Jazzで聴くBeatles Vocal 編 [名曲名演の散歩道]
今回のお話も、Jazzで聴くBeatles 。
実はこのお話、前回で一旦終えるつもりだったのですけど、いつもに比べアクセスが多い、これはさすがBeatles、と感心しつつ、ちょっと悪乗りという感もしたのですが、ならば、おまけにもう一つ行ってみようかということで再びBeatles、続けて筆をとってみることにしてみました。
そこで今回のテーマは、と考えてみれば前回までご紹介した演奏はすべて器楽による演奏ばかり、だけど、Beatlesと言えば歌詞がある、となれば、次はやはり歌ものを取り上げるべきでは。
ということで、今回のJazzで聴くBeatles は、ジャズ・ヴォ-カル編。
ただ、ヴォーカルと言っても、そこは自分独自のサウンドを重んじるJazzのこと、みな一筋縄ではいかない何かがある。
ビートルズの曲を素材にしながら、自分の個性を込めて高らかに歌い上げ、また違ったビートルズのサウンド世界を生み出しているのです。
今日は、そんなジャズ・ヴォーカルの魅力を、聴き親しんだビートルズの名曲で楽しんでもらえればと思います。
それでは最初の曲。
ビートルズの曲、ジャズの世界では、1960年代の半ばにはジャズ・ヴォーカリストによって取り上げられ歌われているのですが、中でも有名なのが、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家と言われるこの人の歌唱。
まずは、その曲から始めてみることにいたしましょう。
Sarah Vaughanの歌唱による、”Michelle”
彼女の1966年の作品、”The New Scene”に収められいる演奏です。
私がこのミッシェル、初めてサラの歌唱で聴いたのは、その昔、バイト先で見つけた”A Lover's Concerto"のシングル盤、このシングルのB面がそのミッシェルであったことからだったのですが、まだビートルズの演奏の余韻が強かった時代、私もジャズもまだ聴き始めたばかりということもあって、その演奏、最初はどうも馴染めないでいたのです。
その印象が変わったのは、それからだいぶ経ってからのこと。
それは、日本公演のステージで生のサラを聴いた時のこと、彼女のオペラ歌手並みの声量と、どんな歌でもサラ流にしてしまいながら、尚且つ強力な説得力を持って迫ってくる、そのヴォーカル・テクニックのもの凄さに圧倒されてからのことでした。
以来このミッシェルの歌唱、その時と同様サラ流が貫かれ、そこにブルー・ティストが加味されていると思えるようになり、サラだからこそ出来たミッシェルではないかと考えられるようになったです。
さてこのミッシェル、どう感じられましたか。
2曲目は、あの名盤”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”に収めれた、スィング・ジャズ・ティストのあの名曲。
洒落たアレンジで軽快なスィング感一杯の、この演奏をお楽しみください。
曲は”When I'm Sixty-Four”。
ギタリストでヴォーリストのJohn Pizzarelliの演奏です。
この演奏は彼の1998年の作品、その名もずばり”Meets the Beatles”収められているもの。
そのジャケットも、映像に出て来た通り、あのビートルズのアルバム”Meets the Beatles”を真似たもの。
このアルバム、その他”Can't Buy Me Love”や”Here Comes The Sun”、”Oh Darling”といった、ちょっとジャズにはなりそうもない曲も収められているのですが、そうした選曲でありながらそれがスィング・ジャズ風に違和感なく仕上げている。
ピザレりのギターの小気味良さもあいまって、ジャズを知らない人でも十分楽しめる、粋な作品だと思います。
今日の最後は、以前記事で取り上げた作品”Strawberry Fields by Blue Note Record”(記事はこちら→ http://hmoyaji.blog.so-net.ne.jp/2009-10-25)から、2曲。
プリンスやスティングのアルバムをプロデュースした名プロデューサーBob Beldenが、Blue Noteレコードの歌姫達を動員して、それぞれにBeatlesの曲を歌わせたこのアルバム、以前いに書いた記事では、当代きっての女性ジャズ・ヴォーカリストのCassandra WilsonとDianne Reeves の二人が歌う”Come Together ”を掲載いたしましたが、今回は、また味わいの違う 二人の女性ヴォーカリストの歌唱を紹介したいと思います。
