本日の作品;vol.63 Steppenwolf;Live [デジタル化格闘記]

今回の作品は、60年代後半、ハードロックというスタイルがまだ珍しかった頃現れたカナダ出身のグループ、Steppenwolf。

作品は、彼らの代表作、1971年発表の”Live”を取り上げることにしました。

       

といってもこのグループ、その栄光は60年代後半。
70年代に入りニューロックの波が高まり、多くの新進気鋭のグループが誕生してくると次第にその影が薄くなっていった存在。

ということで、このグループ、記憶にないという方も多いかと思いますが......
そこで、この曲、ちょっと聴いてみて下さい。



1969年のアメリカ映画”イージー・ライダー”の主題曲、”Born To Be Wild”。

このリフ、どこかで聴いたことがあるでしょう。

この曲こそ、彼らをスターダムに導いた代表作。

後のローズ・タトゥーやスレーヤー等もカバーしているようなので、ご存知の方も多いかと思います。

この映画、当時アメリカのヒッピー文化を投影しつつ、アメリカの荒野を疾駆するチョッパー仕様の1965年型ハーレーダビットソンのカッコ良さが、大変魅力的だったことが思い出されます。

またこの映画、当時、ポップミュージックからアートへと台頭して来ていたロックを、挿入曲として大胆の取り入れ成功した最初期の作品で、このステッペンウルフの音楽の他にも、ジミ・ヘンドリックス、バーズ等の曲も使われていました。

       

この映画が公開された間もない頃、バイク少年だった私が、友人のところでボロボロ中古の250CCのバイクのオーバーホールを手伝ていると、そこにやって来た友人のH君。

そこで、彼が大事そうに取出したのがこの映画のサントラ盤だったのです。

そして、この映画を見たH君、映画の中で聴いたこのステッペン・ウルフのこの主題曲にいかれ、皆に聴かせたくてやって来たのだと興奮して喋りまくっているのです。

我々も、それではということで作業の手を休め、そのLPを皆で聴くことに。
最初の曲は、もちろん、”Born To Be Wild”。
 
さてそのサウンド、V型2気筒エンジンの鼓動を想起させるような、ギターのリフに続き、そのギターを包み込むように、地面蹴り進むタイヤのきしみにも似たオルガンの音が聞こえてくる。

そして次第に、皆でオーバーホール中のバイクもCB72が、元気を取り戻し、快調にチョッパーハーレーと並んで、アメリカの荒野を疾駆し始めたかのような、そんな気分になっていったのです。

当時のバイク仲間全員もそのサウンドに納得しつつ、さらにこのアルバムの全曲を聴いてみると、ステッペン・ウルフの演奏している2曲が、特に傑出していることに気付かされたのです。

その傑出したサウンドのもう1つの曲、挿入曲として使われた”The Pusher、”の、Live映像をご覧ください。



シンプルであるが野性的で切れのよいリズム、当時ロックに多く使われるようになったオルガンが、そのサウンドをさらに厚みのあるもの仕上げている。

そして、リーダーの John Kayのちょっと渋みががった伸びやかなヴォーカルが、そのサウンドの中で炸裂する。

それまで聴いたことのなかった新しいサウンド。
当時は、これこそニューロックだと感じたものでした。

このLiveアルバムは、1970年の初め、絶頂期のステッペン・ウルフの姿を捕えたもの。

ステッペン・ウルフの一連のヒット曲が収められ、60年代半ば以降著しい成長をとげたロックの魂を今に伝え聴くことができる作品、それがこのLiveではないかと思います。

       

曲目リスト
1 Sookie, Sookie
2 Don't Step on the Grass
3 Tighten up Your Wig
4 Monster
5 Draft Resister
6 Power Play
7 Corina, Corina
8 Twisted
9 From Here to There Eventually
10 Hey Lawdy Mama
11 Magic Carpet Ride
12 Pusher
13 Born to Be Wild

Steppenwolf
John Kay(vo,g), Goldy McJohn(key), Jerry Edmonton(ds),
Larry Byron(b), Nick St. Nicholas(g)

Produce by GabrielMekler

Recorded Early 1970


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コメント 8

kaz papa

ステッペン・ウルフの「ボーントゥビーワイルド」懐かしい。
10年前おじさんバンドでやりましたよ![嬉しい顔]
by kaz papa (2011-01-29 21:52) 

かなっぺ

この曲は知ってる~~[嬉しい顔][るんるん]
今でも、よく[TV]でバイクで走るシーンなどで
流れたりしますよね[るんるん][るんるん]
ハーレー、若者よりおじいちゃんに近い
親父さんライダーをよく見ます。
サイドカーとか付いてたりして[ダッシュ]
by かなっぺ (2011-01-30 01:39) 

老年蛇銘多親父

kaz papaさん[ハート]&コメントありがとうございます。

この当時の曲、この曲そうだけどGFRの”孤独の叫び”など、なにか自分たちで演奏したくなりますね。[揺れるハート]

そういえば、おじさんバンドがイーグルスの”呪われた夜”を演奏しているの聴いたことがありますが、この曲も結構おじさんバンドでやっても見栄えがいいなと思いました。
by 老年蛇銘多親父 (2011-01-31 12:53) 

老年蛇銘多親父

かなっぺさん[ハート]&コメントありがとうございます。

ハレーの乗り方は、ゆったりと風をに身をまかせながら旅をするもの。

そうした達観したイメージ、けして若者向きではないところがいいのです。

やりたいのだけど、お金がかかるので。[落胆した顔]
by 老年蛇銘多親父 (2011-01-31 12:58) 

老年蛇銘多親父

ぷにょさん
マチャさん
せいじさん
JJ-1さん
ヒサさん
ジンジャー@欧州支部長さん
ねこのめさん
itukiさん
ぽわちゃん
Katsu郎さん

みなさん[ハート]ありがとうございます。

しばらく60年代ロックで行くつもりです。
お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
by 老年蛇銘多親父 (2011-01-31 21:59) 

老年蛇銘多親父

こーいちさん[ハート]ありがとうございます。
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-12 05:43) 

ituki

また聴きに来ました^^;
ほんとカッコいい曲ですよね~[るんるん]
よく聴く曲なのに ステッペン・ウルフのバンド名は初めて聞きました
60年代なんて古さを感じませんね
下のライヴ ブルースロックって感じでしょうか?
こういう ゆったりロック大好きです^^[複数のハート]
by ituki (2011-02-26 00:23) 

老年蛇銘多親父

itukiさん、また聴きに来てくれたとは嬉しいですね。[嬉しい顔]

有名な曲なのに、誰の曲だか知らないという人多いと思います。

60年代後半から70年代初めのロック、多くのミュージシャン誰もが新しい音楽を作ろうと活動し、レコード会社もその実験的音楽を次々と世に紹介していった時期。

今から比べるとシンプルかもしれませんが、皆、個性に満ち、パワーに溢れていたように思います。[複数のハート]

時々TVのCMに使われるのも、レトロだけではないその曲のオーラがあるからなのではないかと思っています。[晴れ]
by 老年蛇銘多親父 (2011-02-26 10:03) 

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