本日の作品;vol.64 Sonny Clark:Cool Struttin' [デジタル化格闘記]
先日書いたセロニアス・モンクの記事、心配した通りその特異なスタイルせいかどうも受けなかったようですが。
ということで、それにもめげず今回は、
昨年買ったジャズCD、ジャケットを見ていたら、なぜか美脚の絵柄のものが多いのに気付き、その美脚ジャケットの大元はと考え、思いあたったのがこの作品
ジャズピアニスト Sonny Clark 1958年の作品”Cool Struttin'”です。
この作品、日本では、ジャズ喫茶の定盤とまでにもなっている人気傑作作品なのですが、当のアメリカでの評価は全くなしという作品なのです。
確かに聴いてみると快適なミディアムテンポのリズムに乗って、演奏されるマイナーな旋律は、いかにも日本人好味のものと感じます。
しかし、かといって当時全く無名であったクラークが、どうして日本だけのフィーバーとなったのか不思議ではありまんせんか。
それは、おそらくこの作品が、当時、日本で珍重されていたBlue Noteレコード制作であったことと、共演メンバーの強力な布陣から、このレコードに興味を持った人達が、その音楽を聴いてこの作品の良さを発見し、周囲に伝え広げていった結果が、日本だけのヒットを作り出したのではないかと考えています。
さて、ソニー・クラークというピアニスト、その彼のピアノについて評論家の油井正一氏が書いたものがありますが、大変、的を得たものと思いましたので、ちょっと引用してみることにしましょう。
「彼のピアノの特徴は、アドリブ・フレーズがとてもよく歌うこと、そしてその"歌"が基本的にはファンキーなのだが、黒人特有の土臭さというより、ある種のソフィスティケーション、アーバンなリリシズム持っている点にある。」
それでは、そんな彼のピアノプレーが光る、表題曲のCool Struttin'を聴いてみて下さい。
ニューヨークの舗道を、颯爽と歩く美しい女性の姿がこのジャケット写真と相まって見えてくるような演奏。
そして、そのメロディ、思わず歌詞をつけて歌いだしたくなるような、そんな雰囲気が漂っている。
そんな感じがしませんか。
本当によく歌うクラークのピアノも最高ですが、サポートメンバーの熱い演奏も聞き逃せない。
その強力サポートメンバー布陣を見てみると
Art Farmer(Trumpet), Jackie Mclean (Alto Sax), Paul Chambers(Bass), Philly Joe Jones(Drums)
50年代、イーストコートジャズを盛り上げた精鋭達が、ずらりと顔をそろえています。
フィリー・ジョーの軽快で、洒落たスティックさばきとチェンバースの太く男性的なトーンのベース、そのかっちりと決まったリズムに乗せて、クラークが歌いまくり、マクリーン、ファーマーもいつもに増してエネルギッシュに歌い上げている。
何度聴いても飽きることなく、また聴いてみたくなるような不思議な魅力を持った作品ではないかと思いますが、いかがですか。
Track listing
1.Cool Struttin'
2.Blue Minor
3.Sippin' at Bells
4.Deep Night
Personnel
Sonny Clark – piano
Art Farmer – trumpet
Jackie McLean – alto saxophone
Paul Chambers – bass
Philly Joe Jones – drums
Recorded January 5, 1958
Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
1963年わずか31才の若さで亡くなってしまったソニー・クラーク。
誰にも知られることなく埋もれてしまったかもしれない才能が、遠く離れた国、日本で見出されるきっかけとなったこの作品、これからも多くの人に味わってもらいたいものだと思います。
さて次回のジャズ談義、美脚のジャケット大公開としましょうか。
ということで、それにもめげず今回は、
昨年買ったジャズCD、ジャケットを見ていたら、なぜか美脚の絵柄のものが多いのに気付き、その美脚ジャケットの大元はと考え、思いあたったのがこの作品
ジャズピアニスト Sonny Clark 1958年の作品”Cool Struttin'”です。
この作品、日本では、ジャズ喫茶の定盤とまでにもなっている人気傑作作品なのですが、当のアメリカでの評価は全くなしという作品なのです。
確かに聴いてみると快適なミディアムテンポのリズムに乗って、演奏されるマイナーな旋律は、いかにも日本人好味のものと感じます。
しかし、かといって当時全く無名であったクラークが、どうして日本だけのフィーバーとなったのか不思議ではありまんせんか。
それは、おそらくこの作品が、当時、日本で珍重されていたBlue Noteレコード制作であったことと、共演メンバーの強力な布陣から、このレコードに興味を持った人達が、その音楽を聴いてこの作品の良さを発見し、周囲に伝え広げていった結果が、日本だけのヒットを作り出したのではないかと考えています。
さて、ソニー・クラークというピアニスト、その彼のピアノについて評論家の油井正一氏が書いたものがありますが、大変、的を得たものと思いましたので、ちょっと引用してみることにしましょう。
「彼のピアノの特徴は、アドリブ・フレーズがとてもよく歌うこと、そしてその"歌"が基本的にはファンキーなのだが、黒人特有の土臭さというより、ある種のソフィスティケーション、アーバンなリリシズム持っている点にある。」
それでは、そんな彼のピアノプレーが光る、表題曲のCool Struttin'を聴いてみて下さい。
ニューヨークの舗道を、颯爽と歩く美しい女性の姿がこのジャケット写真と相まって見えてくるような演奏。
