこうしたファンク系のサウンドはあまり好みではなく、The Crusadersもその存在は知っていたもののあまり真剣に聴いてはいなかったのですが、ある日ラジオでこの曲を聴きその軽快なリズムとソウルフルなヴォーカルの心地良さが深く心に刻まれてしまった曲。
今回、軽快かつリズミカルなサウンドを求め考えたところすっと思い浮かんで来たのがこの”Street Life”だったのですが、この曲が世に出てから40年余りを過ぎた今、この”Street Life”以後、他にCrawfordとSampleの共演作品はないものかと探したところ、見つけたのがこの作品だったのです。
こうしたことで、今回ご紹介するこの作品、2003年スイスの Montreux Jazz FestivalでのThe Crusaders とCrawfordの共演がその制作の切っ掛けだったというのですけど、この時期、フュージョンの軽快さを持ちながらアコースティックな香りのする聴き応えのあるリーダー作品を残していたSampleの動向から、
そしてさらには、バックを支えるメンバーにChristian McBride.とSteve Gaddという当代きっての名手の名前があったことから、この二人の共演盤はThe Crusaders 時代の共演とはまた違た何かがありそうな気がして聴き始めたところ、その予感は的中。
軽快なフュージョンやファンク、ボサバ・タッチあり、そしてさらには純ジャズ的ナンバーありで、そのサウンドは実に多彩。
聴き始めるやその心地良さに即没頭して一機に聴き終えてしまったものなのです。
そうして私の気に入りに加わってしまったこの作品。
これ以上語り続けるのは野暮なこと、まずはその音源、早速お聴き頂くことに致しましょう。
曲は、軽快なフュージョンの味わいが心地良い”Feeling Good”です。
アコースティックなピアノ・トリオを従えてのライブからの演奏。
ソフトなタッチで語るように歌い始め、次第に熱を帯びて行くCrawfordのヴォーカル。
終盤では、完全にアドリブとなりスキャットを披露、そこにSampleのピアノが絡みスリリングなジャズの世界へと導いてくれた。
本来ソウル系のヴォーカリストとのように思われるCrawfordですが、年輪を重ねたこの二人の組み合わせは、ジャズの持つ醍醐味を発揮させうるのではと考えていただけに、この演奏には思わず喝采。
スタジオ録音にはない、即興によるこうした偶然性の面白さがある、ライブならでの演奏だったと思います
それにしても、Crawfordのジャズ・センスの良さ、こうなるとジャズを歌うCrawfordも聴いてみたくなってしまいますね。
そこで、次の曲はそのジャズ歌うCrawfordが聴ける演奏から。
曲は、ジャズ・ヴォーカルの女王と言われたBillie Holidayの”Tell Me More And More And Then Some”です。
Holidayの影が見えて来るような感のある、しっとりとした歌唱を聴かせるCrawford、バックのSampleのブルーなピアノがその歌唱の魅力を引き立ててくれています。
以前はThe Crusadersには興味がなかった私も、Sampleのピアノだけは好きで、彼のリーダー作品はよく聴いていたのですが、その魅力は彼ならではの親しみやすいメロディーラインと歯切れの良いリズム・タッチ。
アコースティックの演奏では、その粒がさらに際立ち、大いなる心良さを感じます。
そこで、そうした心良さを感じるSampleのピアノとCrawfordの表現豊かなヴォーカル、ここでもう1曲聴いてみることに致しましょう。
曲は、かすかなブル-を感じるCrawford 1981年のヒット曲で”Rio de Janeiro Blue”です。
Crawford & Joe Sampleの”Feeling Good”、ここまでご一緒に聴いて参りましたが、穏やかな涼風流れる秋の夜長、虫の音をバックに聴き楽しむのもおつなもののように思えてきました。
昨今聞いた天気予報では、今月下旬にはこの暑さも次第におさまって来るとのこと。
この二人のコラボ作品、さら2008年発表の続編”No Regrets”と合わせ聴きながら、秋の気配を楽しむことにしたいと思います。
それでは最後に、この作品制作の切っ掛けとなった2003年スイスの Montreux Jazz Festivalのステージを見ながら、この辺でお暇することにしたいと思います。
Track listing
1.Feeling Good – Anthony Newley, Leslie Bricusse–
2.End Of The Line – Cynthia Medley, John Edmondson–
3.But Beautiful – James van Heusen, Johnny Burke–
4.Rio De Janiero Blue – John Haeny, Richard Torrance–
5.Lovetown – Peter Brian Gabriel–
6.See Line Woman – George Bass–
7.Tell Me More And More And Then Some – Billie Holiday–
8.Everybody's Talking – Fred Neil–
9.When I Need You – Albert Hammond, Carole Bayer Sager–
10.Save Your Love For Me – Buddy Johnson–
11.Last Night At Danceland – Joe Sample, Will Jennings–
12.All Night Long – Curtis Lewis–
13.Mr. Ugly – Norman Mapp–
Personnel
Vocals – Randy Crawford
Piano, Arranged By [All Songs] – Joe Sample
Guitar – Anthony Wilson, Dean Parks, Ray Parker Jr
Bass – Christian McBride.
Drums – Steve Gadd
Percussion – Luis Quintero
Release
2006年
Producer – Joe Sample, Tommy LiPuma
Production Manager – Jill Dell'Abate, Shari Sutcliffe
Programmed By – Rob Mounsey
Recorded By, Mixed By – Al Schmitt
※
9/3 出張でお客様のところへ向かう途中立ち寄った、横須賀PAで出会ったこのバイク!
見た目のバランスも良く色も洒落ていることからじっと見てみると、目に入ったのがそこに付けられていたV型Twinのパワーユニット。
となれば、これはハーレーダビッドソン。
昔はハーレーと言えば武骨な感じが魅力だったけど、今のはハレーは随分スタイリッシュになったなと思い、一旦、この場を離れたのですけど、再びここに戻ってくるとライダーがヘルメットを被ろうとしているところ。
どうせ、このバイクにふさわしくないオッサンなだろうと、見てみると!!!
ちょっと年増ではあるけれど、乗っていたのは美しい魅力的な女性。
一瞬、意表を衝かれたような気がしたのですけど、落ち着き考えてみれば、これは華麗でしなやか!!
このバイクと調和し、実にカッコいい。
おかげで、世間が休みの日の仕事、こうした楽しみとの出会いに喝のエネルギーをもらい、仕事もバッチリ!!
しかし、いささかパワーをもらいすぎたのか、張り切りすぎて、残ったのは半端じゃない疲れ。
もう若くないのだぞということを深々と実感することになっしまいました
なにはともあれ、めでたしめでたし
ということでJoe Sample &Randy Crawford オマケの1曲、日本の東京Jazzのライブ・ステージでの演奏です。
曲は、”Last Night at Danceland"。
よろしければ、耳を傾けてみてください。
No Regrets by Randy Crawford & Joe Sample (2009-03-24)
- アーティスト: Randy Crawford & Joe Sample
- 出版社/メーカー: BAD DOG / PRA RECORDS
- メディア: CD
少しづつ暑さもなくなってきましたが、季節の変わり目、夏の疲れがどっと出る時期でもありますので、ご自愛ください。
疲れた体には、円熟味を増した、Crawfordの歌声は、沁みますね♪
スタイリッシュなハーレー(と女性ライダー)、スタイリッシュとはいえ、エンジン音は「ドコドコ」鳴るんですよね、エンジン音にもパワーがありますね。
by mk1sp (2023-09-17 21:27)
mk1spさん
お気遣いいただきありがとうございます。
ハーレー
V型Twinのドコドコというエンジン音に、オートバイらしさ感じられ、これがまたこのバイクの魅力ですね。
暑さの残る中の外仕事、まだ続きますが、また他の楽しみを探しながら、無理せずこなし乗り切ろうと思っています。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2023-09-18 16:56)
1980年だったと思いますが、クルセイダースとランディ・クロフォードの来日公演を観ました。
コンサートの中盤、ジョー・サンプル オンステージとして「カーメル」他、ジョー・サンプルのソロ作品も演奏されました。
アルバム「ストリート・ライフ」、その当時から今日まで聴き続けています、長年の愛聴盤です。
by 芝浦鉄親父 (2023-09-25 18:41)
芝浦鉄親父さん
クルセイダース、確かその時期に来日していますね。
その時期、私はクルセイダース興味がなかったのでライブには行かなかったのですけど、当時人気絶頂のバンドということで、後にFMで放送されたライブをテープに収め聴きました。
聴いてみるとジョー・サンプルのソロ作品が結構良く、これは行けば良かった後悔。
芝浦鉄親父さんのおかげで思い出したそのテープ、探し出してまた聴いてみたくなりました。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2023-09-27 17:55)