幼き日のトラウマから生まれた名曲;John Lennon;Plastic Ono Band・Imagine 本日の作品;vol.135  [デジタル化格闘記]

今年はどんな音楽を中心に聴いて行こうかということで、年初に、昨今疎遠にしていたBigアーティストの作品をきっちりと聴き直してみることにし、これまでジャズの巨匠 Charles Mingus、Max Roachと聴き進んで来たのですが、疎遠になっているBigアーティストは、ジャズの分野ばかりではなくロックの分野にもいるのだよなと、いうことで思い巡らし、思い当たったのが、このアーティストのこの作品。

若き日、徹底的に聴きまくり、サウンドの隅から隅までを記憶に刻んでしまったと思っていたそのメッセージ、再び今、聴き直してみると何を感じるのか。

手元にあるアナログ音源を持ち運び聴くため、早速デジタル化に着手、街で出会ういろいろな表情の下で聴き感じてみることにしたのです。


そのデジタル化した作品とは!!



John Lennon;Plastic Ono Band.jpg


John Lenon、1970年発表の”Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂)”

と..........、

John Lennon;Imagine.jpg



同じくLenon、1971発表の”Imagine”。

の、Beatles解散後に、立て続け発表された 初の2つのソロ作品。

この2つの作品、私は、それぞれ、過去への決別と模索と、その結果行きついた、これからの自分の生きる道を語った、対の作品のように思っているのですけど、今回は、その中で 1970年発表の”Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂)”を取り上げお話をしていこうと思います。


当時、Beatles末期に制作されたジョン、ポール、ジョージ、それぞれのソロ作品、その評価が、Beatles時代の彼らの作品を越えるものではいと言われていたのに対し、1970年発表のこの作品は、Beatles時代には見せることのなかった一人のアーティストの内面を赤裸々に告白をしたその内容が、多くの人々に対し、大きな衝撃を与えた共に、、John Lenonというアーティストの心根の奥深さ示し知らしめたものであったと受けとめられていたことが思い出されます。


そして”ジョンの魂”、その中でも当時、私が大きな衝撃を受けた曲が、この作品制作の直前に、幼き日のトラウマを断ち切ろうと受けていた、アメリカのアーサー・ヤノフ博士が提唱した精神療法である原初療法(Primal Therapy)の結果、生まれ出たと言われているこの名曲。


それでは、その原初療法の叫びから生まれた名曲、まずは、ライブで歌うジョンの姿をご覧にただくことから今日のお話を始めさせていただくことにいたしましょう。





曲は”Mother”。

原初療法(プライマル・セラピー)とは、原初(幼少期)に立ち返って、その時、表現出来なかった思いを、
しっかり表現し直すことが、その基本で、その時叫べなかった辛い感情を、改めて叫び直すことにより、心を浄化するという療法なのだそうなのですが、まさにその叫びを実践し歌にしたともいえるこの楽曲。

幼き日、両親の愛情に恵まれず伯母に育てられたという、John Lenon。
そのことを知らなくても、この曲を聴けば幸せ薄かった幼年時代のJohnの姿が見えて来る、凄味のある名曲だと思います。

そして、この作品、続けて他の楽曲をさらによく聴いて行くと、この叫びから辛かった過去と向き合う姿勢を取戻したJohnが、改め自分を見つめ直し、何かを求め模索し始めていった、そんな様子が次から次へと見えて来る作品であることが見えてくように思うのです。


それでは次に、そうしたJohnの様子が窺い知れると思われるこの歌、私も何かに行き詰った時、この歌を聴き再び元気づけられ、ぞの度、救われ壁を乗り越えて来た、その曲を聴いてみたいと思います。



曲は”Hold on John(邦題;しっかりジョン)”です。
シンプルかつ穏やかなサウンドながら、聴く者に力を与えてくれる、不思議な力を持った曲ではないかと思います。

風邪をひきながらも出張に明け暮れている今日この頃の私、今もこの曲を聴きながら押し寄せ来る仕事と格闘するそのパワーを得たところ。
もうしばらくの間は、この曲にお世話になってしまうことになりそうです。


さて、この”Hold on John(邦題;しっかりジョン)”、この曲を聴いていていつも思うのが、この曲とあたかも対であるように感じる曲”Look at Me(邦題:ぼくを見て)" こと。

John自身が、自分を励まし歌った”Hold on John(邦題;しっかりジョン)”、その結果到着したのが自己と向き合い何をすべきかと考える姿勢だった、そうした心の動きが表現の中に感じられるこの歌。

今度はそうした心の動き、この歌に耳を傾けてみることで感じ取ることにしたいと思います。



シンプルながらも不思議に心が癒される曲。
なんだかわからないけど、何か漠然とした手応えを感じるこの曲、そこに微かな安堵の調べを感じ、恐る恐るも前へ進まなければとういう気持ちが湧いて来る、そんなことを感じる曲のように思います。

”ジョンの魂”と言えば、"Mother"、”Love"や"God"といった曲が有名ですが、よく聴いてみると、それぞれの曲が関連し合い、この曲も地味ではあるもこの作品を語るうえで大きな意味を持っていた、そのことに気付かされる1曲ではと思います。


時おいて、この作品を聴いてみて、今までとはまた違った思いを感じられた、この作品、聴く者のその時々視点でいくつものメッセージを感じ得ることが出来る。
あの時代、キリストに代わる救世主の存在に見えたJohn Lennon、今思えば、この作品、現代の悩める人々の真理を語り諭した、普遍不朽のメッセージだったようにも思えます。


大忙しの私の3月、まだまだひと踏ん張り、ふた踏ん張りしなければ。
”Hold on John(邦題;しっかりジョン)”の歌を思い出しつつ、この難関、乗り切り抜けることが出来ればなと考えています。


Track listing
All songs written by John Lennon, except where noted.
1."Mother"
2."Hold On" しっかりジョン
3."I Found Out"  悟り
4."Working Class Hero"  労働者階級の英雄
5."Isolation"  孤独
6."Remember" 思い出すんだ
7."Love"
8."Well Well Well"
9."Look at Me"  ぼくを見て
10."God"  神
11."My Mummy's Dead" 母の死

Personnel
John Lennon – vocals, guitars, keyboards
Ringo Starr – drums
Klaus Voormann – bass

Additional musicians
Phil Spector – piano on "Love"
Billy Preston – piano on "God"
Yoko Ono – "wind"
Mal Evans – "tea and sympathy

Recorded
26 September – 23 October 1970


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