ソメイヨシノとBill Evansが合い歌う春の訪れ [音源発掘]

今年も昨年同様、例年に較べかなり早かったソメイヨシノの開花の訪れ。

私の子供達が小学校入学の時は、ちょうどその入学式の頃が花の見頃で、その桜の木の下で入学記念の写真を撮ったものだったはずなのに、この様子では入学式の頃は既に花は終わり若葉が勢いよく育ち始めていることだろうと、味気なさとほのかな寂しさを覚えながらもソメイヨシノが咲けば、春は全開!!

特に今年はコロナ禍の中、冬の寒さに合わせて極度の忍耐を強いられた冬であったことを思うとソメイヨシノが持たらす解放感に満ちた春の力は絶対的!!!
とか何とか言って、今もって不要な外出は避けるべきのご時世の中、仕事で出張の合間にちょっとならばと、はばかりながらも桜見物をすることに。

その様子がこちらの写真!!

DSC_5902m.jpg


茨城県土浦市にある土浦城 (別名;亀城(きじょう))の桜の様子。

そして、

IMG_5489-2 (1)..s.JPG


神奈川県秦野市の”はだのさくら道”の桜並木。
県下随一といわれる全長6.2㎞にもおよぶ花のトンネルが続くこの道を、走り抜けるのはなんとも気分爽快です。

DSC_5958 (1).s.JPG


こちらは、千葉県松戸市にある、最後の水戸藩主 徳川昭武が晩年を過ごした戸定邸公園の枝垂れ桜。
この地は、2月には梅、そして寒桜が咲き、この時期はソメイヨシノに加えてこの枝垂れ桜が咲く、花木の数は少ないものの、緑の中に季節の移ろいに従って次々に咲く花々のかすかな彩が興をそそる場所。

と、千葉県戻ったところで我家の周辺を散歩。
足を運んでみたのが、自衛隊習志野駐屯地の中にある空挺館。

DSC_5987-m.jpg


この洋館は、当時、駒場にあった旧陸軍の騎兵連隊の演習に行幸された天皇や皇族の迎賓館として1911年(明治44年)に建てられたもので、1916年(大正5年)に騎兵連隊がこの習志野の地n移転と共にこの地に移築され現在に至っている船橋市の大切な文化歴史遺産。

その歴史にの香りに導かれ行かなければの気持ちなり、訪れてみることになりました。


とまあ、ちょとのつもりが陽気の良さにも手伝って、あちらこちらへと歩き回ってしまうはめとなってしまったのですが、その気分をさらに増長してしまったのが、その行く先々で花を見ながら聴いていたミュージック。

私のような年寄りが、桜の香りに誘われてあちらこちらへと動き回るその活力の源を与えてくれたそのミュージックとは、ジャズの巨匠であるピアニストのBill Evansが、サックス奏者とともに歌っていた、春の喜びを湧き立たせる、ジャズ・ワルツの今やスタンダード・ナンバーともなってしまった名曲。

ここで耳を傾けていただければと思います。







アルトサックス奏者”Cannonball" AdderleyとEvansのコラボ作品、1961年制作の作品”Know What I Mean?”から、曲はBill Evans作曲の”Waltz for Debby ”でした。

豪放かつファンキーなプレイが印象が強い”Cannonball"ですが、ここではそれとは裏腹の端正なプレイに終始してEvans作曲の可憐なワルツ曲を優しく吹き上げている。

Evansがサイドマンとして参加している他の作品でもそうなのですが、どの作品もリーダーであるアーティストのカラーよりもEvansのカラーの方が強く前に出ているようにもの思え、”Cannonball"のこの作品でもそうした空気が、彼のサックスプレイにくつろぎのある好ましさをもたらしているかのように思えます。

さて、そうしたBill lEvansとサックス奏者の奏でるジャズ・ワルツ曲。
さらに1曲、私が花見の友として聴いていたのが、白人テナー・サックス奏者のStan Getzとの演奏。

そこで今度は、そのGetzとの演奏で、曲は1964年制作の作品”Stan Getz & Bill Evans”より”Grandfather's Waltz”、また耳を傾けていただければと思います。



”Cannonball"とは異なりGetzには、Evansとは同質のカラーが感じられ、1961年7月に突如の事故によりべーシストのScott LaFaroを失って以後のこの時期、自己のトリオの演奏では今一つの生彩を欠いていたEvansも、このGetzという存在を得てバランスのとれた心地良さを感じさせるプレーが印象にのこります。
”Cannonball"とはまた違った味わいのジャズ・ワルツ曲。
花見の場面場面に合わせ、選び聴いてみるのも面白いものでした。

と以上の2曲、いつもなら人々の賑わい中で心躍らせ花と集うことなれど、密を避けなければならないこのご時世、今年は、ジャズ・ワルツの調べに乗ってまた違った花の姿を体験 知ることが出来たような気がします。
そして、Bill Evansにもまた違った味わいを発見することに!!

私の一風変わったお花見の体験、いかかだったでしょうか。


-Know What I Mean?-
Track listing
1.Waltz for Debby (Bill Evans, Gene Lees)
2.Goodbye (Gordon Jenkins)
3.Who Cares? (Take 5) (George Gershwin, Ira Gershwin)
4.Venice (John Lewis)
5.Toy (Clifford Jordan)
6.Elsa (Earl Zindars)
7.Nancy (With the Laughing Face) (Phil Silvers, Jimmy Van Heusen)
8.Know What I Mean? (Re-take 7) (Evans)
9.Who Cares? (Take 4)
10.Know What I Mean? (Take 12)

Personnel
Cannonball Adderley - alto saxophone
Bill Evans - piano
Percy Heath - acoustic bass
Connie Kay - drums

Recorded
January 27, February 21, March 13, 1961
Bell Sound Studios, New York City


-Stan Getz & Bill Evans-
Track listing
1.Night and Day (Cole Porter)
2.But Beautiful (Johnny Burke, Jimmy Van Heusen)
3.Funkallero (Bill Evans) -
4.My Heart Stood Still (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
5.Melinda (Burton Lane, Alan Jay Lerner)
6.Grandfather's Waltz (Lasse Farnlof, Gene Lees)
Bonus tracks on CD
7.Carpetbagger's Theme (Elmer Bernstein)
8.WNEW (Theme Song) (Larry Green)
9.My Heart Stood Still [Alternate Take]
10.Grandfather's Waltz" [Alternate Take]
11.Night and Day" [Alternate Take]

Personnel
Stan Getz - tenor saxophone
Bill Evans - piano
Richard Davis - bass (tracks 4-6, 9 & 10)
Ron Carter - bass (tracks 1-3, 7, 8 & 11)
Elvin Jones - drum

Recorded
May 5, 1964 (#4-6, 9-10)
May 6, 1964 (#1-3, 7-8, 11)
Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey


nice!(17)  コメント(2) 
共通テーマ:PLAYLOG

nice! 17

コメント 2

mk1sp

桜の風景と軽快なジャズの音楽は、合いますね、
ウォークマン片手に花見したい気分になりました(^^♪
by mk1sp (2021-04-01 20:54) 

老年蛇銘多親父(HM-Oyaji)

mk1spさん

ウォークマン片手に花見したい気分になったとのこと。
お花見だけでなく町歩きや景勝地など巡るときなどに、あたり風景を見ながら歩いていると、その風景にいつもとは別の空気を感じたり、音楽にもまた違った味を発見したりして、結構面白いものです。
是非試してみてください。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2021-04-05 16:15) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント