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ホットなジャズを奏でたお巡りさん、余技を極めてプロ・デビュー!!・Lem Winchester.;Winchester Special [音源発掘]

前回は、花見に似合うジャズのお話をいたしましたが、その取り上げた曲が1960年代のものであったことから、以来、久々に今から60年ほど前の1950年、60年代のジャズに嵌まってしまっているところ。

確かに、1950年、60年代のジャズは現在のアーティストのような洗練されたは感覚は希薄で、テクニック的にも今一歩及ばないところがあるように思えるものの、それを凌駕するその魅力は、サウンドの中に潜み漂う熱い空気と聴く者の心を優しく包む暖かい響き。

てなわけで今回は、そうした1950年、60年代のジャズ・アーティスト中で、本職は警察官であったのに趣味余技でその心技を探求するうちにミュージシャン稼業が本職となってしまった、ちょっと風変わりな経歴を持つアーティストの作品を聴いて行くことにするとにいたしましょう。


そのアーティストの名前は、ヴィブラフォン奏者の Lem Winchester.。
30歳で、アマチュアながら1958年のニューポートジャズフェスティバルに出演し大きな注目浴びた後、数作の名演生みながらプロとしての道を歩み始めたというWinchester。

その活動期間は、1961年 ロシアンルーレット(回転式拳銃(リボルバー)に1発だけ実包(弾薬)を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くゲーム )に興じ32歳で他界するまでの、わずか2年半とあって、今は知る人ぞ知る存在となってしまったのか、その彼の作品が再発されることは稀となってしまい入手もままならない状況となっているのでが、実際は、その短い活動期間にリーダー/サイドマンして10枚以上の作品を残していて、当時 ヴィブラフォン奏者の頂点のいた名匠Milt Jacksonの次を担う世代のアーティストとして大いなる注目を集めていた存在。

スタイル的にはそのMilt Jacksonの影響が色濃いものの、その音質はMiltのそれより柔らかく軽やかな感じ、中でも私が初めて聴いたWinchesterの作品である1958年のピアニストのRamsey Lewisのトリオとのコラボによる彼のスタジオ・デビュー作品の”Lem Winchester and the Ramsey Lewis Trio (Argo)”は、聴いた塗炭にその音色に一発でやられてしまい、以来愛聴盤として長きにわたって聴き続けているもの。

作品としては、このRamsey Lewis Trioとのアルバムが一般的には一番知らている彼の代表作ではないかと思うのですが、今回取り上げることにした作品は、この時期、ファンキー・ジャズの旗手として人気の頂点にあった、Art Blakey & The Jazz Messengersのテナー・サックス奏者で作・編曲家のBenny Golsonが加わった1959年制作の ”Winchester Special (New Jazz) with Benny Golson”という作品。

lem winchester special.jpg


この作品を選んだのは、Lem Winchesterというアーティスト、Milt Jacksonを敬愛していたためか、Miltと共演したアーティストと共演している作品がいくつかあり、この作品もMiltが本作の9ヶ月前に録音した本作同様Benny Golson、ピアニストのTommy Flanaganと共演した名作”Bags' Opus”

milt jackson bags opus.jpg


の後を受けてものであることから、Miltと共に名作を生んだ二人の大物アーティストを従えてWinchesterが、どんな味わいのサウンドを聴かせてくれるか、そのあたりを踏まえじっくりと聴きたくなってしまったからなのです。


それでは、前置きはこのくらいにして、Benny Golsonと繰り広げるLem Winchester の世界を聴きながらお話を進めて行こうと思います。











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ソメイヨシノとBill Evansが合い歌う春の訪れ [音源発掘]

今年も昨年同様、例年に較べかなり早かったソメイヨシノの開花の訪れ。

私の子供達が小学校入学の時は、ちょうどその入学式の頃が花の見頃で、その桜の木の下で入学記念の写真を撮ったものだったはずなのに、この様子では入学式の頃は既に花は終わり若葉が勢いよく育ち始めていることだろうと、味気なさとほのかな寂しさを覚えながらもソメイヨシノが咲けば、春は全開!!

特に今年はコロナ禍の中、冬の寒さに合わせて極度の忍耐を強いられた冬であったことを思うとソメイヨシノが持たらす解放感に満ちた春の力は絶対的!!!
とか何とか言って、今もって不要な外出は避けるべきのご時世の中、仕事で出張の合間にちょっとならばと、はばかりながらも桜見物をすることに。

その様子がこちらの写真!!

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茨城県土浦市にある土浦城 (別名;亀城(きじょう))の桜の様子。

そして、

IMG_5489-2 (1)..s.JPG


神奈川県秦野市の”はだのさくら道”の桜並木。
県下随一といわれる全長6.2㎞にもおよぶ花のトンネルが続くこの道を、走り抜けるのはなんとも気分爽快です。

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こちらは、千葉県松戸市にある、最後の水戸藩主 徳川昭武が晩年を過ごした戸定邸公園の枝垂れ桜。
この地は、2月には梅、そして寒桜が咲き、この時期はソメイヨシノに加えてこの枝垂れ桜が咲く、花木の数は少ないものの、緑の中に季節の移ろいに従って次々に咲く花々のかすかな彩が興をそそる場所。

と、千葉県戻ったところで我家の周辺を散歩。
足を運んでみたのが、自衛隊習志野駐屯地の中にある空挺館。

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この洋館は、当時、駒場にあった旧陸軍の騎兵連隊の演習に行幸された天皇や皇族の迎賓館として1911年(明治44年)に建てられたもので、1916年(大正5年)に騎兵連隊がこの習志野の地n移転と共にこの地に移築され現在に至っている船橋市の大切な文化歴史遺産。

その歴史にの香りに導かれ行かなければの気持ちなり、訪れてみることになりました。


とまあ、ちょとのつもりが陽気の良さにも手伝って、あちらこちらへと歩き回ってしまうはめとなってしまったのですが、その気分をさらに増長してしまったのが、その行く先々で花を見ながら聴いていたミュージック。

私のような年寄りが、桜の香りに誘われてあちらこちらへと動き回るその活力の源を与えてくれたそのミュージックとは、ジャズの巨匠であるピアニストのBill Evansが、サックス奏者とともに歌っていた、春の喜びを湧き立たせる、ジャズ・ワルツの今やスタンダード・ナンバーともなってしまった名曲。

ここで耳を傾けていただければと思います。





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喜劇王が生んだ不朽の名曲;Smile [名曲名演の散歩道]

梅や河津桜など早咲きの桜の、例年になく早い開花。

しかし、そのひと足以上の早い開花、この冬、雪国では高速道路で急な大雪で車が立ち往生してしまう程の事態がたびたび発生した状況を考えると、それはなんとも不思議こと。

そうした疑問を抱いてたところ、先日TVのお天気解説を見ていると、今年の冬は寒かったのか、暖かったのかというと、それは暖冬であったとのこと。
これも地球影響だと言うのですが、今年、未曾有の大雪をもたらしたの原因は、この温暖化の影響で北極圏を回り囲む冷たい空気の流れが大きく蛇行し、時には日本の上空まで張り出すことがあって、それが、それまで暖かった地上より例年以上の量の水蒸気を立ち上らしめ、その大量の水蒸気が北極圏の冷たい空気に冷やされて大量の雪となり、地上に舞い降りるに至ったためだというのです。

そんな訳で雪の降らない所でも、その著しい寒暖差に翻弄され、その対応に苦闘することが多かった今年の冬、私のような御老体の身を持つものとしては、その体調の管理にいつも以上気を使わなければならなくなってしまったのです。
とは言っても、やはり、一足早い春の訪れは老体の身にとっては得難くなによりも有難いもの。

そうしたことを思っていた矢先、ちょうど仕事に間が出来たところで通り掛かった寺の境内を覗いてみたところ、そこにあったのは満開の桜。
まだ3月になったばかり頃なので、この桜はピンクが色濃い河津桜。
その艶やかさが何とも言えず、あっさりと仕事はそっちのけ、いざ心はお花見へと洒落込むことになってしまいました。

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降って湧いた春の装いを御覧に入れたところで、早咲きとはいえ桜の花が咲くと厳しかった冬も間もなく終わり、命の躍動が始まる春の空気が感ぜられ、どこからとなく微笑みが湧いてくる、そうした気分になって来るのではと思うのですが、今回のテーマは「名曲名演の散歩道」。

そこで選んだ曲は、春来るの微笑みに思いを寄せてあの名曲”Smile”といたしました。


さて、この”Smile”という曲、その作曲者は、映画界に大きな足跡を残し一世を風靡したあの大喜劇王Charlie Chaplin。
そのChaplinが、イタリアの作曲家Giacomo Puccini(プッチーニ)のオペラ”Tosca”からインスピレーションを得、生まれたのがこの曲だというのですが、その登場はChaplin自身が監督・製作・脚本・作曲を務めたことで知られる1936年の映画「モダンタイムス」のラストシーンのサウンド・トラックだとのこと。

ということで、まずはこの名曲、サウンド・トラックとして流れるこの映画のラスト・シーンを見ながら始めることにいたしましょう。



この曲、今ではヴォーカル付きが定番で、そちらの方が馴染みだという方が大半ではないかと思うのですが、ご覧になってわかるように、この曲の元は歌詞のないインストルメンタル曲。

実は、この曲に歌詞がついたのは、この曲の登場のから20年弱ほどが過ぎた1954年のこと。
John TurnerとGeoffrey Parsonよりタイトルと詞がつけられ、ジャズ・ピアニストで歌手のNat King Coleが最初のバージョンを歌い録音したことによりヒット、この年のビルボードチャートで10位を獲得することになったのだとか。


それでは、そうしたいわれの歌詞の付けられた”Smile”、まずはその本家本元であるNat King Coleの歌唱をそのつけられた詞にも注目しながらじっくりと味わってみることにいたしましょう。





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ありがとうChick Corea! 新時代を切り拓いたそのサウンドは永遠に。 [デジタル化格闘記]

2/13の朝、いつものように新聞に目を通していると、目に入って来た悲しい記事。
それは、私がジャズを聴き始めた頃、ロック・ファンであった私がうっすらとしたジャズへの興味を覚えつつも、今一歩奥へと踏み越えらずにいた時、そのつかえの扉をを吹き飛ばし開いてくれたアーティストの訃報。

そのアーティストの名は、現代ジャズの巨匠として知られるピアニストのChick Corea。

CC_At_the_Piano_Color_photocredit_ChickCorea_Prod-p.jpg


享年79歳、となれば、それもその人に与えられた寿命であり致し方ないと思えるものの、70歳を越えてからも、今のジャズに活力を取り戻すためにはロックのエッセンスを取り入れることが必要だと強く提唱し、自らその先頭に立ちながら新しい境地を開きつつ、2019年には来日しアコースティックなサウンドで現未来を駆け抜けるサウンドを生み出していた、そのことを聞き知っていた私にとっては、その突然の終焉の報はあまりにも唐突で、今だ信ずることが出来ないでいる有様。

そのChick Corea、その登場は1960年代半ばのこと。
Stan Getzのカルテットの一員としてプレイしたそのピアノ・タッチの美しさが大いに話題となり、日本でもそのStan Getzのカルテット来日に際しては、これに随行し初の来日を果たしたCoreaのピアノが大きな話題の焦点になっていたというほど。

Getzのカルテット後のCoreaは、Miles Davisのグループに参加、そこでエレクトリック・サウンドやロック・ビートを取り入れた新しいサウンドを模索していたMilesの下で働き、その後独立。
一時フリーの道にも足を踏み入れつも、1972年制作の作品”Return to Forever”では、ジャズ本来の味にボサノバの要素やエレクトリック・サウンドを取り入れ、清々しく親しみやすい新世代のサウンドでジャズの世界に新風を吹き込み、ジャズ界のニューリーダーしての地位を築くことになったアーティストなのです。


そこで、Chick Corea!
その彼を偲んで、今回聴いていただきたいサウンドは、公式に発表されていない日本でのライブ音源!!

