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医学の日米交流を促進すべく催されたJazzの祭典☆ 本日の作品;vol.147 [デジタル化格闘記]

令和改元の日に偶然見つけた平成元年のジャズ・フェスティバルの映像に始まり、これまで昭和の終わりから平成の初めにかけて開催、TV放映された様々なジャズ・フェス関連の映像を4回に渡りご紹介してまいりましたが、5回目の今回は、再び1989年(平成元年)に戻って、5月の記事でご紹介したこの年のMt Fuji Jazz Festivalの翌月に日本武道館で開催された、Mind Medicine Jazz Festival〜face to face〜 の映像をご紹介したいと思います。

このジャズ・フェスティバル、これまでご紹介して来た当時催された数々のフェスティバルとは趣が異なってその母体は、日本が生んだ世界的医学者・野口英世博士の業績を記念し設立された米国財団法人野口英世医学研究所が、日米医学交流の促進を目的とした野口英世記念医療センタ-設立のため、その募金活動の一環として開催されたもの。

その呼びかけに参加したアーティストは、日本のMALTAを中心に、アメリカからManhattan Jazz QuintetとOscar Petersonトリオの一員として永きにわたりPetersonを支え続けて来たドラマーの Ed Thigpen率いるYoung Men & Olds、そして私がこのフェスティバルでそのプレイを見て以来、忘れられない存在となってしまった

Renee Rosnes SnapShot2m.jpg


この頃は新進気鋭の存在として頭角を現して来ていたピアニストのRenee Rosnesと、この時期、旬というべき存在だった面々の顔が並ぶ興味惹かれる豪華な布陣。


実を言うとこのビデオ、ここで見たRenee Rosnesのプレイを再び見たくてこれまで何度も探し続けてきたのですが見つからず、明けて令和を迎えた日に、巡り合わせ良く平成最初の年のMt Fuji Jazz Festivalのビデオを見つけることが出来たことから、これはもしかすると思い気を取り直して探したところ、これまでの苦労がなんだったのかと思えるほど簡単に目の前に転げ出て来たもの。
とっくに破棄してしまったと諦めてしまっていたものが出て来たこと、これも、令和の魔法のおかげとかなんとか私事をのたまいながら、恐る恐るこのビデオを鑑賞してみると、画像の状態も良く参加したメンバーのサウンドも想像以上の出来。

これは自分一人で楽しむものではないと思い、いつもの如く早速デジタル化作業に取り掛ることにしたのでした。


そうして、無事作業を終えたのが、こちらの映像。
まずは、私の敬愛する美貌のピアニスト、Renee Rosnesの演奏からご覧いただくことにいたしましょう。



女性らしいエレガントな佇まいと、透き通ったピアノの音色が心に染み入り体全体に広がって行くような心地良さを満喫した演奏、曲は、”I hear Rhapsody"でした。

さて、このフェスティバル参加の一組であったManhattan Jazz Quintet、実はこの時期のMJQは、このフェスティバルの少し前までChick Coreaのトリオで驚異のプレーを見せていたベースのJohn PatitucciとドラムのDave Wecklを新メンバーに加えたばかりの頃で、これが新メンバーによる日本初お目見えではなかったのかと思うのですけど、前回の”Tsumura Jazz”の記事で、1年後の演奏をご紹介したことでもあり、またPatitucci、Wecklの二人もこちらの演奏ではまだ加入したばかりとあってか、まだ固く、1年後のような自由奔放さはまだ見られない演奏だったためここでは割愛、それに代えて続いては、ジャズ・フェスならではの通常なら見られない顔合わせの演奏から、Renee RosnesのトリオとMJQのサックス奏者George Youngのコラボ演奏を、ご覧いただくことにしたいと思います。

ホーン奏者を加えてのRenee のまたトリオとは趣の違うその横顔、とくとご覧ください。






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昭和から平成のジャズ・フェス録画映像の中に残っていた、懐かしのCM映像☆ 本日の作品;vol.146 [デジタル化格闘記]

これまでの3回は、昭和から平成始めのジャズ・ライブの映像をご紹介してまいりましたが、今回は・・・・・・。

今ではこうしたジャズ・ライブの番組にお目にかかる機会は少なくなり、あっったとしてもNHKかWOW WOWというのが相場になってしまったように思うのですけど、実はこれまでご紹介して来た昭和の終わりから平成初めの映像の放映元はすべて民放からのもの。
このあたり、当時は容易にスポンサーがついたバブルの時代だったからということもあるのでしょうけど、民放というとやはりスポンサーありきということで放送に必ずついてくるのがCM。

