耐久王者への飛翔/Porsche908/2 [思い出の車たち]
思い出の車、やはり取り上げなければならないのは、Porsche。
日本のモータースポーツにとって、Poreshegaが及ぼしてきた影響は計り知れず大きなものがあり、思い出も多い車ばかり。
そのPorscheの中でいつの時代のものを選ぶか!
今回は60、70年代を脱出し、80年代あたりと思ってはみたものの、この時期のPorsche、既に耐久の王者として世界に君臨し数多くの挑戦を受けていた時。
それはそれで思い出深いものがあるのだが、やはり挑戦者であった時代、そして初のPorsche、世界王者の達成に焦点を当てたいということで、またしも60年代後半のこの車
Porsche908/2
Porsche908/2を取り上げることにしました。
1968年、それまで排気量無制限で争われていた、世界の耐久レースを舞台とした世界スポーツカー選手権のレギュレーションが変更され、年間25台以上生産のグループ4スポーツカークラスは5ℓ、グループ6プロトタイプカーは3ℓに排気量が制限されることになったのです。
それは、それまで高い信頼性を有しながら、2ℓ、2.2ℓという小排気量エンジンしか持たず、フォードやフェラーリの出場の前にはクラス優勝に留まっていたポルシェに、総合優勝の機会の訪れを意味するものであったのです。
そして68年シーズン初戦、デイトナ24時間レースで、Cd値 0.273まで空気抵抗を軽減したカウルに、65年から熟成してきた水平対向8気筒 2.2ℓ 270馬力エンジンを搭載したポルシェ907LHは、見事1-3位を独占することになるのです。
907 Daytona Win
しかしながら、対するフォードGT40の4.7ℓに対し、2.2ℓでは互角に走ると見えても力の差は大きすぎる。
ポルシェはレギュレーション改正後、急ピッチでの開発を進めていた3ℓエンジンを907のシャーシーに積み、新たに908と命名してモンツアにエントリーさせることになるのです。
DOHC 3ℓ 空冷水平対向8気筒エンジン
初エントリーの908、このモンツアではエンジントラブルのためフォードに敗退、続くニュルブルクリンク1000Kmで優勝するも熟成不足はゆがめず、5戦をフォードに奪われ、この68年シーズンはチャンピオンシップ2位の結果に終わることになります。
続く69年シーズン、プロトタイプカーの最低重量及びフロントウィンドシールドの面積制限撤廃という新レギュレーションを受け、スパイダーモデルの908/2が登場します。
この車、ルマンなどの長距離、高速コースはクローズドボディの908と、この年デビュー予定のスポーツーカークラス、4.5ℓの917に勝負を委ね、あくまでの中距離、テクニカルコース向け用のマシンとして開発されたものでした。
Porsche908クローズドボディ
エンジンは、3ℓ水平対向8気筒 350馬力を搭載し車重はクローズドボディが660kgに対し僅か600kg、空気抵抗はCd値0.506と悪化したものの、軽量軽快さを武器に、この年セブリング12時間、ルマンではフォードに優勝を奪われたものの、このスパイダー908/2で4勝、クローズドボディで2勝の計6勝を挙げ、ポルシェ初の世界マニファクチャー選手権のチャンピオンもたらすことになったのです。
そして、この年のセブリング12時間を、あのハリウッドの大スター、スティーブ マックィーンがこの908/2をドライブして2位に入賞、翌年のルマンでは、5ℓとなった917Kによりポルシェ初の総合優勝を飾り、71年の名画 栄光のルマン公開へと繋がっていく、
マックィーンドライブの908/2
その後の、耐久常勝ポルシェ王者伝説の最初の1ページを飾ることになった車、それがこの908/2だったのです。
PS:600kgの重量に350馬力、この908/2、いかに恐ろしい車であったかをちょっと。
現在、町で見かける大型トラック、このエンジンの出力が360馬力程度なのです。
ところが、その重量、空車時で9500kg、最大積載時で25000kg余りになります。
このことから、このPorsche908の凄まじい加速力が想像できるのではないかと思います。
日本のモータースポーツにとって、Poreshegaが及ぼしてきた影響は計り知れず大きなものがあり、思い出も多い車ばかり。
そのPorscheの中でいつの時代のものを選ぶか!
今回は60、70年代を脱出し、80年代あたりと思ってはみたものの、この時期のPorsche、既に耐久の王者として世界に君臨し数多くの挑戦を受けていた時。
それはそれで思い出深いものがあるのだが、やはり挑戦者であった時代、そして初のPorsche、世界王者の達成に焦点を当てたいということで、またしも60年代後半のこの車
Porsche908/2
Porsche908/2を取り上げることにしました。
1968年、それまで排気量無制限で争われていた、世界の耐久レースを舞台とした世界スポーツカー選手権のレギュレーションが変更され、年間25台以上生産のグループ4スポーツカークラスは5ℓ、グループ6プロトタイプカーは3ℓに排気量が制限されることになったのです。
それは、それまで高い信頼性を有しながら、2ℓ、2.2ℓという小排気量エンジンしか持たず、フォードやフェラーリの出場の前にはクラス優勝に留まっていたポルシェに、総合優勝の機会の訪れを意味するものであったのです。
そして68年シーズン初戦、デイトナ24時間レースで、Cd値 0.273まで空気抵抗を軽減したカウルに、65年から熟成してきた水平対向8気筒 2.2ℓ 270馬力エンジンを搭載したポルシェ907LHは、見事1-3位を独占することになるのです。
907 Daytona Win
しかしながら、対するフォードGT40の4.7ℓに対し、2.2ℓでは互角に走ると見えても力の差は大きすぎる。
ポルシェはレギュレーション改正後、急ピッチでの開発を進めていた3ℓエンジンを907のシャーシーに積み、新たに908と命名してモンツアにエントリーさせることになるのです。
DOHC 3ℓ 空冷水平対向8気筒エンジン
初エントリーの908、このモンツアではエンジントラブルのためフォードに敗退、続くニュルブルクリンク1000Kmで優勝するも熟成不足はゆがめず、5戦をフォードに奪われ、この68年シーズンはチャンピオンシップ2位の結果に終わることになります。
続く69年シーズン、プロトタイプカーの最低重量及びフロントウィンドシールドの面積制限撤廃という新レギュレーションを受け、スパイダーモデルの908/2が登場します。
この車、ルマンなどの長距離、高速コースはクローズドボディの908と、この年デビュー予定のスポーツーカークラス、4.5ℓの917に勝負を委ね、あくまでの中距離、テクニカルコース向け用のマシンとして開発されたものでした。
Porsche908クローズドボディ
エンジンは、3ℓ水平対向8気筒 350馬力を搭載し車重はクローズドボディが660kgに対し僅か600kg、空気抵抗はCd値0.506と悪化したものの、軽量軽快さを武器に、この年セブリング12時間、ルマンではフォードに優勝を奪われたものの、このスパイダー908/2で4勝、クローズドボディで2勝の計6勝を挙げ、ポルシェ初の世界マニファクチャー選手権のチャンピオンもたらすことになったのです。
そして、この年のセブリング12時間を、あのハリウッドの大スター、スティーブ マックィーンがこの908/2をドライブして2位に入賞、翌年のルマンでは、5ℓとなった917Kによりポルシェ初の総合優勝を飾り、71年の名画 栄光のルマン公開へと繋がっていく、
マックィーンドライブの908/2
その後の、耐久常勝ポルシェ王者伝説の最初の1ページを飾ることになった車、それがこの908/2だったのです。
PS:600kgの重量に350馬力、この908/2、いかに恐ろしい車であったかをちょっと。
現在、町で見かける大型トラック、このエンジンの出力が360馬力程度なのです。
ところが、その重量、空車時で9500kg、最大積載時で25000kg余りになります。
このことから、このPorsche908の凄まじい加速力が想像できるのではないかと思います。
2010-05-08 23:08
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コメント(6)
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マチャさん
JJ-1さん
akiyoshi_takeさん
ヒサさん
KSGYさん
[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2010-05-09 07:30)
物凄くシビアなアクセルワークでしょうね…
携帯で話ながら運転なんて(笑)
昔のポルシェ、乗ってみたい~
by river883R (2010-05-09 15:39)
river0306さん[ハート]&コメントありがとうございます。
この908/2、数あるポルシェの中でも最もコンペティクブな名車だと思うのですが、その後活躍した917の陰に隠れてしまって、忘れられている。[悲しい顔]
ネット検索で写真を探したのですが、数が少なく、上の記事の中のモノクロの写真は、私の書棚にあったものから引用したものです。
一度乗ってみたい、好きな車の一つです。[晴れ]
by 老年蛇銘多親父 (2010-05-09 17:53)
ジンジャー@欧州支部長さん
ねこのめさん
かなっぺさん
模範囚さん
[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2010-05-09 17:56)
river0306さん
こーいちさん
itukiさん
まるちゃんさん
[ハート]ありがとうございました。
ちなみに、まるちゃんさん、7000アクセス目の訪問者でした。
今後ともよろしくお願いいたします。[嬉しい顔]
by 老年蛇銘多親父 (2010-05-11 06:15)
∑ղoさん
bukubukuさん
ぽわぽわちゃん
[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2010-05-16 09:26)