まずは、70年代”Return to Forever”の成功から、フュージョンの道を歩み始めたCoreaの、その時代の終盤を姿を捉えた1979年。
東京稲城市にある、よみうりランドのシアターEASTで開催されたLive Under The Skyで、Al Di Meola(g),Bunny Brunel(b),Tony Williams(ds)と共演したスペシャル・カルテットによるライブ音源で、曲は、Corea作曲の”Senor Mouse”からお聴きいただくことにいたしましょう。




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空の旅、その道中にて生まれた名曲;Misty [名曲名演の散歩道]

今回は、前回より1年ぶりとなる名曲名演の散歩道

日々、日が伸びてくる様が実感できるようになり、その日射しにも春の訪れ近しを感じてるようになったこの頃。

考えてみれば、2月というと旧暦では正月新春の月、 今年2021年は2/12が旧暦元旦にあたるのだというのですが、昨今の春の訪れ近し日射しに、今はこの時期を新春と昔の人はよく言ったものだとの感慨を深くしているところ。

そうしたかすかな春の足音が聞こえてきたところで、どういう訳か、ここのところ心の内に響き始めているとあるメロディ、それは、現代の女性ジャズ・ヴォ―カルに多大なる影響及ぼしたSarah Vaughanの歌うこの名曲。

ということで今回はその名曲を取り上げることとして、まずは、その演奏をお聴きいただくことにいたしましょう。



Sarah 1963年のライブ作品”Sassy Swings The Tivoli”からの演奏で、曲の名は、”Misty”。

Sarah Vaughanといえば”Misty”というぐらい彼女のLiveでは、必ず歌われていたこの名曲、私も70年代半ばに彼女のLiveに出掛け、そこで見聴きしたこの曲を歌う彼女のしぐさ情景が今も深くに脳裏に刻まれてしまい、今もって思い起こすことしばしなのですが、数ある彼女の”Misty”の歌声の中から、この Tivoliのライブを選んだのは、そうした数ある彼女の”Misty”の歌唱の中でも、この”Tivoli”のステージは、一味違った演出の”Misty””が聴ける珍しさがあったからなのです。

それは、お聴きいただいていれば、既にお気付きかと思いますが、男女デュエットの”Misty”だということ。
その、御相手なる男性ヴォーカリストは、このライブでピアノを担当しているKirk Stuart 。
ピアニストとは言え、しっとりとした歌声を聴かせる、なかなかのヴォーカリストなのですが、しかし、このデュエット、Kirk が歌い始めてからちょと間をおいて聴こえてくる観客たちの笑い声。
実はこれ、サビの部分にてSarah は口パクだけで声を出さず、代わってKirk歌い、それに遅れて突然男性の声に変ったのが何故かに気づいた観客が発した笑い声だったのです。

”Misty”を待つ観客に対しSarahの「今日はいつもと違うのよ」ばかりにと歌も唄えるピアニストのKirk Stuart あってこそのパ―フォーマンス
この当時のSarahと共に活動していたアーティストが見せた、自由な即興性が命のジャズならではのワンシーン、観客たちの一瞬の隙を見逃がすことなく、瞬時に新しい驚き与えるツボを心得た一瞬を作り出す、そこに、Sarah の非凡な才能一旦が見て取れるような気がします。



さて、Sarah の名演が光るこの名曲、この曲の作曲者の名は、ピアニストのErroll Garner。

この曲、Garnerが、1954年、空路ニューヨークからシカゴに向かう旅の途中、霧の中を飛ぶ飛行機の窓から外を見ていると、目の前に広がる霧の中に突如のインスピレーションを得、そこで閃き生まれたのがこの”Misty”だったというのですが、

