今年最初に出会った魅力のテナー・サウンド;川嶋哲郎・祈り [音源発掘]

1月の終りから続いているコロナによる巣ごもり生活。
しかし、ここまで明かりが見えないと、いざ解禁と言われてもロートルの身、このままでは果たして、すぐ体がついて来てくれるのか不安であるも、今回取り上げるは、巣ごもりの中で出会った私の心に元気をくれた作品。

川嶋哲郎 祈り.jpg


日本のテナー・サックス奏者 川嶋哲郎の”祈り”と致しました。


実は、この川嶋哲郎というアーティスト、私自身、彼のレコード・デビューとなった大坂昌彦&原朋直クインテットの1993年の作品”def”でそのプレイを聴きその名は知っていたものの、プレイ内容の記憶は印象希薄ですっかり忘れてしまっていたのですけど、昨年の終わりに、ヴァイオリニストの寺井尚子の作品”The Standard”を聴いていたところ、あまりホーン奏者が加えた編成による演奏を聴いたことがなかった彼女この作品から聴こえて来たサックスの良さにすっかり惚れ込んでてしまい、このサックスは誰かとメンバーを見てみたところ見つけたのがこの名前。

この人、こんなにいいサックス奏者だったけと思いながら、その経歴を調べてみると1999年に初のリーダー・アルバム”ETERNAL AFECTION”発表して以来、スイングジャーナル誌の人気投票で同誌が廃刊となる2010年まで日本人テナーサックス部門の首位の座にあり続けていたアーティストなのだとか。

そんな素晴らしいアーティスト今までなぜ今まで見逃していたのだろうと考えてみると、川嶋哲郎が台頭してきた時期、それは私にとって未知の部門での仕事の忙殺され音楽とはかなり縁遠くなっていた時期のこと。
しかし、なにはともあれ、年明け早々、遅ればせながらこうして出会えたのも何かの縁、それまでのブランクを埋めようと、まずは彼のレコード・デビュー作である”def”から聴き始め、

大坂昌彦&原朋直クインテット def.jpg


近年のリーダ作品を数作聴いてみて、今の心境にさもフィットしたのがこの2012年発表の作品がこの”祈り”だったという訳なのです。

さて、その、”祈り”一体どんな作品なのか。
この作品の全曲のを紹介ダイジェストした、こんなPVを見つけましたので、その一端、まずはご覧いただくことに致しましょう。





とまあこんな感じなのですけど!!

”def”での川嶋哲郎のプレイには、いい音を出しているも、時折顔を見せるWayne Shoter的な響きに自分の音を模索する初々しさを感じたのですけども、ここで聴かれた川嶋哲郎の音は、静かな祈りとほんのりとした温かみを感じさせる彼自身の歌の世界を生み出していた。


ジャズで祈りのサウンドというとJohn Coltraneのことが思い出されるのですが、ある種そこに相通じるものがあるのを感じるとはいえ、こちらの祈りは妄執を感じさせる強い精神世界ではというよりは、自然と共生し豊穣と安寧を祈る日本の神への世界の祈りという感じ。

私の知らない間に大きく変貌していたその姿、ジャズではあるけど、どこか和の心を感じさせるその音に、深く惹かれてしました。


とは言ってもダイジェストでは、その良さ、ちょっとわからないですよね。

そこで、今度はこの作品のからではありませんが川嶋哲郎のライブ映像がありましたので、そちらから続けて2曲お聴きいただき、川嶋哲郎のプレイをご堪能いただくことにしたい思います。






こんな素晴らしいアーティストをこれまで忘れていたなんて、それが一通り聴いて来ての今の感想。
今回は、こうして聴いて来たサウンドに、これからはどんな音楽も妙な拘りをもたずピュアな気持ちで接していかなければいけないなということを、深く考えさせられました。
そして、今年は、この川嶋哲郎さらに多くの作品に接し、また多くの日本人アーティストにも目を注いでいこうと思いました。


それにしても、今年の冬の雪。
高速道路が閉鎖、特急列車が運休となった北海道等、多くの非常事態を招いているという、

これも、数年前に知った、近年北極を回りに対流している厳しい寒気団の南下の現象が、さらに拡大、日本付近まで達して居座っているせいなのかと思ったり。

いずれにせよ、この厳しい寒さと衰えることないコロナ感染の猛威、老体の身にはにちょっと厳しいものがある。
もうしばらくは、不要の外出は控えめにして自己研鑽に励むことにしたいと思います。


Track List
1.SALVE REGINA
2. 組曲<月> 月の涙
3. 組曲<月> 月の祈り
4. 組曲<月> 月の鼓動
5. AVE MARIA (F.Schubert)
6. 組曲<陽> 夜明け
7. 組曲<陽> 目覚め
8. 組曲<陽> 祝福
9.LAMENTATION
10. AVE MARIA (G.Caccini)

Personnel
川嶋哲郎(ts,fl)
田窪寛之(p)
安田幸司(b)
長谷川ガク(ds)

Recorded
2012年7月25、26日
東京クレッセントスタジオ






IMG_6926kbbm.jpg


不要な外出は避けねばと言いながら、仕事柄どうしてもの外出はつきもの。
先日も、埼玉県川口の荒川べりのお客様のところに出かけたのですけど、川の堤防の上を歩き振り返ると、新幹線が走り抜ける鉄橋の向こうにくっきりと富士山が!!

やっぱり、家の中に居てばかりでは駄目ですね~

梅も開花したことだし、

DSC_6633km.jpg


もう少ししたら、活動再開としたいものです。



nice!(16)  コメント(0) 
共通テーマ:PLAYLOG

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント