本日の作品 vol.7 Chase:追跡 [デジタル化格闘記]



ウディハーマン楽団のリード・トランペッターだったBill Chaseが、Beatlesを聞いてRockに興味を持ち、1971年に発表したのがこの作品です。
60年代後半、Rockも従来のギター ベース ドラムを主軸とした楽器編成から、キーボードやホーンセクション加えたグループが多く誕生し、ホーンセクションをオリジナルメンバーとして置いたグループとしては、Blood,Sweat & Tears、Chicagoが、人気をはくすようになっていました。
それ以前にも、ホーンを加えたセッションがなかったわけではありませんが、あくまで伴奏の域をでることはなく、彼らのようにホーンが前面にでてソロをとったり、クラシック、ジャズの要素に取り入れ、厚みのあるアレンジで聴かせる音楽は、当時大変目新しいもので、ブラスロック呼ばれていました

さて、このChaseですがこのグループの最大の特徴は、ホーンセクションがトランペット4本だけという編成にあります。通常ブラスロックグループのホーンセクションは、トランペット、サックス、トロンボーンの高、中、低域で構成されてますが、Chaseは、高域だけ、Chase以前にも、また以降にも、このような編成のグループはないという非常に珍しいものなのです。


                       Bill Chase

曲目
1.Open Up Wide
2.Livun'In Heart ジョージアの夏
3.Hello Groceries いかした女
4.Handbags And Gradrags ハンドバッグと正装
5.Get It On 黒い炎
6.Boys And Girls Together
7.Invitaion To A River 組曲「炎の流れ」
a.Two Minds Meet
b.Stay
c.Reflections
d.River

5の”黒い炎”は、本当にヒットしましたね。日本でもテレビのベスト10番組に登場したりして。和田アキ子さんが歌っていたのを何故か覚えています。

1の”Open Up Wide”とか5の”黒い炎”.のイントロとかエンディングは、今でもCMとかバライティー番組を見ていると、突如、聴こえて来ることがあります?

最初このバンドを知った時、トランペットだけのホーンセクションということで、音の幅がなくギラギラなサウンドとなりとても聴けたものではないとも思っていたのですが、それは杞憂に終わることに。

ソリッドで、トランペット同士が掛け合いを続ける(まさに追跡)緊張の時間が駆巡る、凄い世界、こうしたサウンド、もう出会うことはないかもしれません。



最後の組曲「炎流れ」は圧感です。Terry Richardsのヴォーカルも素晴らしい。フュージョン、HMなんてジャンルのない時代のお話です。
今、若い人達がこれを聞いたら、これJazzじゃん、とか フュージョンだよねとか言うと思いますが、じじいは、今の身の廻りのことだけではなく、その時々の音楽を体で味わい、その時代を学なびつつその音楽に接して欲しいと、いつも溜息をもらしています。


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ブラックアビブ (旧名 本物ホネツギマン)

こんばんは[嬉しい顔]
チェイス懐かしいですね。ビル・チェイスってウディ・ハーマン楽団の出身だったんですね。
カナダにライトハウスというブラス・ロックのバンドもいましたね。友達がLP持っていました。
by ブラックアビブ (旧名 本物ホネツギマン) (2009-04-25 22:39) 

老年蛇銘多親父

本物ホネツギマンさんご訪問ありがとうございます。
あの頃は、ブラスロックのグループが多く出てきました。今なら、フュージョンの部類なのでしょうが。
このブラスロックのグループから、現在も活躍している超一流ミュージシャンが多く出ているんです。
トランペットのルー ソルフ、ランディ ブレッカー、サックスのマイケル ブレッカー、トロンボーンのデーブ バージェロン等。
皆、素晴らしいJazz作品を残しています。[晴れ]
by 老年蛇銘多親父 (2009-04-25 23:10) 

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