英国発信! プログレッシブ・ロックの新世代が生み出した新境地・Arena:The Theory of Molecular Inheritance [音源発掘]

真冬かと思う日もあるけれど、空気は本格的春の到来告げている。
何のかんの言いながら、3月になりましたね。

3月いうと行政の1年の締め括りの月であり、民間もこの月を一年の締め括りとしている企業が多いことから、いつもに増して気ぜわしく忙しさが増すこの時期。

私の仕事の方も、そうした世間の動きのおかげで、この時期は、毎年、年度末期限の仕事の依頼が増えそれを熟すに四苦八苦をしているですけど、今年はどういう訳か、ここ数年に増してそうした仕事が殺到。

おかげで、私の方も、半ば引退の身だからと言っても知らぬ存ぜぬでいる訳もいかずバッタバタの毎日となっているところ。

その上、私事の方も我家の奥様の誕生日や自身の人間ドッグ受信等があって、それ等も、つつがなく熟さなければならないのは当然のこととして、さらに飛び込んで来たのは息子から結婚を決めたとの知らせ。

となれば親として、そのお相手の方とお会いして、ご挨拶をする機会を持たなければならない。

とまあこんな具合に、仕事の忙しさに加えて私事においても大切に熟さなければならないことばかりの事態となってしまい、喜ばしさはあるものの気ぜわしさ倍増、バッタバタ感満杯となっている私の近況。

しかし、いつも同じ平々凡々な毎日では、刺激もなくボケてしまうばかり。
おめでたく喜ばしいことが加わったことでもあるのだし、忙しさもなんのその!!!

と、気合を入れ取り組んでところで............!!!

今回ご紹介する作品は、その喜ばしさを包み込んでくれるようにも感じるロックの作品から、この作品を選ぶことに致しました。

arena the theory of molecular inheritance.jpg

それは、英国のネオ・プログレッシブ・ロック・バンドArena 2022年発表の作品、”The Theory Of Molecular Inheritance”です。

このArenaは、1960年代の終わりに英国で生まれたプログレシッブ・ロックが、1970年代半ばに下火となった後、1980年代に入りそのパイオニアたちの遺産を継承した次世代のアーティストたちの手にによって復活・誕生したネオ・プログレシッブにおいて、その中核的存在となったPendragon のキーボード奏者であったClive Nolan と同じく Marillionのオリジナル・メンバーでドラマーであったMick Pointerの二人によって1995年に結成された、プログレシッブ・ロックの第3世代とも言えるバンド。

かく言うも私も、こうしたArenaの生い立ちに興味を覚えたことから彼等を聴き始めたのですけど、聴いてみると、70年代プログレの影響を濃厚に背負っていた第2世代のアーティスト達よりさらに進化。

70年代プログレのエッセンスを散りばめながらも、メタルなどのエッセンスも取り入れ生かした新鮮なプログレ・サウンドが聴こえて来ます。

こうなると、もっと彼らの作品を聴いてみたくなってくるもの。

そこで、これまで半年くらいをかけ、彼等の作品をデビュー作から順に追って聴いて来たのですけど、ここに至ってようやくたどり着いたのが現時点での彼ら最新作であるこの作品。

前作”Double Vision”より、ヴォーカルがPaul Manzi からDamian Wilsonに代わっての初の作品ということもあって、その辺りの変化がどんなものかと興味を持って聴いてみたのですけれど、Manziに比べWilson、ちょと線は細いようにも感じられるものの、豊かな声量とテクニックの持主で、かえって変化に富んだArenaのサウンドを具現化するには打ってつけの人選という感じ。

ということで、早速、新生Arenaのそのサウンド、聴いて頂くことに致しましょう。





曲は、”Time Capsule”でした。
デビュー作、1995年リリースの”Songs From the Lions Cage”では、70年代における四大プログレの一つとして語られるGenesisの影響を濃厚に感じさせたArenaでしたが、ここに至って、これまで培ってきたあらゆるロックの遺産を吸収消化した、新たなプログレを築き上げてる様子が窺える演奏です。

霧にかすむロンドンの空を思わせるような翳りのあった70年代の英国のプログレ、片や英国のプログレを受けて生まれた、明るくポップ感はあるも何か深みに欠けていたアメリカのプログレ、その双方良さを兼ね備えながらも、それを意識させることなくロックしてプログレらしい聴き応えを届けてくれるArenaのサウンド。

近年、全世界に広がりいろいろな国から多くのアーティストの出現が相次ぐプログレ・シーンですが、プログレの本家本元の英国から、こうした時代をリードするプログレ・サウンドのが生まれたということは、ファンとして実に喜ばしいことだと思いました。

そして、もう1曲。
今度の曲は、彼の持つクラシカルな一面を感じられる曲を聴いてみることに致しましょう。
曲は、"The Heiligenstadt Legacy" です。



クラシカルとヘヴィが交差するドラマティックなサウンド。

新加入のWilsonの透き通った美しさと声量豊かなヴォーカルが光る1曲だったと思います。


隆盛を極めながらも70年代半ばを境に下火となていったプログレッシブ・ロック。
80年代に入り、ネオ・プログレッシブ・ロックと呼ばれるアーティスト達が世に出たけれど、私としては、その彼等、70年代の先人たちの影を追うばかりで、何ら新鮮味を感じることはなかったのですが..........。

しかし、近年に入り70年代プログレの遺産は世界に広がり、多くのアーティストがそれをベースに借りつつも独自のプログレを発信し始めた。

そうした中で、英国生まれのArenaのこの作品を聴いたこと、
まだまだ未知数の感は残るものの、彼等こそ、その中核で担う者であることを確信し、ようやく半ば忘れかけていたプログレの将来への期待を抱けるようになりました。



