Mountain・Nantucket Sleighride [音源発掘]

これまで、60年代のロックの名曲のいくつかをお話しさせていただき成長するロックの姿を聴いていただきましたが、60年代末期なると、そのロックにも大きな暗雲が襲って来ることになったのです。

それは、1968年のクリームの解散に始まり69年のビートルズの解散、70年秋には、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリンの相次訃報、そして71年には、ドアーズのジム・モリソンの死と、それまでロックの成長を支えてきた大物アーティストが次々と消えていってしまったこと、その事実から受けた衝撃は今も忘れることはできません。

そうしたロック界の偉大なる支柱的をすべて失ってしまったかのように思えた70年代の初めのこと、FMラジオを聞いていると「70年代ロックを背負う期待の新星」としゃべるDJの声が耳に入って来たのです。

そして、希望に満ちた気持ちで聴いた曲が、この曲でした[exclamation×2]



Leslie West(ギター)とあの伝説のバンド”クリーム”のプロデュサーだったFelix Pappalardi(ベース、ヴォーカル)の二人により結成されたバンド Mountain。
その彼らの2作目のアルバム”Nantucket Sleighride”に収められていた”Travelin' In The Dark”(邦題;暗黒への旅路)です。

当時、ベースのパパラルディが、クリームの作品において編曲も担当し、4人目のクリームと呼ばれていた事実を知らずにこの曲を聴いていたのですが、そのドラムにクリームのジンジャー・ベイカーに似たものを、またベースラインにジャック・ブルース的なものを感じ、これぞ70年代におけるクリームの再来と胸の高まりを感じたものでした。

そして、レズリー・ウェストの憂いを持った歪みのある独特なギターの音色が奏でる、滑らかでストレートなロック魂溢れるメロディと、それ包み込み厚みのあるサウンドの仕上げているパパラルディのベースが、さらに新しく独特な彼らの世界を築きあげていると思えたのでした。

Nantucket Sleighride.jpg


ところで、前作”Climbing”(邦題;勝利への登擧)に収められていた彼ら最初のヒット曲”Mississippi Queen”が、子供向けテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」の中でかなり使われていたのを、Wikiを読んで思い出した。
聴けば知っているという方もいらしゃると思うので、ちょっとその曲もご紹介いたしましょう。



さて、こうした脚光を浴びたMountainでしたが、この”Nantucket Sleighride”の以後、一枚のスタジオ作品制作した後、1972年にウェストとパパラルディの音楽路線の違いが大きくなってしたことにより、解散してしまいます。

しかしながら、その後に続くアメリカン・ヘビーメタルの祖として、グランド・ファンクと並び大きな影響を及ぼしたといわれいる点、このMountainは、けして忘れらることのできない存在なのではと思われるのです。


それでは、1974年一時再結成し来日のLive演奏から、彼らのLiveでは度々演奏し数々の名演を残した曲、Nantucket Sleighrideをお聴きいただき、往時の彼らの熱きサウンドを味わって頂きたいと思います。



Track listing
1."Don't Look Around" (West/Palmer/Pappalardi/Collins)
2."Taunta (Sammy's Tune)" (Pappalardi)
3."Nantucket Sleighride (To Owen Coffin)" (Pappalardi/Collins)
4."You Can't Get Away" (West/Collins/Laing) 君は俺のもの
5."Tired Angels (To J.M.H.)" (Pappalardi/Collins)
6."The Animal Trainer And The Toad" (West/Palmer)
7."My Lady" (Laing/Pappalardi/Collins)
8."Travellin' In The Dark (To E.M.P.)" (Pappalardi/Collins) 暗黒への旅路
9."The Great Train Robbery" (West/Laing/Pappalardi/Collins) 偉大なる列車強盗

Personnel
Leslie West - guitar, vocals
Felix Pappalardi - bass, rhythm guitar, piano, vocals
Corky Laing - drums, percussion
Steve Knight - organ, handbells

Recorded
late 1970






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コメント 7

snowman

初耳のバンドですが、余り泥臭くないハードロックって感じでいいですね^^
ポンキッキに使われるような曲調では無いと思いますが…^^;
by snowman (2011-08-28 02:38) 

老年蛇銘多親父

snowmanさん

「ポンキッキに使われるような曲調では無いと思いますが…^^; 」

そう思うしょ。
わたしも最初そう思って、よく聴き直してみると、その前奏の所が使われていたのに気付いた次第。(もしかすると、使われたのsnowmanさんの生まれる以前のことだったかもしれませんが)

初耳ということですけど、このバンド今聴いても結構新鮮でしょ。


by 老年蛇銘多親父 (2011-08-28 12:07) 

せいじ

EW&Fに「暗黒への挑戦」ってありましたね。
この頃、暗黒っていう言葉が流行っていたんでしょうか?

by せいじ (2011-08-28 22:25) 

老年蛇銘多親父

せいじさん

確かにEW&Fに「暗黒への挑戦」ってありますね。
ただ原題は”That's The Way Of The World”ですから、どうしてそうなったのか。

マウンテンの曲の原題は”Travelin' In The Dark”ですから、暗黒は分かるのですけど。

EW&Fに「暗黒への挑戦」もいいアルバムですね。まっ、固いこと言わずに楽しみましょう。
by 老年蛇銘多親父 (2011-08-31 05:49) 

老年蛇銘多親父

こさぴーさん
ぷにょさん
マチャさん
素老人さん
ねこのめさん
TAMAさん
りなみさん

niceありがとうございます。

by 老年蛇銘多親父 (2011-09-05 19:37) 

えい♪

’70年代初頭のアメリカからこんなにヘヴィーで
エモーショナルな音楽を作り出すバンドが出てきたとは
奇跡といってもよいくらい?
マイケル・シェンカーやメタリカのカーク・ハメットは
モロに影響を受けてますね。
今、気づいたのですが、ウィッシュボーン・アッシュの名曲
ウォリアーとこのトラベリン・イン・ザ・ダークって
曲調からテンポ、コーラス、ギター・ソロに至るまで
まるで瓜二つ!?
by えい♪ (2011-10-21 23:56) 

老年蛇銘多親父

えい♪ さん

ウォリアー確かにベースにトラベリン・イン・ザ・ダークがありそうですね。

揚げられたバンド意外にもボストンやカンサス、彼らのデビュー当時から感じてることですけど、マウンテン的なものがあるように思っていました。


by 老年蛇銘多親父 (2011-10-23 14:16) 

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