実は、これまでご紹介して来た映像は、DVDもBDもない、まだアナログのビデオ時代に収録したものなので、当然民放の番組の収録とあってCMも録画されていて、それが現代のデジタルのように簡単にカット出来し再編集すれば映像の質の低下を招いてしまうことから、手を入れることもなくそのまま残していたのです。

ナベサダ KIRIN CM SnapShot.jpg


そうしたそれらのCM、今ではいつもCMなどさっさとカットしてしまいまともに見ることはない私ですが、しかし、それらの映像は皆アナログとあり、どうしても見ざるおえない状況から否応なし見るはめになってしまったところ、それらのCM、30年経った今見てみると、その時代背景を肌で感じれたり、またジャズ・フェスティバルのスポンサードならではの趣向があってなかなか興味深く面白いもの。、

という訳で、ジャズを楽しみながら見つけた印象に残ったCM、それらを選んでご紹介することにいたしました。


さて、これらジャズ・フェスティバルの放送のスポンサー、CMを見てみると中にはジャズとは無縁と思われる企業まで、実に多くの企業がCMを流していたことに驚かされるのですが、中でも目新しかったのは、この当時パーソナル分野にも広がりつつあった、コンピュター・メーカーのCM。

当時は最先端の感覚があったのですが、今見ると.................
一体どんなCMだったのか、まずはご覧いただきましょう。



浅香唯が登場する、沖電気のパソコンのCM。
今でこそ、沖電気のパソコンなんてどこにもありませんが、この当時NECや富士通以上にこの分野では評価の高い企業だったのですよ。

それにしても、初々しい浅香唯さんの姿が、今では陳腐となってしまった当時のパソコンのCMであったことを忘れさせ、色褪せることない魅力を放っています。


そしてお次は、
今では、ジャズ番組のスポンサーになるなんて、まずありえない企業のこんなCM。
どんな業種の企業が登場するのか、ちょと覗いてみて下さい。



東京証券のCMです。
ジャズの世界とはまったく別世界にある証券会社までもがスポンサーとなっている、バブルの時代ならでは感じさせる時代の一コマという感じです。

そう証券会社といえば、もう一つ。
バブル崩壊後、金融破綻の恐ろしさを国民に強く印象付けることとなったあの証券会社も、スポンサーとなっていたのです。



山一証券のCM。
後に、日本の経済を揺るがす大惨事を引き起こすことになる、そうした不安を微塵にも感じさせない、のどかかつ明日への希望さえ感じさせるCMですね。


さて、ジャズ・フェスとはかけ離れたCM映像ばかりをご覧に入れてきましたが、日本の企業は金儲けばかりに明け暮れる野暮な連中ばかりではない、日本の代表的ジャズ・アーティストを起用した、こんな粋なCMもありました。



日野皓正さんが登場するKIRINのCM。
1987年に放映されたものですが、この時期の日野さん、毎年山中湖の湖畔で開催されるMt.Fuji Jazz FestivalのTV収録では、演奏だけでなくインタビュアも務めるなど、共にかなり乗り乗りの様子丸見えで、このCMでもそうした様子が反映されなかなかの仕上がりとなっているように感じます。

そして、日野皓正さんが、登場なればこの人も.................. !!!





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昭和~平成!! 音楽の祭典 花盛り☆ 本日の作品;vol.145    [デジタル化格闘記]

ここまで、2回にわたり我家のビデオ・ライブラリーから発掘した平成始まりの頃のジャズのライブ映像をご紹介して来ましたが、今回も引き続きその発掘映像から。

1回目、2回目と結構お宝ともいえるLive映像を見つけることが出来、さらに柳の下には何かあるのではと続けていろいろあさってみたところ、気付かされたのは昭和の終わりから平成の初めに開催されていたジャズ・フェスティバルの数の多さ。

見つけ出したビデオを見てみると、その開催地は都市圏だけに及ばず、特に夏には高原や海浜などの全国のリゾート地など全国至る所で開催されていた状況が見えて来たのです。

今更ながらであはるものの、ずいぶん多くのジャズ・フェスが開かれていたのだなと驚き、あの時代の社会情勢を思い返してみると、時は日本全土が未曾有の好景気に湧いたバブルの時代。

音楽界もそうしたバブルの波に乗って全国津々浦々お祭り騒ぎが繰り広げられた結果、こうしたことになったのかなと考え、どこかにその残映が写っていないかと、もう一度それらフェスティバルの映像を見てみると、これこそ正にと思しきものを見つけたのです。



それがこの写真!!

Tsumura Summer Jazz '90 Stage View.jpg


いかがですか
見ていただき、このステージ、ちょと妙な所があるのわかりますか?





そう、ステージの両袖に設けられている大きな広告看板のようなもの!!
通常のライブでは、このようなものありませんよね。

そして、その看板、よく見てみると何かマークと”ツムラ”という文字が書かれています。
お察しの良い方は、もうお分かりかと思いますが、
これは...................、


バスクリンで有名な漢方薬品メーカーの”ツムラ”の社章と社名ロゴ。
それにしても、薬品メーカーとジャズ、あまり縁がなさそうな、ちょっとその結びつき、思い浮かないですよね。

そこで、その訳。
それは、この映像の中にあるのですけど.....



これは、1990年の夏に開催された、Tsumura Summer Jazzの、オープニングでの”ツムラ・イリュージョン・バンド”の演奏映像です。

さて、このバンドと”ツムラ”との関係、そのヒントは映像の中でのメンバー紹介にあるのですが、

そうです、紹介されたメンバーの一人、バンジョーを弾いていた方、
津村昭という名で紹介されていましたよね。

実はこの津村昭氏、”㈱ツムラ”の創業者一族の一人でこの時期の”㈱ツムラ”の3代目社長を勤めていた方なのです。

そこで調べてみると、
この頃の”㈱ツムラ”、多角化の一環としてフジサンケイグループが主催したサーカス等のイベントに協賛、「ツムライリュージョン」という名称で興行が行っていなっていたというのです。

そうしたことから、最初”ツムラ・イリュージョン・バンド”を名を見た時は「どうせ社長かなんかの道楽だろう!」とたかをくくってその演奏を見始めたのですが、見進んでいくうちに驚いたことにこのバンド、そこに参加しているアーティストの顔ぶれの凄さ!!!!
クラリネットの北村英治と藤家虹二、トロンボーン 薗田憲一、テナー・サックス 松本英彦、ピアノ 前田憲夫、ドラム ジョー川口等、当時の名高い日本の超一流どころが顔をそろえていたのです。

これだけのアーティストが一堂に会し一緒に演奏するなどというのは、なかなか珍しい出来事。

これは、かなりの本気モード、となれば津村氏のバンジョーもと思い、そちらにもじっど耳を傾け聴いてみると、これまたなかなかの腕前のよう。

となれば、この後に続く出演者の顔ぶれもかなり期待できそう、こうした多くのアーティスト集うフェスティバルでは、レコーディングや一人のアーティストの単独コンサートではお目にかかれない、珍しい顔合わせによる演奏が見れるものと、引き続き見て行くと。

そこで出会ったのがその珍しい顔合わせ、それもかなり珍しい貴重なもの。
それは、そのアーティストが好きで彼らのディスコグラフィを度々チェックしていた私も、ここで初めてこの二人が一緒に演奏をしているのを見、聴いたもの。

ということで、その超珍しい顔合わせによるピアノ・カルテットの演奏、引き続きご覧いただくことにいたしましょう。





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サウンドに革新をもたらした男、在りし日の熱きドラム・プレイ;Elvin Jones in Japan '91・本日の作品;vol.144   [デジタル化格闘記]

前回の記事でご紹介した、30年前のライブ映像。
思いのほか、状態も良く演奏も質もかなり良かったことから、ならば他にも何かあるかもしれないと、柳の下には、もうドジョウはいないかもと思いながら捨てる気でいたビデオ・テープの山を再度物色してみたのですが、もうないと思った柳の下から、また1本。

そのライブ映像さっそく視聴したところ、ほぼ同時期のヨーロッパでのLive音源はCD化されていいるものの、映像としては市販化されていないものようで、その上画質も演奏の質も良かったことから、再びデジタル化作業かかることにしたのです。


ところが、作業をを始めてしばらくして、ひょっこりと顔を擡げ出て来たのが、ここ数年沈静化していた持病の悪化。
当初は、これまでと症状が違っていたことから何の病かわからず、軽い夏風邪かな程度と思っていたのですが次第に発熱、とうとう高熱が続くようになり医者に通うもなかなか快方に向かわず、その原因突き止め適切な投薬開始となるまで結構時間がかかってしまい、10日間余り寝たきり状態となってしまったのです。

体質病なので、完治しても再発すると医者からは言われ気を付けているのですけどね、おかげで記事の更新もまた1ケ月ほど滞ってしまうことになってしまいました。



とは言いながらもなんとか床を離れられるまでに回復、そこで作業再開、そうしてデジタル化作業を終えた、その映像を、今回は、またひとつご紹介したいと思います。


そのプレイを捉えたアーティストは、現代ドラムの技法を大きく変え後進に多くな影響を及ぼしたドラマーのElvin Jones。

elvin jones.jpg


そして、この写真がドラムを叩くElvinの姿。
この迫力の面構え、これだけでもおのずから革新手的と言われた白熱の彼のドラム・プレーへの期待が湧いて来るのではないかと思います。

2004年に他界(享年76歳)してしまった彼ですけれど、Elvin Jonesといえば、60年代ジャズを革新を起こし、その後のジャズに大きな影響(ジャズをおかしくしてしまったという方もいらっしゃいますが)を残したジャズ史上にその名を深く刻まれたあの名高いJohn Coltraneの黄金のカルテットのメンバーとしてMcCoy Tyner(ピアノ)、Jimmy Garrison(ベース)共に、強烈なパワーで炸裂し続ける圧倒的なドラム・プレーで、その一翼を担い、新たなジャズの流れを築くに多い貢献したアーティストとして、その名を思い出す人が多いのではと思いますが、今回掲載した映像は、1966年、フリーの道に足を踏み入れだしたColtraneと、目指す音楽の方向性の違いから袂を別ったElvinが、その後独立、1980年代になって結成したグループ”JAZZ MACHINE” の1991年来日時の東京・青山Blue NoteでのLive。

そこで見るEllvinは、リーダーとして、Coltrane時代のようなひたすら他を圧倒するよう激しいプレーからは一歩身を引き、個々のメンバーの動きにも気を配りつつ彼らの主張も受け入れながらグループとして、その音楽の奥行きを築いて行くかのようにも見える、そのドラム・プレーが聴きどころと思えるもの。

まずは演奏をご覧いただく前に、在りし日のElvinがこの来日時に、その”JAZZ MACHINE”に訥々とその胸の内を語っているインタビュー映像がありましたので、このグループにかけた彼のその意気込み、そこから始めることにいたしましょう。



音楽という表現手法で、多くの人々との密な心の繋がりを築き、共にその音楽を深めていこうしている彼の姿勢が良くわかる映像だったのではと思います。

それにしても、前掲のElvinの写真で感じた彼の印象、実は、私もその昔初めてColtraneカルテットでプレイする彼のポートレイトを見た時は、随分恐ろしげな人とだという印象を受けたのですけど、このインタビュー見て、その言葉一つ一つに音楽に対する熱い情熱と、人を引き寄つけてやまない無限の暖かさが、そのシャイな表情の中から見えて来る、そのことに、私自身もあらためてElvinというアーティストの偉大さを知ることになったのです。

さて、この映像をご覧いただきElvinの音楽にかけるその意気込みを感じていただいたたところで、今度はその演奏映像、この辺で1曲ご覧いただきその真髄、味わっていただくことにいたしましょう。









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令和の曙に見つけた、平成のJazz・Live事始め (平成Live映像 発掘記) 本日の作品;vol.143  [デジタル化格闘記]

平成から令和への改元を迎え、多くの人が10連休の恩恵に預かった今年のゴールデン・ウィーク。

私も、中1日の出勤はあったものの、珍しく9日間の休みをとることが出来たのですが、仕事柄、元来、平日に数日間の休みを取らなければならなく身、そうしたことから、こうした時期、どこへ行っても人ばかりでわざわざ疲れに行くようなもの、こんな時あえて人ごみの中に出掛けることはない、また人の少ない平日に行けばいいと、実家に行き、亡くなった父の遺品の片付けをすることにしたのです。

そうしたところ、出て来たのが古いVHSビデオテープ・デッキ。
ちゃんと動くのかと状態を見たところ、どうやら問題はなさそう、我が家のデッキは壊れてしまったしということで、家に持ち帰りさっそく、我が家のAV機器と接続、仕舞ってあったビデオ・テープの中から手に触れたものを内容も確認せずに取り出し視聴したところ、綺麗に再生できたことに一安心、ところが、そのビデオの収められていた映像、それを良く見てみたところ、そこに収録されていた内容にビックリ!!

なんと、それは、当時富士山の麓にある山中湖の湖畔で毎年8月に行われていたマウント・富士 ジャズフェステバル、それの1989年(平成元年)開催の映像だったのです。

このフェスティバル、1986年に始まり、ジャズの名門レコード・レーベルBlue Noteレコードに所縁のアーティストによるジャズの祭典として2004年まで続いていたものなのですが、よりにもよって平成から令和に変わったばかりの5月の1日に今から30年も前の平成元年の映像が出てくるとなんて!!!。

ましては、1989年のこのフェスティバルは、Blue Noteレコード創業50周年を記念するとういう一つ時代の区切りなるものだったというのです。

改元の偶然だけでなくジャズ史の面からも貴重と思えるこの代物との唐突ともいえるその出会いに、ただの奇遇とは言い切れない何か運命的必然性が宿っているように思え、これは何としてデジタル化し残さねばならないと、それまでやっていた自宅に持ち込んだ荷物の片付けもそっちのけにして、さっそくその作業にかかることにしたのです。

mt fuji jazz festival 89.jpg


そして作業完了、大いなる期待を胸に視聴してまず感じたのは、このフェスティバルに出演したアーティストの顔ぶれの豪華絢爛さ。
Chick CoreaやGeorge Adams、Ralph Peterson等といった、ちょうどこの時期に制作したスタジオ・レコーディング作品が高い評価を受け、時代の潮流として活躍脚光を浴びていたアーティストの面々が日本の誇る美しい富士山麓の自然の下に、集結したと言ってもいいほどの凄さ。

忙しくスケジュールを合せることがかなり難しいと思われる面々が万障繰り合わせ、遠く離れたこの極東の地に集結していたということにまず驚き、ここで彼等がいかなるプレーを繰り広げたのかそのことに大いに興味をそそられて、全編を腰を据えこの30年前の饗宴の鑑賞することにしたのです。

そして視聴の結果は!!
さすが名だたるアーティストの饗宴、レコード・CDには残されていないアーティストの顔合わせによる演奏やこのフェスティバルでの再会を喜ぶその様子などが見られるなどその内容の豊富さ、そして演奏自体の質の高さに釘付けの状態となり、あっという間の2時間を過ごすことになってしまったのでした。

とにかく、どのアーティストの演奏も、この時期高い評価を受けていたスタジオ作品の出来を凌ぐ良質なものだったと感じたのがその感想、これは一人だけで楽しむだけではもったいない。

やはり、これは多くの人に見ていただかねばと考え、デジタル化作業に加え今回はそのLive映像の一部をUpすることいたしました。


最初の演奏は、親日家でも知られ、このフェスティバルにも、1989年までに開催された4回のうち3回に来日出演をしていた、40年の長き渡りジャズを牽引し多くの有能プレヤーを世に送り出してきたジャズ界の大御所的存在となっていたドラマーのArt Bleakyの演奏から、ご覧いたくことにいたしましょう。
 
曲は、Bleakyといえば”Mornin'”思い浮かべる方も多いかと思いますけど、フェスティバルと言えば欠かせない、それに並ぶ彼の名曲!!

”Blues March”からお聴きいただくことにいたしましょう。











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北欧の地に降臨した熱きバップの息吹;Jackie McLean ・The Meeting 本日の作品;vol.142  [デジタル化格闘記]

桜は満開を迎えたというのに、また冬に戻ったのではと思われる寒さに襲われることもあった今年の4月(卯月)。
おかげで例年なら、その見ごろ儚く短いもので、日々日常に追われ気付いたときには既に散ってしまっていたという思いのある桜の花も、今年は長い間、花を散らすこともなく、春の幕明けを彩り我々の目を楽しませてくれたものでしたが、そうしたこと思い出しながら今を見つめてみると、早いもので月はまもなく5月。

特に今年4月は平成も終わりの月ということなのか、この時期に来てようやく陽気の方も落ち着きみせ始め、暖かな陽射しが降り注ぐ日々が毎日続くようになった昨今、こうした情勢が訪れると、どういう訳か聴く音楽の方も元気でパワフルなものが欲しくなってくるもの。

そこで今回は、3月に紹介したKenny Drew作品を聴きながら記事をしたためた時に脳裏をかすめた、もう少し暖かくなってから聴いたなら、あらためてその良さの神髄がわかるのではと感じた、 Drewが参加したこんな作品を選ぶことにしてみました。

jackie mclean dexter gordon the meeting.jpg


それがこれ!!
アルトサックス奏者 Jackie McLeanの1973年の作品”The Meeting ”です。


本作は、1940年代末期に登場、Miles Davis、Charles Mingus、Sonny Clark、Mal Waldron等、50年代を代表するアーティストと共演、その彼等と共にこの時代を代表する数々の名作に数々の足跡を残してきた50年代を代表するアルト。サックスプレーヤーのJackie McLeanが、1968年に一旦活動を休止した後、72年にカム・バックを果たした直後のデンマーク、コペルハーゲンにあるクラブ モンマルトルでのライブでの彼のプレーを収めたもの。
相対するメンバーとして、一足早く欧州に渡り新境地を切り開き、当時脂の乗り切ったプレーを展開していたバップ期を代表するテナーサックス・プレーヤーのDexter Gordonや、そのGordon同じく60年代にアメリカより欧州に渡り在住、このライブの行われたデンマークはコペルハーゲンにあるクラブ モンマルトルのハウス・ピアニスト的存在になっていたKenny Drew、そしてその相棒であるデンマーク出身のベーシストNiels-Henning Ørsted Pedersen等、最良のメンバーに囲まれて、なんら縛られることのない欧州の空気の中で思う存分自分たちのジャズ、華やかなりし往年バップを歌った作品がこれなのです。

といいながらこの私、そもそもこの作品を手に入れたのは、McLeanやGordonのプレーが目当てではなく、コペルハーゲンに移ってからDrewのピアノが聴きたかったためで、しかしながらその当時は、サックスが2本フロントを飾る編成のサウンドはあまり好みではなくむしろ苦手としていたことから、Drewのピアノは聴き良いなあと思ったものの、演奏の大半を占めるサックスのプレーが小うるさく感じられてしまい、この作品、その後はとうとうじっくりと聴かずじまいでこれまたお蔵入りにしてしまっていたものなです。

さて、そうした経緯で久々に聴いたこの作品、その昔小うるさく感じた二人のサックス・プレイ、アルトとテナーの違いはあるも、共に硬質な音色でどちらかというとゴリゴリ吹きまくる印象のこの二人、私のいいかげんな記憶の中では、互いに煽りまくり白熱の余り自己を顕示するかのようなオーバー・ブローに陥ってしまい、聴かされる側としては、しまいにシラけてしまう、そうしたものであったように思っていたのですが、あらためて耳を澄まして聴いてみるとさにあらず。

McLeanもGordonもソロに入ると次第にヒート・アップして行き、かなり熱きサウンドを放っている様が聴き取れるのですが、そこでオーバー・ブローに陥ることなく互いに自己の持てる技を駆使しして真正面からぶつかり合っている、そんな様が聴こえて来たのです。


というところでその演奏、ここで耳傾けていただき、その真偽、確かめ味わっていただくことにいたしましょう。

曲は、”All Clean”です。








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欧州で花開いた秘められた天賦の才・Kenny Drew:Everything I Love 本日の作品;vol.141 [デジタル化格闘記]

その昔、聴くも我ライブラリーに長い間眠ってしまっていた作品、今年はそうした作品にも光をあてるべく聴き直し、それを書き留めて行こうとこれまで3作品を取り上げ語って来ましたが、今回も引き続きそうして再発掘した作品のお話。

その作品、それはあるバップ時代に活躍していたとあるピアニストのピアノ・ソロ作品なのですが、若き日何気なく街に出て、時間つぶしにとたまたま目にし飛び込んだジャズ喫茶で耳にしたそのサウンドが、バップ時代のスタイルとは大きく異なっていて、その変貌ぶりにおおいに驚嘆、その帰り道にまだ発表されて間もないそのレコードを求め歩き、ようやくGet相成ったという、私にとっては自身の深い思い出があったもの

その作品がこちら.........

Kenny Drew:Everything I Love .jpg


1973年制作の Kenny Drew、欧州移住後の第2作目のリーダー作品となる”Everything I Love”です。

私にとってDrewというピアニスト、John Coltraneの”Blue Train”でそのプレイ接して以来、大のお気に入りなていて、この作品と出会うまで、1961年渡欧後 デンマークのコペルハーゲンに拠点としてその地にあるカフェ・モンマルトルのハウス・ピアニストとして生涯のパートナーとなるベースのNiels-Henning Ørsted Pedersenと、その時期、既に拠点をヨーロッパに移していたサックス奏者のDexter GordonJohnny Griffinのサイドマンとして共演したこれら作品を通して彼のプレイを楽しんで来たのですが、それとはまた違った印象のこのリーダー作品での彼のプレイ。

前者の作品では、50年代アメリカ時代のバップ・ピアニストとしての彼の元のスタイルとは違う、60年代主流となったBill Evansのスタイルに近づき変貌しつつも、どこかバップの余韻の名残が聴こえるものであったものが、このソロ作品ではさらに進化し、フランス印象派的クラシックの余韻を宿すものとなっていたことへの心地良い驚きのひと時!