まず最初は、カナダの女性ジャズ・ヴォーカリストのHolly Cole 。
その可憐な歌声で歌う、この曲などいかがでしょうか。
ビートルズ1966年の作品”Revolver”の収められていた曲”I'm Only Sleeping”です。
ビートルズの演奏もどこか眠たげな感じがしましたが、ホリーの歌唱はそれ増して眠たげ。
聴き手の方にも、いつの間にかその眠気が伝わってくる。
子守唄のような安らぎを覚える歌声、なんとも言えない響きがありますね。
そして今日のトリは。
多くの名曲を残した、ビートルズ。
叶うことなら、もう一度、今の世に帰って来てもらいたい。
そんな願い込めて、”Get Back”を聴いてみることにいたしました。
歌うは Jahlisa。
この人、ほとんど知られていない人のようで、私もこのアルバムで初めて知ったのですけど、その歌唱力は相当なもの。
そのパワーフルなヴォーカルで聴き手をぐいぐい引っ張って行く、オリジナル以上の力強さを感じます。
そして間奏のピアノは、日本を代表するピアニストの大西順子さん。
この人のピアノ、常々男性以上の力強さと強烈なインパクトがあるのを感じることしばしなのですが、ここでのソロはさらに刺激的、Junkoのベスト・プレーの一つと言ってもけして過言ではない迫力を感じます。
以上4曲、ビートルズの素晴らしさを、再認識するとともに、ジャズの面白さ堪能していただけたでしょうか。
やはり、ビートルズ、歌が入ると一段と栄えますね。
実はこのお話、前回で一旦終えるつもりだったのですけど、いつもに比べアクセスが多い、これはさすがBeatles、と感心しつつ、ちょっと悪乗りという感もしたのですが、ならば、おまけにもう一つ行ってみようかということで再びBeatles、続けて筆をとってみることにしてみました。
そこで今回のテーマは、と考えてみれば前回までご紹介した演奏はすべて器楽による演奏ばかり、だけど、Beatlesと言えば歌詞がある、となれば、次はやはり歌ものを取り上げるべきでは。
ということで、今回のJazzで聴くBeatles は、ジャズ・ヴォ-カル編。
ただ、ヴォーカルと言っても、そこは自分独自のサウンドを重んじるJazzのこと、みな一筋縄ではいかない何かがある。
ビートルズの曲を素材にしながら、自分の個性を込めて高らかに歌い上げ、また違ったビートルズのサウンド世界を生み出しているのです。
今日は、そんなジャズ・ヴォーカルの魅力を、聴き親しんだビートルズの名曲で楽しんでもらえればと思います。
それでは最初の曲。
ビートルズの曲、ジャズの世界では、1960年代の半ばにはジャズ・ヴォーカリストによって取り上げられ歌われているのですが、中でも有名なのが、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家と言われるこの人の歌唱。
まずは、その曲から始めてみることにいたしましょう。
Sarah Vaughanの歌唱による、”Michelle”
彼女の1966年の作品、”The New Scene”に収められいる演奏です。
私がこのミッシェル、初めてサラの歌唱で聴いたのは、その昔、バイト先で見つけた”A Lover's Concerto"のシングル盤、このシングルのB面がそのミッシェルであったことからだったのですが、まだビートルズの演奏の余韻が強かった時代、私もジャズもまだ聴き始めたばかりということもあって、その演奏、最初はどうも馴染めないでいたのです。
その印象が変わったのは、それからだいぶ経ってからのこと。
それは、日本公演のステージで生のサラを聴いた時のこと、彼女のオペラ歌手並みの声量と、どんな歌でもサラ流にしてしまいながら、尚且つ強力な説得力を持って迫ってくる、そのヴォーカル・テクニックのもの凄さに圧倒されてからのことでした。
以来このミッシェルの歌唱、その時と同様サラ流が貫かれ、そこにブルー・ティストが加味されていると思えるようになり、サラだからこそ出来たミッシェルではないかと考えられるようになったです。
さてこのミッシェル、どう感じられましたか。
2曲目は、あの名盤”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”に収めれた、スィング・ジャズ・ティストのあの名曲。
洒落たアレンジで軽快なスィング感一杯の、この演奏をお楽しみください。