Tracks Listing
1. Time Capsule
2. The Equation (The Science of Magic)
3. Twenty-One Grams
4. Confession (2:20)
5. The Heiligenstadt Legacy
6. Field of Sinners
7. Pure of Heart
8. Under the Microscope
9. Integration
10. Part of You
11. Life Goes On

Musicians
Damian Wilson / vocals
John Mitchell / guitars, backing vocals
Clive Nolan / keyboards, backing vocals
Kylan Amos / bass
Mick Pointer / drums

Released
  2022


Theory Of Molecular Inheritance

Theory Of Molecular Inheritance

  • アーティスト: Arena
  • 出版社/メーカー: Verglas Music
  • 発売日: 2022/11/11
  • メディア: CD




Songs from the Lions Cage

Songs from the Lions Cage

  • アーティスト: Arena
  • 出版社/メーカー: Inside Out Germany
  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: CD




DOUBLE VISION/LTD.DIGI

DOUBLE VISION/LTD.DIGI

  • アーティスト: ARENA
  • 出版社/メーカー: PLAST
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: CD



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忙しくなってしまった3月。
とは言っても、仕事や家のことばかりに振り回されてばかりじゃ身が持たない。

陽気も良くなって来たことだし、どこかに出掛けて心のストレッチをしなければと出向くことにしたのが、松戸にある水戸徳川家の別邸として知られる戸定歴史館。

ここは、この時期、花をつける梅林と河津桜を見れる場所で、毎年訪れている場所なのですが、今年は梅も河津桜も開花が早かったことから、既に見頃は過ぎてしまったかと園内に足を踏み入れてみると、

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木陰から、なんらか良さげな風景が顔を覗かせています。
そこで、勇んで傍に寄り見てみると、

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小田原の河津桜は、見頃を終えようとしているところだったけど、こちらは今が満開といった様子。
こちらはやっぱり小田原より寒いということなかなと思いつつ、花を味わい奥の梅林の方に足を進めてみると、

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こちらは、思った通り花は疎らで見頃は過ぎてしまっている様子。
しかし、木によって威勢よく花をつけているものもあり、そちらの方はこの通り。

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紅梅も、見事な花を咲かせています。

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かろうじて梅の花の香の残照を見ることが出来満足したところで、入口の方へ戻ろうとすると、ポツン1本だけ見事に紅い花を咲かせている木が目に入って来ました。

うっ、これも紅梅か?

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と思うも、何か雰囲気が違う。
ばらば、傍に行って確かめてみようと木の下に来てみると、

_DSC9489-hm.jpg

何やら果実のような形の花?をつけています。

一体この花は何なのだと辺りを見回してみると、"寒緋桜"と書かれた看板が!!!
こちらでは、あまり見ることない桜なので、ちょと調べて見ると、台湾と中国南部に多く分布する花で、沖縄では、ヤマザクラやソメイヨシノの分布域の南限が鹿児島県のため、サクラや花見と言えばこの"寒緋桜"を指すのだとかのこと。

そう言われてみれば、いかにも南方系の花という感じ。
ちょっとした寄り道で、珍しい花に出会うことも出来ました。

さて、一通り園内を散策し花を楽しんだところで外へ出ようと入口の門前まで来たところ、
そこに、なんやらTVロケ隊のような一団が、車から降りてこちらへ向かってきます。

_DSC9537-hm.jpg

何をするのかとしばらく立ち止まって見ていると、園内案内板の前でディレクター思われる人物が場面設定を出演者と見られる人にレクチャーし、撮影開始。
案内板前にTVでは、よく顔を見る人なのだけど、名は思い出せない男優さんがカメラに向かってなにか喋っています。

これは、間違いなくTVロケ。
松戸の早春の番組取材だったのでしょうかね。



さて、いつもならここで駅に戻り帰路につくところなのですが、街を散策ロケしていると思われる一団を見てしまったことでロケ隊も行ったのでは思い、JR常磐線の線路越えソメイヨシノのお花見所で知られる松戸神社向かうことに。

そして、神社到着。
まずは参拝して、ソメイヨシノの按配はどんなものかと、神社の横を流れ坂川に架かる橋の上からを河畔を眺めてみると、

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なんと!!
ソメイヨシノの開花はまだのはずなのに、既に、川の両岸の桜並木は満開の様相?????

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しかしよく見てみると、葉は出ているし色も濃い。
となると、これは河津桜。

後で知ったことなのですが、松戸神社周辺の坂川流域は、松戸における河津桜の名所でありソメイヨシノ名所だとのこと。
そう言われると、確かに以前見たソメイヨシノ咲いていた場所の桜の木は、まだ花をつけていない。

_DSC9553-hm.jpg

となると、ここは河津桜に続いてソメイヨシノのお花見が出来る極めて贅沢な場所。

同じ場所でも季節を変えて歩いてみると、意外な姿が見えて来る。
今回の散策は、心のストレッチはもちろんのこと、多くの学びを得た、稔の多い一日となりました。






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mk1sp

ご子息のご結婚おめでとうございます!
3月は何かと忙しいですが、吉報とあれば、幸せな多忙ですね、気を引き締めて、乗り切っていきたいですねっ、

Arenaは、はじめて知りますが、時空を超えていくような壮大な感じが良いですね♪
by mk1sp (2024-03-19 21:22) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

mk1spさん
お祝いの言葉、ありがとうございます。

確かに忙しいのだけど、吉報含みとなれば自然と元気が出るものですね。

ここ数年、プログレの新生を探しながらいろいろ探し聴いていたのですけど、Arenaの他にもいくつかいいアーティストを見つけたので、またボチボチご紹介して行こうと考えていますので、よろしくお願いします。






by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2024-03-20 17:13) 

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