そこでまずは、1曲。

私に、そうしたことを強く感じさせた楽曲から、新鮮な驚きをもって聴いた"Sunset" をお聴きいただきその心の余韻を感じていただくことにいたしましょう。




















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神の啓示に導かれて;Keith Jarrett・Solo Concerts: Bremen/Lausanne 本日の作品;vol.140 [デジタル化格闘記]

今回は、再びいつもに戻って音楽ネタ。

その音楽ネタ、今年は、年初めからこれまで我がライブラリー収めておきながら、そのまま聴きそびれてしまっていた作品を取上げ聴き直し、その感想とその作品まつわる私自身の思い出をテーマに書き留め行くという趣向で筆を進めているのですけど、今回も長い間私のライブラリーに眠らせてしまっていたこんなアナログ盤を掘り出し、また語って行くことにいたしました。

Solo Concerts: Bremen & Lusanne-m.jpg


その作品は、ジャズ・ピアノの巨匠Keith Jarrettの1973年の作品”Solo Concerts: Bremen/Lausanne ”。
アナログ盤では3枚に収録された大作である本作品、この作品が出た頃の私は、Keith のピアノが大のお気に入りで、彼の作品が発表されればGet、かたっぱしから彼の作品を聴き、Liveにも参戦するという状態だったもですが。

この作品も、リリースされるとすぐにGetしよく聴いていたのですが、しかしその後は、なんといってもアナログ3枚組、A面B面をひっくり返しながら2時間超、次第にそうしたことしながら音楽に没頭する時間もとれなくなり、以来30年以上、お蔵入り状態になってしまっていたものなのです。

そうした長い間忘れていたこの作品、それを思い出すことになったきっかけは、前々回の記事で取上げた益田幹夫のピアノ作品の”黒水仙”を聴いてのこと。

しかとした理由もなく、益田幹夫のピアノを聴いていたところ、その余韻の中にどういう訳かKeithのピアノの面影が浮かんできて、忘れかけていたこのソロ・ピアノ作品を思い出し聴きたくなってしまったというのがその顛末。

とは言え3枚組み2時間を越えるこの大作、聴くといってもどこでもというわけには行かず、持ち運び通勤の道中、電車の中で手軽に聴くことが出来ればと、音源デジタル化作業に取り掛かることとしたのです。

そうして30年ぶりに再会したそのサウンドは!!!



keith jarrett 50.jpg









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60年代!Chaosからの脱出;Chick Corea・Return To Foever- Light As A Feather. 本日の作品;vol.139 [デジタル化格闘記]

3月になりましたね。

そこで、今年に入ってからこれまで聴いて来た作品の傾向を振り返ってみたのですが、その結果は今年になって当ブログの記事で取り上げた作品の傾向と同様、1960年・70年代の作品がその中心となっていたことに気づかされたのです。

考えてみればこの時代、ジャズ・ロック等のポップ・シーンにおいては、Beatlesを核とするブリティッシュ・ロックの台頭、ジャズ・シーンにおいては、無調の世界、所謂フリー・ジャズの世界へと突入し 聴衆離れを引き起こしその活力失いつつも、再びその存在を取り戻そうと、ロックなどの新しい時代の感性を取り入れ、次なる時代の音楽を模索していた時代。
そして、さらには、それまで日常触れることの機会が少なかった黒人たちの音楽、R&Bが、その差別の撤廃を求めた公民権運動に勝利したことから、以降大きく紹介されようになったなど、これらの新しい音楽の潮流が生まれ、なおかつそのそれぞれが融合影響しながら多くの試みがなされ次から次へと世に発信されていた時。

その頃の私はというと、そうした新しい時代の潮流に乗ろうと、次から次へと登場するこれらの作品を追い求め買いあさっていたのですが、いつの間にか溜まってしまったその作品の数の多さから、聴く方が追いつかず、ろくに聴くこともないままお蔵入りにしてしまった作品がかなり数になってしまっていたのです。

しかし、今はあの日から数えて間もなく半世紀。
と言いながら、既にそんな時が流れてしまったのか.................
随分年をとってしまったものだと大きなショックを感じつつも、個性に満ちたあの時代の作品群、このまま埋もれさせてしまうのはもったいないと考え、昨年の終わり頃から、今の評価を下すべく古いレコードを取り出して、ぼちぼちと聴き始めたところ、いつの間にか1960年代・70年代の深み嵌ってしまっていたというのが、この結果。