曲は”When I'm Sixty-Four”。
ギタリストでヴォーリストのJohn Pizzarelliの演奏です。
この演奏は彼の1998年の作品、その名もずばり”Meets the Beatles”収められているもの。
そのジャケットも、映像に出て来た通り、あのビートルズのアルバム”Meets the Beatles”を真似たもの。
このアルバム、その他”Can't Buy Me Love”や”Here Comes The Sun”、”Oh Darling”といった、ちょっとジャズにはなりそうもない曲も収められているのですが、そうした選曲でありながらそれがスィング・ジャズ風に違和感なく仕上げている。
ピザレりのギターの小気味良さもあいまって、ジャズを知らない人でも十分楽しめる、粋な作品だと思います。
今日の最後は、以前記事で取り上げた作品”Strawberry Fields by Blue Note Record”(記事はこちら→ http://hmoyaji.blog.so-net.ne.jp/2009-10-25)から、2曲。
プリンスやスティングのアルバムをプロデュースした名プロデューサーBob Beldenが、Blue Noteレコードの歌姫達を動員して、それぞれにBeatlesの曲を歌わせたこのアルバム、以前いに書いた記事では、当代きっての女性ジャズ・ヴォーカリストのCassandra WilsonとDianne Reeves の二人が歌う”Come Together ”を掲載いたしましたが、今回は、また味わいの違う 二人の女性ヴォーカリストの歌唱を紹介したいと思います。
まず最初は、カナダの女性ジャズ・ヴォーカリストのHolly Cole 。
その可憐な歌声で歌う、この曲などいかがでしょうか。
ビートルズ1966年の作品”Revolver”の収められていた曲”I'm Only Sleeping”です。
ビートルズの演奏もどこか眠たげな感じがしましたが、ホリーの歌唱はそれ増して眠たげ。
聴き手の方にも、いつの間にかその眠気が伝わってくる。
子守唄のような安らぎを覚える歌声、なんとも言えない響きがありますね。
そして今日のトリは。
多くの名曲を残した、ビートルズ。
叶うことなら、もう一度、今の世に帰って来てもらいたい。
そんな願い込めて、”Get Back”を聴いてみることにいたしました。
歌うは Jahlisa。
この人、ほとんど知られていない人のようで、私もこのアルバムで初めて知ったのですけど、その歌唱力は相当なもの。
そのパワーフルなヴォーカルで聴き手をぐいぐい引っ張って行く、オリジナル以上の力強さを感じます。
そして間奏のピアノは、日本を代表するピアニストの大西順子さん。
この人のピアノ、常々男性以上の力強さと強烈なインパクトがあるのを感じることしばしなのですが、ここでのソロはさらに刺激的、Junkoのベスト・プレーの一つと言ってもけして過言ではない迫力を感じます。
以上4曲、ビートルズの素晴らしさを、再認識するとともに、ジャズの面白さ堪能していただけたでしょうか。
やはり、ビートルズ、歌が入ると一段と栄えますね。
老年蛇銘多親父さま今晩は。ジャズの面白さを堪能させていただきました。ジャズはアレンジが自由で、カッコいいですね。特にGet Backに痺れました。
by yuzman1953 (2013-03-26 01:42)
サラ・ヴォーンのミッシェル良いじゃないですか!。
ジャズのスタンダードナンバーとか、ストリングスを交えたバックがオーケストラのアルバム等は、何か当たり前すぎて・・・。
最近、刺激になるのは意外性ですね。アレンジも素敵です。
by ミスカラス (2013-03-26 19:57)
yuzman1953さん
ジャズの面白さを堪能していただけて幸いです。
特にこのGet Back、ソウルフルで原曲以上にパワーがある。
私もこの演奏、今でも痺れまくっています。
by 老年蛇銘多親父 (2013-03-30 07:02)
ミスカラスさん
ストリングスを交えたバックがオーケストラのアルバム、ビートルズの美しいメロディには、本当に当たり前すぎて面白くないですよね。
これをやるなら、ローリング・ストーンズの方が面白い。
それにしても、サラのミッシェル、何とも言えない味があって、忘れたころにまた聴きたくなってしまいます。
そうそう、今度はストーンズの曲を取り上げてみましょうかね。
by 老年蛇銘多親父 (2013-03-30 07:15)