2017年!印象に残った作品 Jazz編Vol.1 Renee Rosnes ”Written In The Rocks” [音源発掘]
今回は、久々となってしまっていた音楽記事。
実はそのこと、私こと8月に、これまでいた職場を離れ、新たな職場に移り、新たな職場での日々を過ごすようになったことから、諸事、その新しい環境に慣れ適応するのに四苦八苦の連続で、じっくりと音楽を楽しめるような状況になかったのが、その原因。
とは言うものの、今は、その苦難の始まりから3か月が過ぎたところで、ようやくその職場に馴染め、再び音楽を楽しめる平常心を取り戻せたというところ。
とは言っても、そうこうしているうちに2017年も早、11月。
となれば、今年出会った音楽の数々、その諸作品の中でも特に印象に残った作品について語っておかねばと思い、今回は、そのテーマで筆を進めることにいたしました。
さて、その第1回は、ジャズ作品の中から、今年手にしたお気に入りのピアノ・ジャズ作品を取り上げご紹介させていただくことにいたしました。
その、まずはの作品はこちら.......
カナダ出身の女流ジャズ・ピアニストRenee Rosnes 2015年の作品”Written In The Rocks”です。
1980年代の半ばに、60年代ポストColtraneを担う中堅のサックス奏者として注目された、Joe Henderson に見い出されジャズのメジャー・シーンに登場した彼女、その後はWayne Shorter 、JJ Johnsonなどジャズの歴史に大きな功績を残したアーティストの下で活動しながら、次第にその評価を高め、1990年に名門Blue Noteレコードと契約、初のフルデビュー作品”Renee Rosnes ”を発表、その存在を世に大きく知らしめることになったアーティストなのですが.........。
そうした評判を耳にしながら、私が、その彼女のピアノを聴く機会を得たのは、ちょうどそのデビュー作品が日本でもリリースされ、巷の評判になっていた1990年頃のこと、確か、Mind of Medicine Jazz Project のコンサートだったと思うのですが、彼女が、ドラマーのEd Thigpen 率いるYoung Men & Olds の一員と共に来日、その仲間に加わり演奏した、TVで放映されたそのライブ演奏を、偶然見てのことでした。
そこで見た彼女のプレイは、Bill Evans的タッチの端正さを宿しながらも、どこか女性らしい柔らかさと優しさを包含し、その美貌と相まって、いやそれ以上に独自の雰囲気を醸し出していた、その心地良く純良なサウンドにすっかり魅了されてしまったのでした。
といったところで、その純良な心地良さを感じたサウンド、少々長めですが、この2015年の様子を捉えたこのライブ映像で、とくと味わっていただくことにいたしましょう。
”Love For Sale”から始まり、”Chelsea Bridge”へと続き演奏されるスタンダード・ナンバーの数々。
どれも1950年代以降、多くのアーティストによって演奏されてきた名曲ばかりなのですが、それまで聴いてきたものとは、また異なった現代的なサウンド表情がどの曲に付加されていて、このあたりに彼女の編曲における優れた手腕が見て取れるように感じます。
しかし、2015年の ”Written In The Rocks”の紹介と言いながら、まずは、その作品には収められていないリラックス・ムード漂うライブ演奏から聴いていただいたその訳は...........................!
それは今回ご紹介するこの作品、全曲が彼女のオリジナル曲で構成されている作品ということ。
実は彼女、編曲のみならず作曲面でも優れた才能を発揮しているアーティストなのですが、その彼女のオリジナル曲は、私が知る限りどの曲も、かなり複雑なメロディ構成を持つ、ある意味現代音楽的趣向が施されえいるように思え、通常の思いでいきなり聴くと、取っ付き難さばかりが先行していしまい、彼女のアーティストとしてその良さを知る前に、聴くことを諦め、それ以上進むことに躊躇いを抱いてしまう恐れを感じたからなのです。
しかし、彼女の独特な感性から生まれる楽曲群、こうしたスタンダード曲の演奏で彼女のピアノ本質を感じた後で聴けば、容易に分かっていただけるのでは?