そうした中で今回は、
あの時代によく聴き熱中した、40年の時を経た今、聴いてみれば、これこそが現代Jazzの原点だったのではと思われてくるこの作品。

Light As Feather.jpg


こうした美しいジャケットに包まれた、Chick Coreaと第1期 Return To Foreverによる1972年制作の”Light As A Feather”を聴き、そのインプレッションを語ることにいたしました。

本作品は、1960年代の終わりには Anthony Braxton、Dave Holland等と共にフリー・ジャズの世界に身を投じていたChick Coreaが、1970年代に入り突如大きく変貌、その後のJazzの進むべき方向を暗示した言われる歴史的大名盤との誉れ高い前作”Return To Foever"に続いて、前作と同じメンバーにより制作されたもの。

前作に比べよりPop度の増した本作品、発表された当時は前作の安易な2番煎じという目で見られ、けして芳しい評価を得られることなかった作品なのですけど、しかし、今聴いてみると、前作がナチュラルかつ透明な優しさを有しながら、その間に間に顔を覗かす強い緊張感にジャズとしての威厳を感じると共に新たな胎動の息吹を感じさせられるものだったのに対し、その2作目となる本作では、そうしたスタイルを継承しつつも、コマーシャリズム一辺倒に陥ることなく、さらに多くの人々にとって受入れ易いものとなっていて、なおかつグループとしての緊密度がさらに増したことから生まれる前作同様のミュージシャン相互のスリリングな展開がさりげなく随所に填め込まれているという、なかなかの聴き応えのある作品に仕上がっていると思われるようになったのです。


それでは、その透明な優しさとポピュラリティな色彩を有しつつ、密かにスリリングな一面を覗かせるそのサウンド、ここで聴いてみることにいたしましょう。

曲は、浮遊感漂うFlora Purim のヴォーカルとJoe Farrell の小気味良いフルートが活躍する この作品の冒頭に収められている曲 "You're Everything" です。




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メルヘンの森への招待・Jethro Tull;Songs from the Wood 本日の作品;vol.138 [デジタル化格闘記]

前2回は、これまで腰を据えて聴くことなかったJazz作品を取り上げ聴き直し、そのインプレッションを語って来ましたが、今回はちょっと矛先を変えてそのロック編。

その作品がこちら!!

Songs From The Wood.jpg


ロック界きってのフルート奏者でヴォーカル・コンポーザーのIan Aderson。
その彼が率いるJethro Tullの1976年の作品”Songs from the Wood”です。

1968年にデビューしたJethro Tull、私が彼らを最初に聴いたのは、彼らのデビューから5年後の1972年頃のこと。
フルート奏者がいるロック・バンドと聞いて、果たしてどんなサウンドを生み、聴くに値するものなのかという興味から付き合うことになってのですが、実際に聴いてみて、これまでのロックでは聴けなかった欧州の古き伝統の世界と、ロックという、まさに現代の象徴べき空気が見事に調和したそのサウンドにすっかり魅了されてしまったのでした。

そして、その後は彼らの作品がリリースされるとすぐに手に入れ、度あるごとによく聴いていたものだったのですが、この作品が発表された頃は、何かと忙しく家で過ごすこと時間もなかなか取れない状況で、Walkmanなど、外に好みの音楽を持って聴きながら出掛けることなど願うも不可能の時代のこと、そうであっても聴きたいなどの夢は叶わず、作品を手に入れたもののほとんど聴くことが出来ないままとなってしまっでいたものです。

とは言いながらもこの作品、その最初に聴こえて来た表題曲の”Songs From The Wood”のまるで森を覆う木の精霊たちが歌い語っているかのような雰囲気のサウンドに、静けさの溢れる森の中から湧き出る神秘的な生命のオーラを感じ、それが強く心に残ることになってしまったのです。
そのうえ近年、その思いがとみに強くなって来てしまい、どうしてもじっくりと聴いてみなければと考えるようになってしまったことから、今回、元のアナログ盤をデジタルに変換して持ち運び聴くことが出来るようにした次第。

そこで今回は、私の心に強く刻まれ残ってしまったメルヘン宿る神秘の森の世界、まずは皆さんにも感じてもいただき、ともにJethro Tullの深淵な音の世界に足を踏み入れ、また語らしていただくことにしたいと思います。


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