そして、そのメロディ、思わず歌詞をつけて歌いだしたくなるような、そんな雰囲気が漂っている。
そんな感じがしませんか。
本当によく歌うクラークのピアノも最高ですが、サポートメンバーの熱い演奏も聞き逃せない。
その強力サポートメンバー布陣を見てみると
Art Farmer(Trumpet), Jackie Mclean (Alto Sax), Paul Chambers(Bass), Philly Joe Jones(Drums)
50年代、イーストコートジャズを盛り上げた精鋭達が、ずらりと顔をそろえています。
フィリー・ジョーの軽快で、洒落たスティックさばきとチェンバースの太く男性的なトーンのベース、そのかっちりと決まったリズムに乗せて、クラークが歌いまくり、マクリーン、ファーマーもいつもに増してエネルギッシュに歌い上げている。
何度聴いても飽きることなく、また聴いてみたくなるような不思議な魅力を持った作品ではないかと思いますが、いかがですか。
Track listing
1.Cool Struttin'
2.Blue Minor
3.Sippin' at Bells
4.Deep Night
Personnel
Sonny Clark – piano
Art Farmer – trumpet
Jackie McLean – alto saxophone
Paul Chambers – bass
Philly Joe Jones – drums
Recorded January 5, 1958
Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
1963年わずか31才の若さで亡くなってしまったソニー・クラーク。
誰にも知られることなく埋もれてしまったかもしれない才能が、遠く離れた国、日本で見出されるきっかけとなったこの作品、これからも多くの人に味わってもらいたいものだと思います。
さて次回のジャズ談義、美脚のジャケット大公開としましょうか。
2011-02-04 10:42
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コメント(10)
トラックバック(1)
アメリカの評価が低いとは知りませんでした。
大定番の一枚ですね[嬉しい顔]
by せいじ (2011-02-04 10:49)
聴いた事なかったけど[るんるん]このジャケよく見かけますね。
一丁買ってみようかな。[嬉しい顔]
by ブラックアビブ (旧名 本物ホネツギマン) (2011-02-04 17:53)
ジャケ買いした日本人が多くいたから?というのも
事実なんでしょうか?
BLUE NOTEのジャケットはおしゃれなのが多いですね。
うちにもありますよん[ムード]
http://playlog.jp/_images/blog/k/a/kanappe/m_200526819.jpg
そして、こんなのもあります。[ブティック][ぴかぴか]美脚
http://playlog.jp/_images/blog/k/a/kanappe/m_200841376.jpg
by かなっぺ (2011-02-05 00:20)
せいじさん[ハート]&コメントありがとうございます。
日本人ではマイナー調の演奏が好きですけど、アメリカ人には受けないですね。
アメリカで受けなかったジャズアーティストいえばマル・ウォルドンもそうでした。
この人もマイナー調でしたから。
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-06 17:36)
本物ホネツギマン[ハート]&コメントありがとうございます。
このジャケット目を引きますよね。[揺れるハート]
お気に召していただいて良かったと思います。[嬉しい顔]
絶対損をしない作品ですよ。[晴れ]
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-06 17:40)
かなっぺさん[ハート]&コメントありがとうございます。
かなっぺさんの家には、当然あるものと思っていました。[手(チョキ)]
Blue Noteのジャケット、そのジャケットを見ただけで中の音楽が聞こえ浮かんでくるようなものが多くて、それがまた魅力ですね。[複数のハート]
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-06 17:46)
ぷにょさん
ねこのめさん
ヒサさん
Katsu郎さん
takahさん
お母さん♪
みなさん[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-06 17:49)
こーいちさん[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-12 22:35)
このLPからJAZZにのめりこんだ人も多いのでしょうね。
僕もその一人ですが。
それにしてもソニークラークが31歳で亡くなっていたのは
初めて知りました。
天国で日本でのもてはやされぶりを知ってさぞ驚いている
ことでしょうね~
by tromboneimai (2012-09-22 07:46)
tromboneimaiさん
これだけジャズの魅力に溢れ、それを分かりやすく伝えてくれる演奏というのはそんなにないかもしれません。
この作品でジャズにのめりこんだとおしゃること、その気持ちよく分かります。
それにしてもこの記事、あらためて読んでみて、結構まっとうな事を書いていたなと、自分ながら感心してしまいました。(笑い)
クラーク氏、遠い異国の地でのこの作品のもてはやされよう、本当に天国で驚き喜んでいることでしょうね。
by 老年蛇銘多親父 (2012-09-24 04:59)