ということで、次の曲は彼女のオリジナル曲を収めたこの作品から、”Galapagos”を聴いていただこうと思います。
Joe Henderson の秘蔵子とも言われたRenee Rosnes。
今、Hendersonの履歴に残る演奏を時代を追って聴いてみると、Renee Rosnes と出会った80年代
前と後ではその音楽の幅大きく広がっていることに気付かされます。
そこにHenderson の秘蔵子として、彼が愛したその訳が見えて来るように思えてきます。
私も来年は、このRenee Rosnes 、その作品をさらに集めその良さを、さらに深め知るようにしたいと思いました。
さて、次は、同じく今年気に入りとしていた、もう一枚のジャズ・ピアノ作品から、Mulgrew Millerの作品、他楽器のプレヤーの作品を取り上げ語ることにしたいと思います。
Track Listing
All music composed by Renee Rosnes
1.The KT Boundary
2.Galapagos
3.So Simple a Beginning
4.Lucy From Afar
5.Written in the Rocks
6.Deep in the Blue (Tiktaalik)
7.Cambrian Explosion
8.From Here to a Star
9.Goodbye Mumbai
Personnel
Renee Rosnes (p)
Steve Nelson (vib)
Peter Washington (b)
Bill Stewart (ds)
Steve Wilson (fl,1,2&3, ss 1&7, as 6&9)
Recording Date
June 15, 2015 & June 16, 2015
実はそのこと、私こと8月に、これまでいた職場を離れ、新たな職場に移り、新たな職場での日々を過ごすようになったことから、諸事、その新しい環境に慣れ適応するのに四苦八苦の連続で、じっくりと音楽を楽しめるような状況になかったのが、その原因。
とは言うものの、今は、その苦難の始まりから3か月が過ぎたところで、ようやくその職場に馴染め、再び音楽を楽しめる平常心を取り戻せたというところ。
とは言っても、そうこうしているうちに2017年も早、11月。
となれば、今年出会った音楽の数々、その諸作品の中でも特に印象に残った作品について語っておかねばと思い、今回は、そのテーマで筆を進めることにいたしました。
さて、その第1回は、ジャズ作品の中から、今年手にしたお気に入りのピアノ・ジャズ作品を取り上げご紹介させていただくことにいたしました。
その、まずはの作品はこちら.......
カナダ出身の女流ジャズ・ピアニストRenee Rosnes 2015年の作品”Written In The Rocks”です。
1980年代の半ばに、60年代ポストColtraneを担う中堅のサックス奏者として注目された、Joe Henderson に見い出されジャズのメジャー・シーンに登場した彼女、その後はWayne Shorter 、JJ Johnsonなどジャズの歴史に大きな功績を残したアーティストの下で活動しながら、次第にその評価を高め、1990年に名門Blue Noteレコードと契約、初のフルデビュー作品”Renee Rosnes ”を発表、その存在を世に大きく知らしめることになったアーティストなのですが.........。
そうした評判を耳にしながら、私が、その彼女のピアノを聴く機会を得たのは、ちょうどそのデビュー作品が日本でもリリースされ、巷の評判になっていた1990年頃のこと、確か、Mind of Medicine Jazz Project のコンサートだったと思うのですが、彼女が、ドラマーのEd Thigpen 率いるYoung Men & Olds の一員と共に来日、その仲間に加わり演奏した、TVで放映されたそのライブ演奏を、偶然見てのことでした。
そこで見た彼女のプレイは、Bill Evans的タッチの端正さを宿しながらも、どこか女性らしい柔らかさと優しさを包含し、その美貌と相まって、いやそれ以上に独自の雰囲気を醸し出していた、その心地良く純良なサウンドにすっかり魅了されてしまったのでした。
といったところで、その純良な心地良さを感じたサウンド、少々長めですが、この2015年の様子を捉えたこのライブ映像で、とくと味わっていただくことにいたしましょう。
”Love For Sale”から始まり、”Chelsea Bridge”へと続き演奏されるスタンダード・ナンバーの数々。
どれも1950年代以降、多くのアーティストによって演奏されてきた名曲ばかりなのですが、それまで聴いてきたものとは、また異なった現代的なサウンド表情がどの曲に付加されていて、このあたりに彼女の編曲における優れた手腕が見て取れるように感じます。
しかし、2015年の ”Written In The Rocks”の紹介と言いながら、まずは、その作品には収められていないリラックス・ムード漂うライブ演奏から聴いていただいたその訳は...........................!
それは今回ご紹介するこの作品、全曲が彼女のオリジナル曲で構成されている作品ということ。
実は彼女、編曲のみならず作曲面でも優れた才能を発揮しているアーティストなのですが、その彼女のオリジナル曲は、私が知る限りどの曲も、かなり複雑なメロディ構成を持つ、ある意味現代音楽的趣向が施されえいるように思え、通常の思いでいきなり聴くと、取っ付き難さばかりが先行していしまい、彼女のアーティストとしてその良さを知る前に、聴くことを諦め、それ以上進むことに躊躇いを抱いてしまう恐れを感じたからなのです。
しかし、彼女の独特な感性から生まれる楽曲群、こうしたスタンダード曲の演奏で彼女のピアノ本質を感じた後で聴けば、容易に分かっていただけるのでは?
ということで、次の曲は彼女のオリジナル曲を収めたこの作品から、”Galapagos”を聴いていただこうと思います。
Joe Henderson の秘蔵子とも言われたRenee Rosnes。
今、Hendersonの履歴に残る演奏を時代を追って聴いてみると、Renee Rosnes と出会った80年代
前と後ではその音楽の幅大きく広がっていることに気付かされます。
そこにHenderson の秘蔵子として、彼が愛したその訳が見えて来るように思えてきます。
私も来年は、このRenee Rosnes 、その作品をさらに集めその良さを、さらに深め知るようにしたいと思いました。
さて、次は、同じく今年気に入りとしていた、もう一枚のジャズ・ピアノ作品から、Mulgrew Millerの作品、他楽器のプレヤーの作品を取り上げ語ることにしたいと思います。
Track Listing
All music composed by Renee Rosnes
1.The KT Boundary
2.Galapagos
3.So Simple a Beginning
4.Lucy From Afar
5.Written in the Rocks
6.Deep in the Blue (Tiktaalik)
7.Cambrian Explosion
8.From Here to a Star
9.Goodbye Mumbai
Personnel
Renee Rosnes (p)
Steve Nelson (vib)
Peter Washington (b)
Bill Stewart (ds)
Steve Wilson (fl,1,2&3, ss 1&7, as 6&9)
Recording Date
June 15, 2015 & June 16, 2015
この記事のジャズをBGMに妻と晩御飯を食べました。普段は録画した朝ドラを見ながら食事をしているのですが、今日はちょっとおしゃれなディナーになりました。
by yuzman1953 (2017-11-20 22:28)
yuzman1953さん
Renee Rosnesを聴きながら、ちょっとおしゃれなディナーを楽しんでいただけとは。
本当に、良かったです。
これも、やはり彼女のピアノが発する気品のなせる技というところなのでしょうかね。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-11-21 21:32)
聴いてびっくり、流石腕が良いですね。
初リーダー作で、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ブランフォード・マルサリスとやってますね。
クリスチャンマクブライド、ジャックディジョネットなどともやっているとは。
凄いです。
スタンダード入っている盤、買っちゃおうかと思ってます。
by ハンコック (2017-12-01 21:44)
ハンコックさん
Renee Rosnesの良さ知っていただけて嬉しく思います。
スタンダード曲の演奏だと、さらにその良さがよくわかるので、是非ともそちらの方も聴いていただきたいと思います、
ちなみに私は、最近は彼女の”Black Narcissus”をよく聴いています。
そして、それにあわせて以前より聴いていた、Niels-Henning Ørsted Pedersenの亡きKenny Drewを追悼した作品”Friends Forever: In Memory of Kenny Drew ”を引出し、彼女プレイを楽しんでいます。
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-12-02 14:25)
こんばんは。
昨日AmazonでBlack Narcissusを
ポチっとしてしまいました。
とても楽しみです。
by ハンコック (2017-12-02 18:04)
ハンコックさん
それはそれは......
是非とも聴いてみてください!!!!!!
by 老年蛇銘多親父(HM-Oyaji) (2017-12-02 20:12)