その元はピアノによるインストルメンタル曲。

しかし、その後、Johnny Burkeによって詞がつけられ、1959年にJohnny Mathisの歌唱により全米12位ヒットとを獲得、続いて前出の女性ジャズ・シンガーSarah VaughanやElla Fitzgeraldに歌われたことにより、現代に知られるスタンダード・ナンバーとなったという、ジャズのアーティストが生んだ名曲なのです。



とくれば、作曲者 Erroll Garnerによる”Misty”、それを聴いてみたくなるもの。
そこで、今度は1954年録音のGarnerトリオの演奏で、その名曲の真髄、お楽しみいただくことにいたしましょう。



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古代空間へと誘う和楽の音・天地雅楽(Tenchi Garaku):やまとまほろば [音源発掘]

日本ではコロナ、アメリカでは前段未聞の大統領就任騒動と、なんとも騒々しいニュース続きの幕開けとなった2021年。

と言いながらも新年を迎えたばかり、正月といえば新たなる生気と清々しい心の内を届けてくれる純邦楽の音が恋しくなってくる。
その穏やかな空気に浸れば、巷の騒々しさも和らぎ気持ちを切り替えるかもと思いつき、早速探してみたところ目に飛び込んできたのが、この作品。

天地雅楽 やまとまほろば.jpg


それは、天地雅楽(Tenchi Garaku)の”やまとまほろば”という作品。
神主と巫女姿の男女が写るジャケットに引き付けられ、”やまとまほろば”というアルバムのタイトルから、収められている曲の名を見てみると、日本最初の史書である記紀(古事記、日本書紀)や和歌集である万葉集に出てくる、畝傍(うねび)、石上(いそのかみ)、三輪、宇陀などの今も奈良盆地に残る地名由来の曲が並んでいる。

かねてより、日本の古代史に大きな興味を持っている私としては、それだけで興味津々、聴かずにはいられないという気持ちになり、年明け早々即ゲット、聴いてしまったのがこの作品。

と言うことで、今回はこの作品、騒々しい新年を迎えた2021年始まりの記憶として語ってみようと思います。

さて、その天地雅楽、吉川八幡神社 (大阪府豊能郡豊能町)の現職宮司であり作・編曲家である久次米 一弥(くじめもとみ)が主宰するで、サポート・メンバーとして神社神職、巫女、雅楽奏者らによる篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、笙(しょう)といった日本の古典楽器が奏でる雅楽の世界と現代楽器の調和による現代雅楽ともいうべき独自のサウンドを生み出してきている異色ユニット。
2007年のデビュー以来、既に10作品を世に送り出しているというのですが、本作は2017年発表のその第8作目に当たるもの。

2011年以降は、日本のトップドラマーである菅沼孝三や、彼の弟子で世界のトップドラマー500人に選ばれた女性ドラマーである川口千里等がレコーディングに参加、神仙な雅楽の響きと躍動感に満ちた現代リズムのコントラストが生み出すそのサウンドが大きな聴きどころ。

という訳で、天地雅楽が生み出す日本の音の故郷雅楽の心を、現代に受け継ぐべく融合させたその世界、早速耳を傾けてみることにいたしましょう。

曲は、”畝傍 瑞山(うねび みずやま)” です。




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暗雲立つ年の幕開けに希望の燈明灯す-Music--・木住野佳子:Face [音源発掘]

年明け早々に、発令された一都3県の緊急事態宣言!!!!!

年末からのコロナ感染者の急激な増加を考えれば、当然の成り行きとも思えるのだが、いつもなら御屠蘇気分抜きらずまま、新しい年のもたらす新鮮なエネルギーに身を浸しほろ酔い気分でいるはずのこの時期のこと考えると、気持ちは重くなってい来るばかり。

そう言う私も、今年のお正月は、そのなんとも晴れない思いを引き摺りながら、自宅で音楽を聴きながらおとなしく過ごしていたのですが、そうした中で出会い凍てついた心に光を燈してくれた音楽。

新年、最初のブログは、その音楽をご一緒に聴きながら、立ち込める暗雲を打ち払い2021年が希望溢れる年にならんことを祈ることにしたいと思います。

そこでその音楽とは、日本の女性ジャズ・ピアニスト、木住野佳子のこの作品。

木住野佳子 face.jpg


2008年発表の”Face"です。

1995年にプロデ・ビューを果たして以来、現在もその一線で活躍している木住野佳子。
彼女がデビューした1990年代の半ばから2000年代初頭というと、現在、日本のジャズ・ピアノ界を牽引する大西順子や上原ひろみなど、有能な日本の女性ピアニストが登場した時期。
この二人、そのデビューは、日本ではなくジャズの本場アメリカあったことから、当時私は、これこそ日本のジャズ界の地位も世界に定着し来た証と感じ、そのことを喜びつ立て続けに発表された彼女らの作品に親しんでいたのですが、この木住野佳子も、そのデビュー作”fairy tale”は、ジャズの名門レーベルとなったアメリカのGRPレコードからであり、さらに、巨匠Chick Coreaが賛辞が寄せるなど大いなる評判を呼んでいたこともあって、それを聴き、私にとって以来、先の二人と同様、親しみ続けることになったアーティストの一人なのです。

しかしながら、その彼女、その活動は、大西・上原の二人と比べるともう一つ話題性に欠けているようにも感じてしまう向きもあるのですが、そもそも全曲バラード曲構成というジャズ作品で冒険ともいえる企画を6作目なる作品”Tenderness”で熟し切ったという実績からして、流麗な中にも一瞬の強力なテンションが聴くものに強力なインパクトもたらす、先の二人とは真逆のピアノ感性の持ち主。

そのソフトで繊細な美しさを放つピアノ・サウンドは、派手さはなく先に二人と比べると地味な印象があるものの、一つ一つ端正に紡がれるそのサウンドで異次元の歌の心世界を届けてくれているあたりに彼女の真骨頂がある優れたアーティストだと思うのです。


それではこのへんで、いきなり暗雲が立ち込めた今年の年明け、その重苦しさをはねのける力を育て、彼女の歌の世界、早速お届けすることにいたしましょう。






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2020年 この世を去ったアーティストの思い出;Miles Davisが唯一奥義を伝えたアーティスト [音源発掘]

コロナで明けた一年、その年の終わりは、これまでを大きく上回る勢いでの感染拡大となってしまった昨今。

一方、海外ではこれまでにもなく早くワクチン接種も始まり、また特効薬完成への道にも光が見えて来たというニュースも聞かれるようにもなって 禍からの脱出も時間の問題となりつつ期待が生まれて来た感があるも、やはり今は最大の脅威の到来に尚一層の引き締めを図るべき時期。

全世界では、このコロナで命を落とした人は、174万人余りにも達したいう報道もあり、既に高齢者の域にある私などは、ここが正念場、なお一層の注意を払わなければと気構えたところで見つけた、このコロナで命を落とした著名人のリスト中にあった二人のアーティストの名。

その二人とは、世界的ジャズ・プレーヤーとして知られるテナーサックス奏者の Branford Marsalisとトランペット奏者ののWynton Marsalis兄弟の父である、ピアニストのEllis Marsalisと、そしてもう一人は、トランペット奏者のWallace Roney。

この二人、私にとっては長きに渡りそのサウンドに親しんできたこともあり、その死は大変悲しく残念極地という思いなのですが、特にWallace Roneyは、1981年のArt Blakeyと日本のドラム奏者のジョージ川口の双頭リーダー作品”Killer Joe"で、彼のトランペットに出会って以来、1986年、Tony Williamsの作品”Civilization”での華麗なプレイに魅了され注目し続けてきたこともあって、50歳代後半となった今は、円熟の境地に至ったそのプレーに接することが出来るのではと期待し、その作品を探し始めた矢先に知ったその訃報に大きなショックを受けてしまったのです。

そこで今回は、そのWallace Roneyを偲んで、その彼の生前最後の作品である”Blue Dawn - Blue Nights”をご一緒に聴いてみようと思います。

Blue Dawn - Blue Nights.jpg


さて、このWallace Roneyという人、特筆すべきは、あの巨匠Miles Davisがその奥義をただ一人直接手ほどきをしたアーティストだという事実。

ジャズのトランペット奏者というと伝説のトランペット奏者のClifford Brownを目指すアーティストが多い中で、珍しくWallace はその登場の頃からMilesの影響を強く受けたトランペット奏者として知られてはいたのですが、その後、Miles自身の目に留まりその手ほどきにより、そのMilesの亡くなる3か月前に録音された1991年の Montreux Jazz Festivalでのライブ作品” Miles & Quincy Live At Montreux” では、かなり病状が悪化していたMilesの指名によって曲によっては彼が代役を務め上げたというほどのトランぺッター。

そうしたWallace 、その早すぎる晩年は一体どんな音を出していたのか、書きながらもかなり気になって来ます。

そこで、その音

まずは1曲、ご一緒に耳を傾けてみることにいたしましょう。


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2020年 この世を去ったアーティストの思い出;日本のポップ育てた作曲家 筒美京平 [音源発掘]

当初の予測通り、再び襲って来たコロナの嵐。
待ち侘びたワクチンも出来たという今、その普及にはまだ時間が係るとしても、その災禍からの脱出の兆しが見えて来た、とは言ってもまだ絶対的治療法確立していない今、あと少しの辛抱だよと我身に言い聞かせ、その予防を最優先に過ごしてる私ですが、こうした中で今回は!

これまで年末というと、この1年間のまとめとして、これまで聴いて来た作品の中で印象に残った作品を紹介することが常だったのですが、今年は、在宅勤務など家での時間も取れたことから、出会った作品については都度紹介してしまったということもあり、であれば私の音楽嗜好に影響を与えたと感じている、本年この世を去ったアーティストの思い出を取り上げ語ることにいたしました。

その一人目のアーティストは、今年10月に80歳で亡くなった作曲家の筒美京平。
この人の名を上げると「日頃、ジャズ・ロックに親しんでいる親父さんが、日本の歌謡曲畑のアーティストを取り上げるなんて珍しいですね。」と思われるかもしれませんが、実は、この私、若い頃にひょんなことから、京平さんの大学時代からの友人で、自分の会社を経営しつつも京平さんの仕事の手伝いをしているという、とある会社の社長さんとの知己を得、それがご縁で京平さんの動向を聞かせていただいたり新作のデモ盤を頂いたりしているうちに、歌謡曲は私の好きな分野の音楽ではないものの、筒美京平は私にとって身近な存在と感じられるようになってしまい、知らず知らずのうちにそのサウンド注意を払うようになってしまったという訳があって、忘れないアーティストとなってしまった人なのです。


さて、筒美京平といえば、いしだあゆみの”ブルー・ライト・ヨコハマ”や尾崎紀世彦の”また逢う日まで”、太田裕美の”木綿のハンカチーフ”、ジュディ・オングの”魅せられて”、近藤真彦の”スニーカーぶる〜す”など、今も多くの人に歌われることの多い、日本歌謡史に残る数多くの名曲を生みだした作曲家として知られていますが、私としても、その全盛期である1970~90年代には、ヒット・チャートを見ると一面に彼の作曲した曲が並び、時代の寵児の感を呈していたことが思い出されます。

そんなことから、それまで日本の歌謡界にはほとんど興味のなかった私も、ここまで来ると、これだけ粗製乱造の感で作った曲が次々とヒットすることに何故だろうと思うようになり不思議に思っていたところ、まもなくデビューする新人歌手のデモ盤を手にした前出の某社長さんから、「京平さんは、大ヒットした洋楽曲のサビの部分をさりげなく潜ませて曲作りしているのだけど、これがヒットの秘訣になっているのだよ。このデモ盤の曲もそうなんだよ、何の曲かわかるかい。」との話を聞かされたのです。
そして、いただき聴いたのがこの作品。

優雅 処女航海.jpg


台湾出身の女性歌手 優雅(ゆうや)の日本デビュー作”処女航海”です。



というところで、まずはこの優雅の”処女航海”、この曲に使われている有名洋楽曲、その曲名、曲を聴いてみて考えてみてください。

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世界に駆けろ和心潜む楽の響き:Bamboo Flute Orchestra [音源発掘]

再び襲って来たコロナの猛威。
とは言っても、第一次の時とは異なり、相も変わらず忙しく西へ東へと飛び回っている私ですが、訪れる場所の風景も紅葉の季節は終わり、日々冬の装いに染まり行く様子が感じられるようになった今。

再度、コロナへのガードを固めつつ行く旅の身空でふと目にした、とあるアーティストの紹介記事。
読んでみて、これは意外、何気になく面白そうと聴いてみたのがこのアルバム。

bamboo flute orchestra shakuhachi.jpg


Bamboo Flute Orchestraの2016年の作品”Shakuhachi”。

そのBamboo Flute Orchestraというのは、琴古流の尺八奏者である辻本好美のソロ・プロジェクトとして出発し、本作に次ぐ2018年の2作目では、辻本を中心に、彼女の出身校である東京芸術大学の同級生・後輩からなる5人編成の尺八ユニットとなり”尺八Classic”を発表しているアーティストなのですが、
私が彼女らに興味をもったのは、彼女らの出身大学である東京芸術大学が、かってその教授として尺八にジャズのソロ楽器として可能性を提示した作品”銀界”を生み出した都山流の尺八奏者で人間国宝の故山本邦山が在籍指導していたこともあり、また、その後も邦山の弟子であり、尺八の新境地を切り開き現在その第一人者として多くの作品を発表し活躍している藤原道山を輩出した学校である4ということから、このBamboo Flute Orchestraもその後輩たち、必ず尺八という楽器の新境地に出会えるに違いないと考え聴いてみることにしたものなのです。

そこでその結果、まずはそのサウンド、早速聴いていただくことにいたしましょう。



曲は、あのMichael Jacksonの1987年の作品”Bad"に収録の”Smooth Criminal”でした。
三味線による幻想的な和学の響きに続いて現れる強力なビートと尺八によるあのMichael のヴォーカル・パート。
ファンクなサウンドとは縁遠いと思われる和楽器が音が舞、Michael のサウンドに幽玄の空間を創出するに至っている。
これには、天国であのMichael も、してやったりとニンマリ笑っている様子が見えてくるような.....、
そして、この演奏で、天国のMichael の歌う姿が見れたならと叶わぬ願いを抱いてしまうほどです。


こうしてその幸先を感じたところで、その次は、2作目の5人の尺八奏者による尺八アンサンブルが魅力の”尺八Classic”からの演奏を1曲。

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曲は、葉加瀬太郎の代表曲”情熱大陸”。
5本の尺八による軽快なアンサンブル、ちょっと耳を傾けてみてください。



私自身、尺八のアンサンブルというのは初めて聴いたのですが、独奏よりも音に深みが増し、尺八という楽器のまた違った可能性を知ることが出来ました。

この2作品、中にはBGMに寄りすぎ詰めの甘さが感じられる演奏もありますが、そのアプローチはそうした未完への苛立ちも越えて実に新鮮。
これからも、さらへの音創りへと邁進し新しい尺八の魅力を開拓提示し続けて欲しいと思いました。





さて、今回は手短にこの辺で!
 
コロナで気が滅入ることになることも多いかとも思う今年の年末。
幽玄を湛えつつも若々しさ溢れる響きを宿す尺八の歌声で、その憂いを柔らげことが出来ればと思います。


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                               靖国の銀杏並木


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